Zの悲劇



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初公開日(参考)1956年01月
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長編小説

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Zの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

2024年09月19日 Zの悲劇【新訳版】 (創元推理文庫)

【名作ミステリ新訳プロジェクト】『Yの悲劇』の事件から十年後。サム警視は退職し、推理の才に恵まれた愛娘ペイシェンスと私立探偵を開業していた。ある依頼で滞在中の町で、関係者の上院議員が殺害される。あらゆる状況証拠がひとりの男を指している難事件は、名探偵ドルリー・レーンの出馬を必要とするほどだった。絶体絶命の容疑者を救うためにレーンが披露するのは、究極の消去法推理! 改めて本格ミステリとしての真価が明らかになる〈レーン四部作〉新訳版。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点5.86pt

Zの悲劇の総合評価:7.47/10点レビュー 55件。Cランク


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全7件 1~7 1/1ページ
No.7:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

異色のZ

まず本作は悲劇四部作において、変奏曲ともいうべき作品になるだろう。それは前2作から打って変わって物語はサム警視の娘ペイシェンスの一人称叙述で語られることから明らかだろう。
そしてレーンは冒頭に出てきてからは成りを潜め、終始ペイシェンスとサムが物語の中心となって事件の捜査に当る模様が語られ、読みながらしばし「これはドルリー・レーンシリーズなのか?」と首を傾げる事があった。物語もちょうど中間に差し掛かってようやくレーンが事件に乗り出す。
しかし今回のレーンは前作『Yの悲劇』から10年経った設定であり、70を超える老境に入っており、そのため身体的にも衰えが著しく、前2作に比べると精彩を欠き、快刀乱麻の如き、もしくは全知全能の神の如き活躍を見せない。

そんな人物配置であるから物語は自然ペイシェンス・サム中心となって語られる。それが故に、この作品では1930年代での女性に対する男性社会の偏見がそこここに見られる。
この時代では女性の社会進出はまだ珍しく、女だてらに殺人現場や容疑者を尋問の場に立会い、自分の意見を開陳するペイシェンスを蔑視する描写がところどころに現れる。事件捜査の中心人物である地方検事ヒュームはペイシェンスには見向きもせず、意見を述べると鼻で笑ったりもし、洞察鋭い意見であっても見直すこともなく、女如きが、と蔑む。
私が並行して読んでいる現代の海外ミステリ、例えばフリーマントルの諸作やエルキンズの諸作で活躍する女性に対する主人公含め男性諸氏の眼差しとは隔世の感がある。

またクイーンは到底レーンが活躍するものだと思っていた読者に対し、このペイシェンスがレーンに匹敵する叡智の持ち主であることを納得させるためにホームズ紛いの推理のお披露目をレーンとの邂逅シーンで設けている。それは初対面でいきなりレーンが回顧録をタイプライターで打っていることを云い当てるのだが、この推理に疑問を感じる。
レーンがペイシェンスの推理を補完するために、老境に達した男が今頃になってタイピングを習得し始めたとなると、自らの功績を書き残しておくためしか考えられぬと述べているが、これはどうだろう?
隆慶一郎氏のように老境に入って作家活動を始めるという人間もいるのではないだろうか?これを以て唯一無二の真実とするには論理としては弱すぎるだろう。それともこの時代はそういう作家はいなかったのだろうか?

で、本作『Zの悲劇』だが、やはり前2作に比べるといささか迫力に欠けるのは巷間の評価とは一致するものの、結末まで読んだ今では、最後怒濤の如くレーンが開陳する弁証法による消去法で瞬く間に容疑者が絞られ、1人の犯人が告発されるあたりはロジックの冴えと霧が晴れていくカタルシスが得られ、個人的には凡百のミステリよりも優れており、楽しめた。

巷間の評価が本作についてかなり低いのは、やはりこのペイシェンスというキャラクターが妙に浮いている感じを受けるのと、前2作に比べ、タイトルに掲げた「Z」の意味がインパクトに欠けるからだろう。

さて次の作品でこの悲劇四部作は終焉を迎える。本作で登場したペイシェンスは更にレーンに関わりを持つのか?そしてどんな結末が待っているのか、楽しみして臨みたい。


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Tetchy
WHOKS60S
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

