最後の女



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初公開日(参考)1976年04月
分類

長編小説

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最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)

1976年04月01日 最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)

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書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.00pt

最後の女の総合評価:6.57/10点レビュー 7件。Cランク


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(8pt)

腐ってもクイーン!

クイーンシリーズとしては最後から二番目の長編となる本書。
なんとその舞台はライツヴィル。そして本書は『顔』で語られたグローリー・ギルド事件の続きから始まる。つまり本書はエラリイ・クイーン自身が書いた作品だ。

『真鍮の家』でリチャード・クイーンはジェシイ・シャーウッドと結婚したが、本書ではそれは無かったことになっているらしい。同書の事件を飛び越して『顔』の事件の後、しかもエラリイの復調のためにクイーン警視はライツヴィルの保養所にて一緒に過ごす。しかもそれについて妻に断りを入れる云々の件はない。その後自宅に戻ってもジェシイの影など少しも見かけられない。確かにあの作品はエイブラハム・デイヴィッドスンの手になる物だからそれも致し方ないのだろう。

従って本書でのクイーン警視は案外俗物っぽい。エラリイを裸映画(ポルノ?)に誘ったり、ジョニー・Bの遺産相続人のレスリーに対して「あと30年若かったら…」などとのたまう。長い間やもめ暮らしをしていた老人の悲哀を感じる。

また本書ではノンシリーズの『ガラスの村』の舞台となった<シンの辻>が意外と近くにあることが明かされる。事件の舞台となったジョニー・Bの別荘はライツヴィルと<シンの辻>の間に位置するのだ。

そんな物語の中心人物は何度も結婚を繰り返すジョニー・B。父親の莫大な遺産で何不自由なく暮らし、毎月世界中のどこかのイベントに参加する自由人。
そんな彼だから結婚に縛られるような人物ではないと思っていたが、実は信託財産で年間30万ドルが支給されるようになっているが、それでは彼の生活では足らないので遺言状にある「私の息子ジョンが結婚した時には500万ドル与える」というのを「私の息子ジョンが結婚する時にはいつも500万ドル与える」と読み替え、それが故に結婚、離婚を繰り返すことになったという仕組みだった。

しかしそんな暮らしに終わりを告げる予定だった第4の妻ローラの存在を探し、またジョニー・Bを殺害した犯人を見つけるのが本書の謎。

3人の元妻たちに囲まれた中でそれら元妻には遺産は相続しないと宣言したその夜に起きた殺人事件。こんなシチュエーションであれば必然的に犯人はその3人に絞られてくる。そんな中に不協和音を奏でるのが前日に紛失した3人の女性たちのそれぞれの持ち物であったイヴニング・ドレスに緑のかつら、そして手袋。

それらが見事に論理的に解明されるラストは実に鮮やか。たった1つの解で全てがピタリと収まるべきところに収まる鮮やかな手際にやはり本家クイーンは凄いと唸らされた。
まさに長年の沈黙を破る会心の一作だ。

正直に云えばクイーン全盛期の作品と比べれば地味な物語でありサプライズの度合い、地味な物語などやや落ちるのは否めないものの、他作家のクイーン名義を読んだ後ではこの作品がやけに眩しく感じてしまう。
そういった意味でちょっと甘めに8ツ星としたい。


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No.6:
(4pt)

ライツヴィル

ライツヴィルの街が出てくる作品は、これで5作品目?でしょうか・・。 ライツヴィルと聞くだけで期待が大きくなりますね。 この作品も、中々面白かったです。 ライツヴィル物で1番とはいきませんでしたが、充分、読んでみる価値ありだと思いますよ。
最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)Amazon書評・レビュー:最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)より
4150701032
No.5:
(2pt)

なぜ、ライツヴィルなのか

謎解きのポイントは、ダイイングメッセージと盗まれた3つの品物。
本書が、生まれて初めて読む本格ミステリーだという人ならともかく、ある程度本格慣れした人なら、謎を解くことは難しくない。

しかし、謎解きが簡単以上に問題なのは、なぜ、ライツヴィルなのかだ。もちろん、読者を説得できるようには書かれているが、1970年を迎えたライツヴィルに昔日の面影はない。違う場所でもよかった気がする。
また、1940年代後半から1950年代のライツヴィルものには、時代の雰囲気が漂っていた。当然ながら、1970年前後のアメリカにも、それなりの時代の空気があるはずだが、残念ながら、本書には、そういったものも感じられない。
最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)Amazon書評・レビュー:最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)より
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No.4:
(4pt)

代表作

トリックと言うより、人間関係に重きを置いた、、、後期エラリークイーンの代表作
最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)Amazon書評・レビュー:最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)より
4150701032
No.3:
(3pt)

