十日間の不思議



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初公開日(参考)1976年04月
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長編小説

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十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2021年02月17日 十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

名探偵エラリイ・クイーン、最大の事件の幕が開く。 ぼくを見張ってほしい――たびたび記憶喪失に襲われ、その間自分が何をしているのか怯えるハワード。 探偵エラリイは旧友の懇願を聞き入れて、ハワードの故郷であるライツヴィルに三たび赴くが、そこである秘密を打ち明けられ、異常な脅迫事件の渦中へと足を踏み入れることになる。連続する奇怪な出来事と論理の迷宮の果てに、恐るべき真実へと至った名探偵は……巨匠クイーンの円熟期の白眉にして本格推理小説の極北、新訳で登場。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.00pt

十日間の不思議の総合評価:8.31/10点レビュー 32件。Bランク


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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

十日間の不思議の感想


▼以下、ネタバレ感想

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氣學師
S90TRJAH
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

クイーンの敗北宣言!?

ライツヴィルシリーズ3作目。本作ではかなり意識的にライツヴィルという町がエラリイにとって運命的な何かを持っている存在として描かれる。

シリーズ1作目『災厄の町』同様、本書では手紙が重要な役割を担う。『災厄の町』では夫が妻の毒殺計画をほのめかす3通の手紙だったが、本書では息子が母への恋情を認めた4通の手紙だ。
『フォックス家の殺人』が未読なので手紙が出てくるのか解らないが、本書は共通する手紙の内容がまったく正反対でしかもスキャンダル性を両者とも帯びている。

そして本書では『靴に棲む老婆』と同じ示唆殺人がテーマとして扱われている。『靴に棲む老婆』がマザーグースに擬えていたのに対し、本作では聖書の十誡がモチーフ。
したがって『靴に棲む老婆』のテーマ性に『災厄の町』の味付けを施した作品という印象を持った。

そしてそれら2作のエッセンスをさらに凝縮したかのような濃さがここにはある。特に本書の主要人物はエラリイと彼の友人ハワード、そしてその父親ディードリッチにその妻サリー、ディードリッチの弟ウルファートのたった5人というのが驚きだ。
そんなごくごく少ない人間関係の間で起きる殺人事件だから、必然的にドラマ性が濃くなる。

まずエラリイの友人ハワードは突発的に短時間の記憶喪失症に陥るという特異性を持っている。さらに彼の父親ディードリッチは捨て子だった彼を養子に迎え、さらには若き妻サリーも彼が支援していた貧しい家庭の娘を妻として引き取った経緯がある。
このハワードとサリーが姦通し、その内容を記した手紙が謎の脅迫者の手に渡ってしまうというのが物語の骨子といえよう。
本書におけるエラリイの役回りは謎の脅迫者を突き止める探偵役、ではなく、このハワードとサリーの2人に翻弄される哀れな使い走りであることが異色。前にも述べたがこういう役回りを配される辺り、国名シリーズ以降のクイーンシリーズはパズラーから脱却してストーリーを重視し、ドラマ性を持たせることに重きを置いているように感じる。
特に驚くのは事件の真相が解明するのは一旦落着した1年後であることだ。これほどまでに事件を引っ張ったことは今までなかったし、これがエラリイのに初めて犯人に屈服する心情を吐露させる。

しかしライツヴィルという町はなんとも問題を抱えた家族が多い町だ。事件に関わるたびに人間不信に陥りそうになり、探偵クイーンも気が滅入るのも無理はない。

また本書ではクイーン作品の弱点とも云うべき点が自己弁解気味に書かれているのが面白い。

華麗なるロジックを前面に押し出しているクイーンの諸作だが、そのロジックの美しさには惚れ惚れとするものの、いかんせん情況証拠の列挙に留まっていることが多々あり、実際私も感想にその事に触れ、苦言を呈しているときもある。本書ではその事に対し、エラリイが言い訳めいた理由を述べる。

曰く、「証拠集めは、証拠集めを仕事としている人たちに委せることにしている、(中略)ぼくの任務は犯罪者を発見することで、彼等を罰することではありません」

う~ん、なんとも苦しい弁解だ。つまり殺人事件など刑事事件を扱いながら警察捜査にはまったく自信がないと告白しているようなものである。
リアリティがないとチャンドラーたちハードボイルド作家連中にこき下ろされたことに対し、ほとんど屈服しているように思える。

エラリイが探偵業に自信を喪失したこと、そして上の台詞から読み取れる、作者のリアリティの追求を放棄したことを併せると本書は作者クイーンの敗北宣言とも取れる作品かもしれない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
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No.30:
(5pt)

日本語訳に問題あり

オチよりも途中がめっぽう面白くなった。これがクイーン後期の特徴だと思った。学生時代にはわからなかった。

ただ前のフォックス家はよかったのに、こっちの新訳は、特に会話文の意味が通らず読むのに苦労した。
会話ではないが第一章より:
「迷信深ければ、これを宿命と呼ぶんだろうな、と思った。
 ・・・二回とも、ある事情のために結論を不本意な憶測にとどめておかざるをえなかった。こんなことになるのは、なんらかの類型、それも大きすぎて人間には見分けられない類型があるからではないか、とエラリイはかつて迷い、いまも迷った。」

迷信深ければ→科学的な人間でなかったら、のほうがいいと思うが、それより後半がおかしい。迷う、という言い方がもうわかりづらいし、そもそもwonder if は「迷う」ではない。patternを類型などという遣われない言葉にして訳した気になれるのもおかしい。patternには、習字のお手本という意味もある。そして、そうは見えないが同じパターンにはまっているという意味なのだから、「見分けられない」もおかしい。

原文と適切な訳はこうなる:
He wondered, as he had wondered before, if there might not be a pattern too large to be discerned by the human eye.
→「当時も考えたことだが、なにか大きすぎて人には見えない図式が隠れていて、同じ結果に自分を導いたのではないかという気がした」

あと、基本的な日本語の問題として、どこかは忘れたけど「来るわ来るわ」とか「いるわいるわ」の「わ」が「は」になっていた。今どきの文庫本は校正がされないのだろうか?

・ミステリとしては、麻耶雄嵩先生が書いた帯はネタバレだと思ったが、そのネタバレがわかる人間にはネタバレしても問題ないくらい、一個目の推理は未熟だった。また本当の解決編に至って、逆に当初からのフックであった記憶の問題が気になりだす。

・後期クイーン的問題って結局、解釈が変わるような弱すぎる証拠を使うなってことな気がしてきた。
十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701547
No.29:
(4pt)

さすが、としか。

シンプルなラインとあれれという気持ちに間断を許さないストーリー展開はさすがです。
十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701547
No.28:
(3pt)

普通には面白かったですが。値段が高い。

エラリークイーンの後期の作品で、普通には面白かったですが、「Xの悲劇」のような時間を忘れてストーリーにのめり込んでいくような緊張感はありませんでした。ストーリーにリアリティが乏しいような気がして、これが緊張感を失わせています。後半は少し読むのが辛かったです。1,430円という値段も高いですね。
十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701547
No.27:
(5pt)

つまり

エラリーにはリッチと愉快な仲間たちがいないとダメってことなんですよ。
十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議 (ハヤカワ・ミステリ文庫 2-1)より
4150701016
No.26:
(5pt)

最後はやっぱり

NO!NO!NO!NO!YES!が適訳だと思う。青田勝さんの訳の方がかっこいい。
内容は素晴らしいですよ。エラリー・クイーンのベスト1だと思う。
十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:十日間の不思議〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701547



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