災厄の町



※タグの編集はログイン後行えます

※以下のグループに登録されています。


【この小説が収録されている参考書籍】
オスダメ平均点

7.00pt (10max) / 5件

7.33pt (10max) / 24件

Amazon平均点

3.96pt ( 5max) / 27件

みんなの オススメpt
  自由に投票してください!!
8pt
サイト内ランク []B総合:185位
ミステリ成分 []
  この作品はミステリ?
  自由に投票してください!!

3.33pt

58.00pt

47.00pt

6.67pt

←非ミステリ

ミステリ→

↑現実的

↓幻想的

初公開日(参考)1977年01月
分類

長編小説

閲覧回数5,671回
お気に入りにされた回数4
読書済みに登録された回数28

■このページのURL

■報告関係
※気になる点がありましたらお知らせください。

災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2014年12月05日 災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

【巨匠の代表作を新訳で贈る】 結婚式直前に失踪したジムが、突如としてライツヴィルの町に戻ってくる。三年間じっと彼の帰りを待っていた婚約者のノーラと式を挙げ、幸福な日々が始まったかに見えた。ところがある日、ノーラは夫の持ち物から奇妙な手紙を見つけた。そこには妻の死を知らせる文面が……旧家に起こった奇怪な毒殺事件の真相に、名探偵エラリイが見出した苦い結末とは? クイーンが新境地に挑んだ代表作を新訳で贈る! (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

災厄の町の総合評価:7.78/10点レビュー 32件。Bランク


■スポンサードリンク


サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
全5件 1~5 1/1ページ
No.5:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

災厄の町の感想


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

氣學師
S90TRJAH
No.4:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

クイーンシリーズ本丸への入口

第3期クイーンシリーズで後期クイーンの代表とされるいわゆる「ライツヴィルシリーズ」の第1弾が本作。
第1の事件として架空の町ライツヴィルの創設者となったライト家に起きた妻毒殺未遂事件を扱っている。

題名の『災厄の町』とはすなわちライツヴィルを指している。但しこの町に悪党共が巣食い、荒廃しているとか、基幹産業が斜陽になり、過疎化が進んでいるとかそんな類いのものではなく、町の著名人であるライト家に起こった妻毒殺疑惑事件について、町中の人間が伝聞からあらぬ噂を掻き立て、それが歪んだ憎悪を生み、容疑者のジム・ハイトのみならず、被害者のライト一家へも誹謗・中傷を浴びせていくという、1つの事件が町に及ぼす狂気を謳っているのだ。

扱う事件は妻殺し。夫であるジムは金に困り、飲んだくれ、しかも殺人計画を匂わす手紙まで秘匿していた、と明々白々な状況証拠が揃っていながら、当の被害者である妻が夫の無実を信じて疑わないというのが面白い。そしてその娘婿の無実を妻の家族が信じているというのも一風変わっている。
この実に奇妙な犯人と被害者ならびにその家族の関係が最後エラリイの推理が披露される段になって、実に深い意味合いを帯びてくる。

そして特徴的なのはエラリイが敢えて真相を語るのを先送りにし、今までの作品と違い、ごく限られた人物にしか明かさなかったことだ。

『スペイン岬の秘密』でも見られた、真相を明かすこと、犯人を公の場で曝すことが必ずしも正義ではないのだというテーマがここでは更に昇華している。
知らなくてもよいこと、気付かなくてもよいことを知ってしまったがために苦悩している。興味本位や己の知的好奇心の充足という、完全な野次馬根性で事件に望んでいたエラリイが直面した探偵という存在の意義についてますます踏み込んでいる。

さてこの幸せに見えた新婚夫婦の、知られざる狂気と殉教精神が故に起こった悲劇というモチーフはロスマクの諸作を連想させる。
私はそれが故に今までのロジックの妙で驚きを提供していた作品よりも余韻が残る思いがした。

もう1つだけ本書に関して付け加えよう。今回は『中途の家』以来となる法廷シーンが挿入されている。この辺の内容はけっこう手馴れた物で読み物としての面白さがある。通常法廷物であれば法廷シーンで一発逆転劇が繰り広げられるのだが、クイーンの場合は逆に容疑者が更に苦境に追い込まれていく模様が書かれており、逆に危機感を煽り立てるところに特徴がある。
クイーンが法廷シーンを盛り込んだのは当時人気を博し、ドラマにもなったE・S・ガードナーのペリー・メイスンシリーズの影響を受けたからではないだろうか。出版社の要望もあったのかもしれないが、あくまで真相は法廷シーンではなく、古くから一同を集めて館で披露するスタイルを固執しているのがクイーンらしい。

