ユダの窓



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初公開日(参考)1954年07月
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長編小説

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ユダの窓 (創元推理文庫)

2015年07月29日 ユダの窓 (創元推理文庫)

一月四日の夕刻、ジェームズ・アンズウェルは結婚の許しを乞うため恋人メアリの父親エイヴォリー・ヒュームを訪ね、書斎に通された。話の途中で気を失ったアンズウェルが目を覚ましたとき、密室内にいたのは胸に矢を突き立てられて事切れたヒュームと自分だけだった??。殺人の被疑者となったアンズウェルは中央刑事裁判所で裁かれることとなり、ヘンリ・メリヴェール卿が弁護に当たる。被告人の立場は圧倒的に不利、十数年ぶりの法廷に立つH・M卿に勝算はあるのか。法廷ものとして謎解きとして、間然するところのない本格ミステリの絶品。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

ユダの窓の総合評価:8.70/10点レビュー 54件。Aランク


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全9件 1~9 1/1ページ
No.9:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

まず、タイトルの素晴らしさに☆+1

本書はカーター・ディクスンのH.M卿シリーズの1作品です。
男が恋人の女性との婚約の許しを得るため、女性の父親の家へ赴きウイスキーを饗されたところ、途中で意識を失い、目を覚ましたら目の前で義父が矢で射殺されていたという内容です。
本書における大きな謎は、1.犯人が主人公の男でなければ、どうやって犯人は密室の書斎で犯行を成し遂げたのか。2.義父が、主人公の男と会ったとき、憎んでいるようだったのはなぜか。
H.M卿が主人公の無罪を立証するために法廷で論述するという、密室モノの法廷ミステリでした。

密室のトリックは言わずもがなですが、なぜ、被害者が主人公に敵愾心を持っていたかの答もしっかりとしていて、なるほどなと思いました。
そして何より、タイトルの素敵さが良かったです。
一見なんのことかわからないタイトルの作品は手に取りたくなります。簡潔で、ミスリーディングの要素がありました。序文の評論家の言葉どおり、『クロスボウの殺人』なんて直截的なタイトルではなく、『ユダの窓』というタイトルのほうが数倍好みでした。
ただ、ハウダニット小説あるあるなのですが、犯行の仕掛けが、なんとなくしか理解できませんでした。そもそも、あんな方法で、目的の人物を確実に殺せるのだろうかと。もし被害者が仕掛けに気がついたらどうするのだろうかと。あまり野暮なことは言いたくないですが、せめて仕掛けの図式がほしかったです。

一応、H.M卿初登場回ではありませんが、特に不都合はなかったです。過去の事件には触れており、そちらも読んでみたいと思いました。
ジョン・ディクスン・カーと同じ作者が別のペンネームで書いたようですね。私は、カーは、『盲目の理髪師』や『夜歩く』を読んでいて、少し合わなかったのですが、本作は読みやすくお勧めです。

bamboo
NU17PFML
No.8:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

単に「古典的トリック」だけで終わらせてはいけない?

密室の帝王・カーの、カーター・ディクスン名義での代表作。
例によって密室ものですが、怪奇趣味成分はなく、法廷ミステリの側面強しな作品です。

一見名探偵には見えない、周囲が少し心配になるようなおじいちゃんなHM卿のキャラがいいですね。
(威風堂々と立ち上がろうとしたが、服が引っかかって破れて台無しになった。ってとこで笑いました)

最初はどうしても密室トリックに焦点を当てて読んでしまったので、そのあまりの古典的さ(もっとはっきり言えばショボさ)に
一度目に読み終えた時は「当時は名作だったかもしれないけど、今読んだら全然大したことない凡作!」と断じてしまったのですが
この作品の本領は、偽りの証言だらけの法廷で、真実にたどり着くためにチェスのような筋道を立てた謎解きを行う点にあることを、他の人の感想などを見て気づきました。
正直カーは今のミステリ読者の予備知識として抱くイメージが「密室の人」と定着しすぎて、作者も読者も損をしているところがあるかもしれないですね。


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マリオネットK
UIU36MHZ
No.7:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

「ユダの窓」の正体は?

メアリー・ヒュームと婚約したジェイムズ・アンズウェルは彼女の父親に逢いにグロヴナ街の家を訪れた。メアリーの話から、自分に好意を抱いている感触を得ていたジェイムズは、しかしなぜか父親のエイヴォリーから素っ気無い態度で応対されていた。エイヴォリーから出されたグラスに注がれたウィスキー・ソーダを飲んだすぐ後、強烈な眠気に襲われ昏倒してしまう。
約20分後、眼が覚めたジェイムズはそこで矢を突き立てられ、絶命したエイヴォリーを発見する。しかもその部屋には彼ら二人しかいず、窓にはシャッターが下ろされ、扉には戸締りのボールトが掛けられていた。
身に覚えの無い殺人の罪で逮捕された彼を弁護に乗り出すのは、われらがヘンリー・メリヴェール卿。しかし死体発見の状況は彼が犯人である事を示していたが、HM卿は唯一「ユダの窓」が開いていたと云うのだ。果たしてユダの窓とは何か?HM卿は彼の無罪を証明できるのだろうか?

