エジプト十字架の謎



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初公開日(参考)1958年01月
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長編小説

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エジプト十字架の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

2016年07月21日 エジプト十字架の謎【新訳版】 (創元推理文庫)

クリスマスの早朝、ウェストヴァージニアの小村の丁字路で、T字形の道標にはりつけられた男の首なし死体。この怪奇な事件は半年後、第二の首なし死体の出現をもって、全米を震撼させる一大事へと発展する! 「T」の意匠に彩られた連続殺人に相対するは、青年作家エラリー・クイーン。推理の連打と壮絶な追跡劇の果てに、名探偵が神域の論理により看破する驚愕の真相とは? 国名シリーズに堂々屹立する、本格ミステリの金字塔。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.50pt

エジプト十字架の謎の総合評価:7.62/10点レビュー 45件。Bランク


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全6件 1~6 1/1ページ
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

シリーズ中、かなり異端な作品

エラリー・クイーンの国名シリーズを幾つか読んできましたが、本作はこれまでの作品と毛色が違うと思いました。
一つは、何をおいても事件の猟奇性。丁字路に磔にされた死体――それだけでも猟奇的じみてますが、その死体には頭部がありません。それまでのクイーンの作品でこれほどまで残虐な死体は出てこなかったので、かなり珍しいと思いました。
思えば、手術を受ける患者がオペ前に殺されていた『オランダ靴の謎』や、劇の最中に観客の一人が殺されていた『ローマ帽子の謎』同様、読者の好奇心を見事に誘う出だしだと言えましょう。
二つ目は、スリリングな要素。エラリーが、次なる犠牲を阻止しようと駆けめぐる描写に、かなり惹き込まれました。

エジプト要素がないから国名シリーズに相応しくないというレビューがありました。たしかに、現場はアメリカで、エラリーがエジプト要素を持ち出すも、結果的に関係ないという話が序盤で明らかとなります。けれど私が初めて読んだオランダ靴の謎で、オランダ要素が皆無とわかっていたので、そこはご愛嬌と、あまり気になりませんでした。むしろ、エラリーがエジプトの蘊蓄を並べたことが、結果的にオチに繋がっていて、なかなか凝ってるし遊び心を感じられます。

ただ、ミステリ要素としては、ありがちだなと辛めにレビューしておきます。当時は珍しい仕掛けだったのでしょうか。けれど本作の仕掛けが幾つもある推理小説において、結末を予想でき、やっぱりなと思った読者は多いと思います。
古典小説なのだから現代人に通じるドンデン返しを求めるのは贅沢と言われるかもしれませんが、少々強引かなと思いました。
古典ついでに言えば、監視カメラが数多く設置されてる現在、死体を堂々と道標に磔にする大胆さは、古典小説ならではの発想の柔軟さだと思いました。監視カメラやらあらゆる技術の進化が、現在のミステリ作家を苦労させるなと、同情しました。

ついでに、エラリーやら検事やらが警戒するなか、みすみす連続殺人を起こさせてしまったのがマイナス評価でした。
探偵といえど完璧でない、けれど、次に狙われる可能性がある人物を殺されるのは、間が抜けてると言わざるをえません。

本書は創元推理文庫で読みました。直訳のような堅苦しい文章ですが、角川版と違って表紙が好みなので、創元推理文庫を贔屓にしてます。国名シリーズの未読は『ギリシャ棺の謎』を残すのみ。他の国名シリーズも文庫化をゆっくり待ち続けてます。

bamboo
NU17PFML
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

Tの悲劇?

国名シリーズ5作目でシリーズ中最高傑作と名高い本書。その導入部はエラリーが父親の出張旅行に同行している最中に出くわす猟奇的な殺人事件というショッキングな幕開けだ。
しかも今回クイーンは云わば「動のクイーン」と称せるほど、クイーンが動く。物語の舞台が変る。最後の犯人の追跡行はアメリカ東部の主要都市を車、飛行機を駆使して不眠不休の如く、続けられる。
また今までのシリーズのように、事件をしっかり調査して、並べられた証拠・事実をじっくり吟味する趣向と違い、犯人と目される人物の名前は出ており、それが起こす殺人を如何に未然に防ぎ、犯人を捕らえるかという、特殊な設定になっている。