しかし今なおミステリ評論家の間で俎上に上る後期クイーン問題。ようやくその入口に立った喜びは確かにある。
さて悩める探偵クイーンの道程を一緒に辿っていこう。


▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

Tetchy
WHOKS60S
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(4pt)

いろいろと期待はずれでした

作者自身がベスト3に挙げ、ファンからの評価も高い作品のため期待した読んだのですが、私にはいまいち良さがわからず完全に期待はずれでした。

まず、クイーンがしばし滞在することになった架空の街「ライツヴィル」を舞台にした物語と言うことで、本の冒頭に街の地図が載っているのが、箱庭ゲーム感があって、「すごく面白そう!」と期待したのですが、結局この地図は推理にも物語にも最後まで全く関わることなく、肩透かしでした。

また『災厄の町』などとタイトルにあるからには、町全体を恐怖に包むような恐ろしい連続殺人!みたいなのを期待していたのですが、最初の事件からして中々起こらないし、その後も淡々とした展開で内容の割りに冗長に感じ、正直「いつになったら面白くなるんだ?」と思いながら読んでいました。
ほとんど法廷ミステリと言ってもいいぐらい法廷パートが長いのですが、その後の展開と結末から考えるとこの形式にした意味もよくわからなかったです。

そして何より肝心の謎解き部分が物足りないです。
事件が起こった瞬間に犯人がわかってしまい、あまりにわかりやすいのでむしろフェイクか?と深読みしてしまったぐらいですが結局そのまんまの結末でガッカリでした。
こんなの『国名シリーズ』のクイーンだったら一瞬で気づいたはずだと思うんですけどね。

今までのとにかくロジック重視だった作品から、人物描写中心の物語ということで、作者にとっての「新境地」であった作品なのでしょうが、私の求めている彼(ら)の作品ではなかったということでしょう。
若い女性とラブロマンスめいたことをしたり、時には暴力も辞さないこれまでになくハードボイルドなクイーンもなんだかしっくり来ませんでした。



▼以下、ネタバレ感想

※ネタバレの感想はログイン後閲覧できます。[]ログインはこちら

マリオネットK
UIU36MHZ
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

良くも悪くも古典的名作

エラリイ・クイーンの代表作にも挙げられる1942年の作品。新訳版での感想である。
ニューイングランドの田舎町・ライツヴィルを訪れたエラリイ・クイーン(なぜかエラリイ・スミスの偽名を使用)は、地元の名家ライト家の敷地に建つ空家を借りることにした。この家は、ライト家の次女ノーラが新婚で住むはずだったのだが、結婚式前日に花婿ジムが姿を消したために空いていたのだった。ところが、ほどなくジムが町に帰ってきたため、ノーラとジムは結婚し、この家で新婚生活をスタートさせた。幸せな生活を送っていた二人だったが、ジムの蔵書を整理していたローラが三通の未投函の手紙を発見したことから事態は暗転する。その手紙はジムの姉に宛てたもので、妻の発病、悪化、死亡を告げていた。そして手紙に書かれていた通り、大晦日のパーティーで悲劇が発生した。
ヒ素を使った毒殺事件の謎を解明する本格派の謎解きミステリーである。ストーリー展開の基本は殺害の動機と手段の解明にあるのだが、同時に被害者と加害者の人間性にも重点が置かれていて、単なる謎解きだけではない心理ミステリーにもなっている。ただいかんせん時代状況が古過ぎて、ミステリーとしては「これはないだろう」というのが事件のポイントになっているのが残念だ。
古典作品を古典として楽しめる読者にはオススメだ。

iisan
927253Y1
No.1:
(8pt)

クイーン作品の中でベスト3に入ります

野村芳太郎監督の映画も良かったです。

わたろう
0BCEGGR4
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.27:
(5pt)