Zの悲劇の感想

確かに前二作と肌触りは違う。今作のメインは「不可能状況」や「密室」などの所謂魅力的な謎ではないし、前作までのようなレーンのキレキレな判断力もない。
しかし、解決編の推理はもう本当に惚れ惚れとしか言いようがない。一般的な評価が前二作より劣っているのは事実だが、だからといって本作に魅力がないなんてことは全くない。むしろ鮮やかな消去法による推理は、「X」「Y」を読んで次に進むことを躊躇っている方々も一読をする価値がある、はず。

De
2O1XLRX4
No.5:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Zの悲劇の感想

ドルリー・レーン悲劇四部作の第三弾。
X、Yに比べて評価の低い本作ですが、ラストの畳み掛ける様な消去法推理の美しさは個人的には『Yの悲劇』より好きです。
ただしペイシェンスの一人称語りが読みづらいうえ感情移入しにくいため、
いまいちストーリーが頭に入ってきませんでした。
そのために完璧に計算されたロジックの魅力が半減してしまい堪能しきれなかったことが残念です。

歌舞伎蝶
LMC3R9P9
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Zの悲劇の感想

まず、ペイシェンスが嫌いなキャラでした。読んでいてイライラがたまります。 そしてレーン氏の老人ぶりがなんとも残念。なぜこんな設定にしたのでしょうか。しかしラストの謎解きは、論理的で良かったと思います。それだけに、もっと沢山のレーン氏の活躍が読みたくなりますね。まだレーン氏には、最後の事件が残っています。どんな結末になるのか、四部作は起承転結だと言われている様なので、期待して読んでみたいと思います。その時にこの作品も再評価出来れば良いのですが、現時点ではペイシェンスのマイナスの方が強く、良く出来た物とは感じられませんでした。

なおひろ
R1UV05YV
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(5pt)

Zの悲劇の感想

レーン4部作の3作目。
Yの悲劇から10年後という設定になっています。
主要メンバもその立場を変え、そして年齢的にも老いたなぁという印象です。
得意の変装もなしです。変装しても変装した対象と同じ動きができない程、肉体的衰えが見えると言う事でしょうか。
こういう現実に則した設定は評価していいのではないかと思いますが、若干読んでる方は歯がゆくなったりします。
そんな中この作品には、サム元警視の娘ペイシェンスが新たに探偵(もどき)として登場します。
最後はやはり主役交代して美味しいところはレーンが持っていくのですが、序盤戦はレーンが手助けをする形。
(レーンと比較して)彼女の推理のまだまだ未熟な点や青さがよく描けていると感じたのですが、ただそんな彼女の一人称で終始したのはどうなのか。
おかげでこれまでの2作品とは大きく雰囲気が異なってしまっていますが・・・どことなく軽い。

この作品がこれまでの2作品と印象が違うなと感じるのは視点だけではありません。
死刑執行過程の描写が含まれているのですが、この箇所だけ異様に浮いているように感じました。
死刑が執行された日時は推理上で非常に大きな意味があるのですが、執行される人物は事件に全く関係のない人物ですし、不必要と思えるくらいの詳細な描写がなされています。
作者は死刑制度の現状というかその是非まで含めて世に問いたかったのでしょうね。


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梁山泊
MTNH2G0O
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

Zの悲劇の感想

ドルリー・レーン4部作の3作目。起承転結の転と言う感じの急展開。X・Yから数年が立ち、女探偵ペイシェンス・サムが登場する。X・Yよりは地味な印象を受けるが後半のプロファイリングは鮮やかだった。

水生
89I2I7TQ
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(2pt)

Zのインパクトが弱い。

Z…Y…Zと来て最後のアルファベット。
面白さも期待してしまうのは仕様がないか……。

時代もYから数年後の世界で新しいキャラが増えたのですがこれは次回作への伏線?
前半の印象が残らず読むのが辛くなってしまいましたが、最後の最後、犯人を特定する消去法による推理は見事で面白くなりました。
ラストだけが見所な印象。

Emm
Q2MI66AG
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