今回のテーマは「見立て殺人」ということになるだろうか。T型の十字架に磔にされた首のないT型の死体。しかも場所はT字路もしくは頭文字“T”のトーテムポール。おまけに殺害現場にはどちらとも大きく「T」の殴り書きが。
云わば『Tの悲劇』とも副題がつきそうな内容だが、物語半ばで明かされるTの真相は意外にも呆気ない。その真相が得られるまでエラリーはT十字架、ギリシア正教で使われていたギリシア十字架の前に存在していたタウ十字架、すなわちそれは昔エジプト十字架と呼ばれていたという知識を披露し、事件の裏に宗教的な匂いを感じる。
これはヤードリー教授に勘違いを指摘されてしまうのだが、これがちょうど物語の半分辺りの2章の終わりで覆されるのが個人的には惜しいと思った。
しかしこの“T”の意匠については解決編で別の解答が得られるが、よくありがちな真相、つまり私が想像していたものであったのが残念。

さて今回の読者への挑戦状はかなり後の方に出てくる。残り50ページ足らずのところで挿入される。しかし前述の通り、今回は犯人が解っているため、今回は読者への挑戦状はないかと思っていたので、正直びっくりした。
実は私は2章が終わった段階である人物を犯人と目していた。その直感的な指摘は、その時点で物語を読み返すと確かに事件の時期とその人物の行動・そして身体的特徴が一致したこともあり、かなりの自信があったのだが、挑戦状を待たずして、その人物が犯人でない事が解ったことも、今回は挑戦状はないのでは?と思った次第だ。

で、結果はというと今回も敗北。これは素直に認めざるを得ない。なにしろあれだけ明確にあの人物が犯人であるという証拠を見せつけられたからには、ぐうの音も出ない。
天晴れ、クイーン!である。

が、しかしそれでも私は解決編を読んでも残る疑問はあると苦言を呈したい。
まず第一になぜトマス・ブラッドは犯人とチェッカーをやるために、家族のみならず、執事ら使用人らも含めて人払いしたのか?
もう1つはスティヴン・メガラの殺害について、桟橋にあったボートを盗んで犯行に及んだ事までは解っているが、どうやってその桟橋まで犯人は侵入できたのか?まだ警察はブラッドウッド界隈を見張っており、メガラが犯人をおびき寄せるべく、警察に警護を解くようにいった事実は、この犯人は知りようがないではないか。つまりこの犯人はそれまでブラッドウッドのどこに潜んでいたのかが全然解らない。
今回の犯人は犯行現場からかなり遠方にいたはずである。どうやってメガラ周囲の動向が知りえたのか、全く不明だ。中にスパイがいた、もしくは定期的に連絡を取っていたという記述は一切なかった。
他にも何か据わりの悪さを感じるところがあるが、主に上の2点が非常に気になった。

今回の国名シリーズは今までの国名シリーズと違い、非常に表題に挙げられた国を意識した作品になっている。今までは舞台となった場所にその国名が関せられただけで、国名シリーズといいながら、その国ならではの特徴があったとは決して云いがたい。
しかし今回はエジプトに関する叙述が横溢している。発端のエジプト十字架に関する考察から、古代エジプトの文化・風習など、それらが物語に一種オカルト風の味付けをしていることが本書の最大の特徴だといえるだろう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

タイトル「Tの悲劇」の方が良くないですか?

「エジプト」という国名はその文字だけで、人々の様々な想像を引き出し、魅力を感じさせますが、この作品にはエジプトは1ミリも関わりませんので、間違っても『ナイルに死す』みたいな内容を期待してはいけません(笑)

首切りトリックの教科書のような内容で、綿密なロジックといい、発表が80年以上前ということを踏まえれば、完成度や質は非常に高い推理小説だと思うのですが、単純に読んでて「面白くない」と思いました。
とにかく理屈ばかりでなかなか話が進まず、退屈な内容でした(そういうのが好きな人は好きなんでしょうが)

その退屈さを紛らわせる要素のつもりなのでしょうか、途中で話に組み込まれる「ヌーディストの島」ですが、正直これに関しては物語上の必要性が全くわかりません

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マリオネットK
UIU36MHZ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(3pt)

ストーリーが面白ければ

ミステリとしては私好みでした。地味ながらも論理の通った推理で解決するのは良かったんですが、話が退屈過ぎる、長々と遠回りしてくれたねといった感じです。
確かに、推理の根拠は非常に少なく、またそれが重箱の隅をつついたところにあり、そんなに丁寧に読んでほしかったら面白い話にしてくれ〜と嘆きたくなりました。退屈だったので読み飛ばしたくなったので…

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陰気な私は地球を回さない
L1K3MG03
No.2:
(7pt)

まあまあでした

国名シリーズでは面白い方ですかね。 

わたろう
0BCEGGR4
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

エジプト十字架の謎の感想


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梁山泊
MTNH2G0O
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