まるでお伽噺 日常の出来事や経験を現実世界へと理想化 赤裸々な幻想

美しく広い自然のなかにいるのに斬首台へ向かう気分になる1970年作なんだな。最後のライツヴィルもの。ふとニューヨークの空港において
ハーバード大学の旧友にして富豪のジョニー・Bと再会したエラリーと、その父親のリチャード・クイーン警視。二人が休暇の計画を練ってる
ことを知った彼がライツヴィルに所有している別荘へと招待してくれたんだ。それは安息の日々になるはずだったんだ、、
、、あとからジョニーもやってきたんだけど、何と元妻の三人も来ることに。。何でも遺言状の書き換えの相談らしいんだぜ、重苦しいよ。。
遺産相続問題、がみがみだよ。。当然彼はその夜・・・・・・事切れる(苦笑)。いいのか・・・・・いいのミステリーなんだから!(笑)。
さて、青息吐息。。もう一回さて、ジョニーは今際の力を振り絞って母屋からゲストハウスにいるエラリーに対して電話で奇妙きわまる
ダイイングメッセージを残したんだね。そしていざ犯行現場には事件に先立ちそれぞれの妻たちが盗まれたと主張していた装飾用のかつらと
ガウンと手袋が残され、撲殺に使われた見猿聞か猿言わ猿の彫像が転がっていたの。。ふむ。それにしても最後の真相がやるせない。。
サカナクションの「アイデンティティ」を聴くようなもどかしいやるせなさ。それが今回のヒント!とゆうより勘がよければもれなく一瞬で
犯人がわかるような新しい実験を試みてみたんだ。駄目じゃん(笑)。
それにしても最後の最後までの貪欲なアイデア力の凄さなんだな。地味だけど先駆的題材を扱ったもの。思想めいてるんだな。形というよりは。
でも実際のところアイデアが湯水のようにわき出る人間っているものだけど、往々にしてそれを金に結び付ける能力がなかったりするんだな。
だから第一義がそれになるある種の退屈さ。ここ20年の流れがそうだわな。形だけはめまぐるしく変わるんだけど、基本的に内部からはなにも
発展しない。欠如してるのは清廉潔白さ。しかし何もそれは本田宗一郎や松下幸之助みたいな独創的で孤高の一匹狼な出自による理想巻き込み型
というよりは、吉田松陰的な学んで学ばせてのそれなんだな。そもそも今の時代は幕末みたいな流れにいるんだから尚更だわなあ。
どちらがとゆうよりは逆さ絵のような情勢。それに左右されない根底からの転換点を。見ようとしない、聞こうとしない、言おうとしない、
その馴れ合いじゃれ合いから抜け出せないから進まない。目を、耳を、口を、盗まれてのっぺらぼう化しながらも夢みるありったけの装飾。
そのネット内でアバター課金する程度の個性。そんな空気のように遍在するものにいちいち階層的な感情をつけて楽しんでるリアルな幻想。
しかし逆さ絵で気づくなら、実は最終的な形はすでにそれ自身の中に持っていたりするものであって、例えばネットだとかリアルなんて言葉分け
をすること自体が絶望的に古いというぐらいに垣根を流動的にすればいいんだが、多機能で便利だね、その精神的非合理。疎外感がなくて便利
だね、その人間的不合理。ここで澱んで思考がストップしてるんだから。しかし便利便利ってのが物狂おしいほどの薫陶になるところがまた
面白いもんで、つまるところその時代の便利さで地べたに叩きのめされてるものが次の2〜30年後のもっとも新しい萌芽になりえることもまた
事実だし、皮肉なことにその萌芽が手にしているものもその便利なものだろう。しかし泳ぎ方が変容してる。もっと合理的に泳ぐさ。
時代が前へ前へってのはある意味幻想で、同じような周期で同じような本質の事が起きてたりする。表面への現れ方、使う道具が違うだけで。
不安が出てくる流れ。でもだから本気で考えるし、本気で想像する。少なくともその余地があるし、それをいかに合理的に埋めようかと思想
としてのアイデアを出し、どうせ出すなら独創的に。。しかしそれはまだ先の話で(笑)、いま叫んでるのは盗まれた目を、耳を、口を
取り戻せってことであり、それは流動的な交流ありきのものなんだから、ほら、学んで学ばせてでしょ?
最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)Amazon書評・レビュー:最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)より
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No.2:
(3pt)

home

homeというダイイングメッセージを主題に展開される話ま、ありきたりな解釈だとネヴィルズJRに酷評されてますけど本当にありきたりなうえちょっと頭が回ればすぐ解っちゃいますこれも、クイーンですけどね
最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)Amazon書評・レビュー:最後の女 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-3)より
4150701032



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