まず、今回は物語の展開が非常に面白い。
冒頭の、非常にシンプルな密室殺人について、今までの事件現場に名探偵が登場して、関係者の証言、周囲の状況から推理して犯人を解き明かすのではなく、今回は既に容疑者は逮捕され、起訴されている状況で、裁判で無罪であるのを証明するというスタイルを取っている。しかも被告人側弁護人がHM卿というのが面白いではないか!
そして各章の末尾で明らかになっていく新事実。単純に思えた事件が裏では実に複雑に絡み合っていたのを1枚1枚薄衣を剥ぎ取るかのごとく、読者の眼前に示していくストーリー展開は胸躍らされながら読まされた。

その中でも特に印象的なのは10章以降からの展開だ。10章の最後で、被害者のエイヴォリーが娘の婚約者のアンズウェルだけでなく、彼のいとこのレジナルドとも知り合いであり、呼び名の聞き間違いであったという箇所から物語が一気呵成に明らかになっていく。まるで長くだらだらと続いていたトランプゲームの神経衰弱が一気に終末に近づいていくような感覚を覚えた。

ただ不満もある。この物語のテーマである「ユダの窓」の正体がなんともチープだったことだ。本来、刑務所の留置所の看守が覗くシャッター付き窓の事を示すこの言葉だが、期待していただけに肩透かしを食らった感が正直ある。
犯人も今回は意外だった。しかも物語上、この犯人である必然性もかっちりしており、十分納得がいった(今回、話中で登場人物の一人に「どうせ今回も犯人は予想も付かない人物で解るはずのない人なんでしょ」みたいな台詞を吐かせているのがセルフパロディで面白かった)。

『白い僧院の殺人』では読みにくい事件経過にいきなりズドンと打ち込まれた真相にびっくりして、9ツ星だったが、今回は逆にワクワクする事件経過に唸らされ、ユダの窓の正体に失望したために8ツ星という評価だ。
まあ、これがカーらしいといえばカーらしいんだけど。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.6:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ユダの窓の感想

作中でも表現されていたが、真相解明までのプロセスは、まさしくチェスをやっているようであった。

松千代
5ZZMYCZT
No.5:
(6pt)

えーっ!それがユダの窓なの?

あまり面白くありませんでした。

わたろう
0BCEGGR4
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

オーソドックスがお好みなら

面白い法廷劇になってると思います。
ミステリーの内容も良く考察されており、古いタイプの?推理ものがお好みなら
是非お読みいただきたい。

ただ、会話というか、話し言葉がちょっと読みにくいかな~。
現代ものに慣れていると、この点がついていけないという所もありますね。

ももか
3UKDKR1P
No.3:4人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

良くも悪くも古典的名作

1938年に発表された、密室ものの古典的名作。早川文庫で長らく絶版になっていたのを東京創元社が新訳で復刊させたのはうれしい限りだ。
物語は、「密室状態で発見された死体と一緒にいた青年が犯人ではない可能性はあるのか?」という一点に絞った謎解きの裁判ものである。警察による捜査よりも探偵(本作では弁護士)の推理が中心となる、オーソドックスな展開だが、推定される犯人も、犯行動機も、犯行手段も次次に変化していくので非常に緊張感がある。
キーポイントとなる密室トリックがあまりにも有名なので、トリックの解明以外に読みどころが無いと思われるかもしれないが、確実だと思われた状況が弁護士によって次々に逆転されていくプロセスはスリリング。トリックが事前に分かっていたとしても、一級の法廷劇として面白く読める。
ただ、現代の科学的捜査からすれば考えられないようなずさんな捜査手法だし、人々の行動も間が抜けているとしか言いようがない。あくまでも古典を古典として楽しめる読者にオススメしたい。

iisan
927253Y1
No.2:7人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ユダの窓の感想

ジヨン・ディクスン・カーが、カーターディクスン名義で書いた作品です。カーといえば密室です。この作品も密室状態の部屋で殺された男がいて、そのそばに一人の男が気を失って倒れていた。そんなシチュエーションで始まる
ストーリーです。多くは法廷のシーンで被告の弁護人であるH・M卿が検察側の追求を交わし徐々に真相を顕わにしていく展開となっています。法律家を志していたというカーです。法廷の裁判を進行させていく手順や検察、弁護側双方の
やり取りなど読者を惹きつける描写はさすがです。密室トリックも中々よく考えられていて今読んでも納得のトリックです。時系列に犯行を見ていけばおよそ犯人の予想がつくものですが、そこはストーリーテラーのカーです。
そっちの方向には向かせないように法廷のシーンでの緊迫した状況を描き、読者をH・M卿の謎解きの行く先に興味を持たせるように書いており筆の上手さを感じさせます。
隠れた犯人、そして犯行方法。隠されていたスキャンダル。それぞれが絡まった事件。最後のH・M卿の事件を解き明かす話のところも納得でよく考えられたプロットと思います。
始めに派手な不可能状況をみせると最後の辻褄あわせに苦労するわけですが、この作品の場合はうまく着地していると思います。今読んでも楽しめる古典といえます。

ニコラス刑事
25MT9OHA
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

法廷&密室の不可能犯罪

非常に面白い法廷ミステリー。密室トリックを可能とするユダの窓の存在がお見事。

Ariroba78
5M53WTS6
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