靴に棲む老婆



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初公開日(参考)1954年10月
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長編小説

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靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2022年12月21日 靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

製靴業で成功したポッツ家の当主コーネリアには子供が6人いる。先夫の子3人は変人ぞろい、現夫の子3人はまともだがコーネリアによって虐げられていた。ある日、名誉棄損されたと長男が異母弟に決闘を申し込んだ。介添人を頼まれたエラリイは悲劇を回避するため一計を案じる。だがそれは、狂気と正気が交錯する恐るべき連続童謡殺人の端緒に過ぎなかった。本格ミステリの巨匠、中期の代表作が新訳で登場。解説/飯城勇三(「BOOK」データベースより)




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靴に棲む老婆の総合評価:8.00/10点レビュー 18件。Dランク


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(4pt)
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凡作だが、今後のクイーン作品への繋がりもあり

前作『災厄の町』から始まった第3期クイーンシリーズだが、この2作に共通しているのは事件が起こる前にクイーンが渦中の家族の中に潜り込み、その過程に隠された秘密を探っていくという趣向にある。これは調査を進めるうちに家庭内にどんどん入り込むチャンドラーのマーロウやロスマクのアーチャーなど私立探偵小説に通ずる展開がある。
もっと下世話に云えばドラマ『家政婦は見た!』のようなワイドショー的な立入り捜査となるだろうか。

今回は6人の息子を持つ靴屋チェーン店をアメリカに展開する老婆の家で起こる殺人事件を扱っている。その6人の息子というのが前夫の間に生まれた3人が気違いであり、現在の夫の間に生まれた3人が優秀でそのうち双子の兄弟は実質的に会社を切り盛りしているといった具合。
そしてこの靴屋の老婆と6人の子供という状況がマザーグースの歌に出てくるのだ。そしてその歌の歌詞を具現化するかのように事件が起きる。

マザー・グースの歌に擬えた殺人事件。この童謡殺人というテーマは古今東西の作家によっていくつもの作品が書かれているが、クイーンも例外でなかった。

しかしクリスティの『そして誰もいなくなった』然り、ヴァン・ダインの『僧正殺人事件』然りと、他の作家たちのこのマザー・グースを扱った童謡殺人の作品が傑作で有名なのに対して、本書はクイーン作品の中ではさほど有名ではない。
読了した今、それも仕方がないかなという感想だ。

今回の事件というのは、空砲での決闘になるはずだったサーロウとロバートの異父兄弟が実弾が放たれたがためにロバートが死に、そしてまたその双子の弟マクリンも決闘する段になってその前夜、何者かに撃たれて死んでしまうという物。
さらにポッツ一族の長であるコーネリアが死の間際に遺した告発状に自身がそれをやったのかと残されていたが、その告発状は偽物である事が発覚する。

空砲にすり替えたはずの銃弾を誰が実弾にすり替えたのか?
そしてマクリンはマザーグースの歌に擬えるが如く、死んだのか?
さらにコーネリアの告発状を偽造したのは誰か?
これらが謎の焦点になっているのだが、事件としては小粒でいささか牽引力が弱い。

最後の蛇足交じりの重箱の隅を。
ロバートが決闘にて射殺される事件が起きるにいたり、ポッツ製靴会社の社主コーネリアはスキャンダルによる株価下落を予想して自身の所有する株を売りに出すことを命じるが、これは明らかにインサイダー取引だ。
まあ、恐らく本書が刊行された1940年代にはそういったモラルが確立されていなかったのだろうから、インサイダー取引に関する法律も整備されていなかったのだろう。当時の常識を知る意味でもなかなか興味深い一幕だった。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.17:
(5pt)

新旧

両方読み比べ、新訳の方がいいかな?
旧約は、当時の趣があり好きですけど…
この新訳の訳者さんの訳は、とてもいいです。
靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701563
No.16:
(4pt)

「Yの悲劇」+「十日間の不思議」の要素あり。

タイトルが気持ち悪いため食指が動かなかったものを、新訳が出たのでトライしてみました。変わり者だらけの一家は「Yの悲劇」で体験済み。最初は大したことないと思いながら読み進めていきました。女傑コーネリアの病死に続く遺言書の公開、犯人名指しの手紙の登場で、興奮しました。続いて、犯人に罠をかけて待つところで、ドキドキ、もう事件が解決したと思わせておいて黒幕がいてドキドキ、気がつけば1日で読み終わってました。「Yの悲劇」や「十日間の不思議」には及びませんが、面白く楽しめました。
靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701563
No.15:
(5pt)

読みやすい!

これからも新訳版が出続けて欲しい限りです。
靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701563
No.14:
(5pt)

過去版の誤訳が正しく訳出されています

過去のHPBや創元推理文庫版で意味がよくわからなかった箇所の合点がいきました。
越前氏は本当に作品全体を眺めて、そこでその発言者がどんな意図で話しているのかまでを理解した上で翻訳されています。

元々、エラリーの質の良い中期作品なのに日本で正しい評価がされていなかったのは過去の翻訳のせいだということがよくわかりました。
靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:靴に棲む老婆〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701563
No.13:
(5pt)

読者のあごはだらりと下がる

1943年作品。原題は『There Was an Old Woman』で永く『生者と死者と』という題名だったが新装刊と同時に今の題名に改名されています。ぼくは、元の題名よりは内容に合っている気がします。

1997年6月発行の日本のエラリー・クイーン・ファンクラブの機関誌の投票でクイーンの全長編のランキングが発表されています。それによるとベスト10は、

1.『ギリシャ棺の謎』→2.『Xの悲劇』→3.『エジプト十字架の謎』→4.『オランダ靴の謎』→5.『Yの悲劇』→6.『フランス白粉の謎』→7.『中途の家』→8.『災厄の町』→9.『十日間の不思議』→10.『靴に棲む老婆』の順となっていて本作は第10位にランクインしています。ただ思うのはさすがの会員達も全エラリー・クイーン作品を全員が読破しているとは思い難く、有名どころに票は集中するとも思われ、その中でもランクインした7位→10位の作品はスゴイと言えると思います。

ミステリー・ファンなら誰でも気がつくことですが、読者の意識の中にヴァン・ダインの傑作『僧正殺人事件』を思い浮かばせることをクイーンは想定済みです。わざと読者に想定させておいてこの作品を発表してくるところがやっぱりクイーンらしいと思います。何となく演劇仕立てぽくなっていて読み進むほどに感心する警句も溢れています。読者のあごをだらりと下げさせる(クイーンはよくこの表現を使います)文句なしの傑作です。
靴に棲む老婆 (1977年) (世界ミステリシリーズ)Amazon書評・レビュー:靴に棲む老婆 (1977年) (世界ミステリシリーズ)より
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