容赦ない悲劇的な結末の後、残された一片の希望。

なかなか殺人事件が起こらず、ジリジリした展開。そして事件が起きるや、その犯人は自明に見え、それを救うため、エラリーが奮闘するストーリーで、複雑で錯綜したミステリーが得意なクイーンとしては。驚くほどわかり易い内容だった。謎解き部分は、ラストだけだが、悲劇的結末を後付けで説明する感じであり、決して謎が解けてスッキリとはしない。つまり一般的な本格ミステリーとは、一線を画しており、議論の余地あるミステリー小説だと思う。

 が、にも関わらず、読み応えは抜群で、クイーンの最高傑作と評価されている。その秘密を、私は血の通ったキャラの、人間ドラマが描けている事だと思う。まず作者と同名の名探偵は、たまたまこの町を訪れた作家と言う設定で、恋人がいる三女といい仲になって、仇役になる恋人と、私生活でも対立してしまう。この名探偵、道徳的には賛否あろうが、非常に人間的であるのは、間違いない。この三女が又、情熱的だが無鉄砲な行動派で、次女の夫が死刑判決を受けるのを遅らせるべく。カラダを張って行動し、「パットったら、おばかさんね。でも。大好きよ」と次女に言わしめている。とても印象的な名セリフであった。

 そして何と言っても、毒殺され掛かった次女と、嫌疑を掛けられているのに、無気力で沈黙を守り、死刑判決を待つばかりに見える夫の、キャラ描写が秀逸。毒殺され掛かったのに、夫の無罪を信じる妻と、あえて沈黙を貫く夫。真相が明かされた後、私はこの夫婦愛に胸を打たれた。

 容赦ない悲劇的な結末の後、一片の希望が残されたのは、作者の優しさか。読後に余韻の残る、素晴らしいラストであった。作者の最高傑作と言う世評に、異論なし!
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701512
No.26:
(3pt)

謎解きより人間ドラマを重視した作品

「国名シリーズ」のときと、クイーンのキャラが大幅に変わっている。良く言えば、人間味が出てきたというか。悪く言えば、感情に流されてポンコツになったというか。
推理というよりは文脈から真犯人はだいたい予想ができる。
ほとんどの読者はおそらく、事件よりも「微妙なバランスを保つ三角関係」の行く末が気になると思う。
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701512
No.25:
(5pt)

全然古臭さがない。

時代背景はかなり前のものなのでそういう設定なのだと思い読んでいましたが、本当にそうなのだと知り驚きました。翻訳手法もあるのかもしれませんが斬新で古臭さを感じることなく読みやすいと思います。
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701512
No.24:
(2pt)

読みづらい

新訳のシャーロックホームズが面白かったので、後ろの広告に載っていたこの本を購入してみました。

最後の方はともかく、前半はダラダラと抑揚がないのに加え訳が理解しにくいです。2、3回読み返してやっと意味がわかるような部分がけっこうあります。何度も途中で読むの止めようと思いましたが千円以上も出した本なので眠気と格闘しながら読み切りました。

高レビューを書いてる方は、よほど読解力が高いかと思われます。

私レベルの読解力の人間は、国内ミステリー読んだ方がいいと思いました。
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701512
No.23:
(5pt)

トリックより人間関係の綾が良い。

エラリイ・クイーンの有名な作品ですが、今まで読んだことがありませんでした。新訳が出たのをきっかけに購入してみました。架空の町ライツヴィルにはじめてエラリイ・クイーンがやってくるところから始まります。たまたまライツヴィル一番の名家の隣の理由あり空き家に住むことになります。この名家のライト家は善人揃いでエラリイは三女のパトリシアといい雰囲気になり、パトリシアの彼氏からあからさまな敵意をむけられます。飄々として笑顔で優しいエラリイのキャラクターのせいもあり、作品の雰囲気は明るく、町の個性的な人たちの描写にもユーモアが感じられます。そんな中コップの水が口からあふれるように起こった殺人未遂&殺人事件。犯人は簡単に見当がつきます。タビサ叔母さんとか長女のローラとかは存在価値がないに等しい。小道具の手紙の文章のトリックはすぐに気が付きましたが、偽手紙と思ったら本物でした。あんな手紙を焼かずに取っておいたのが悪い。男女の複雑に絡んだ愛憎が事件の動機です。後味はよくないが忘れ形見が残されてライト一家は前向きに進んで行くことができます。
災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:災厄の町〔新訳版〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4150701512



その他、Amazon書評・レビューが 27件あります。
Amazon書評・レビューを見る     


スポンサードリンク