ベローナ・クラブの不愉快な事件
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ベローナ・クラブの不愉快な事件の総合評価:
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全1件 1~1 1/1ページ
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今回のセイヤーズは小粒で、事件も(終わってみれば?)呆気ないほど、単純。 | ||||
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イギリスの会員制クラブで、会員のもと将軍が死亡していて、生前心臓が悪かったことから、心臓発作によるものとみなされ、埋葬されるが、遺産のことやなんかで、問題があって、遺体を掘り返して解剖したら、胃から毒物が出てきて、毒殺されたことが判明する。……そこで、ピーター卿が、犯人探しに乗り出す。……将軍自身は、大した遺産は残さなかったが、将軍が殺されたのと同じ日に、将軍の妹が死んでいて、妹の方は大した遺産を残していて、しかも将軍が先に死んだ場合と、後に死んだときとで、遺産の配分がかなり違っていて、それによって一部の容疑者の容疑も自然と濃厚になる。 容疑者が二転三転した結果、最後の50ページで判明する。 遺産相続を巡っての策略とか、ドロドロした内容だけど、ピーター卿が、淡々と事件を解明していく。 ……事件を解明していく過程で、人物や背景の描写にかなりの比重をおく作風は、いつも通り。……ただその人物描写が、今ひとつ明確でなくて、何を言いたいのかはっきりしないというのは否定できない。……ピーター卿の性格や性癖、考え方やなんかも曖昧で、こういうことに対して、こういう態度や言動を取るから、読者には彼が何を感じているかわかるはずだというような"前提"に基づいて話を進めているので、かなり独りよがりの感がある。 | ||||
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1928年刊行の長編第四作。莫大な財産相続に絡む不審死の死亡時間を特定する前半は面白いが、中盤以降、話の底が割れてからは物語の展開が急失速する。ミステリとしては残念ながら初期作品の中でも凡庸な出来と言わざるを得ないが、八面六臂のピーター卿の活躍ぶりと饒舌なユーモア、さらに英国伝統のクラブ文化の詳細な描写は捨てがたい。 | ||||
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クラブで死んだ老軍人の死亡時刻を巡り、主人公のウィムジー卿が捜査を始めるが・・・というお話。 前作よりも小説として厚みが出たというかコクのある作品になっていると感じました。一作ごとに円熟していっている様で今後の展開が楽しみになりますし、再読に耐えるミステリだと思いました。 解説で触れられている通り、発表当時の女性の社会的役割や責任、立ち位置等が興味深く読めて、この辺は今で言うフェミニズムの視点で読んでも面白いかもしれません。この頃は今より女性の地位が低かったそうで、そういう女性の扱われ方や存在意義を行間から読みとるのも意味のある行為かもしれません。 また、作品全体に戦争の後遺症が支配しているのも見逃せません。時代的に言うと多分第一次大戦だと思いますが、事件の起こる日が休戦記念日、登場人物の多くがシェルショック(戦争後遺症)に悩んでいたり、一番問題になる登場人物も軍人という、戦争の世紀の時代感が反映されていて興味深いです。主人公のウィムジー卿も失恋とシェルショックを抱えているという設定で、よくそういう精神状態で探偵をやるなぁとか思いました。私も精神疾患を抱えているのですが、ある組織に所属していた際、宴会の幹事を頼まれたのですが精神的にダウナーな感じだったので、ちょっと苦労した経験があり、他人事に思えませんでした(殺人事件と宴会の幹事ではレベルが全然違いますが)。 ともあれ、今後の展開が気になるシリーズ第四作目。機会があったらシリーズ順で是非。 | ||||
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まさしく「不愉快」極まりないピーター卿その他をあざ笑うかのような事件。しかも嫌疑があからさまにかかる人がいるのでン…と思ってしまうことでしょう。事件は一見すると自然死のように見えてしまうことでしょう。ところがそういうわけではないのです。調べていくうちにだんだんと殺人の線が濃厚になってきまして…ある人に特定の人物がうろつく等最初のほうから嫌疑がかかるような人が出ては来るものも、相手も相手、なかなか尻尾を出してくれません。そのうちに謎がさらに謎を呼んだり、思わぬところから事実が浮かび上がったり…なかなかこちらを楽しませてくれる作品です。そして犯人は…これは人によってはン…クラスです。なぜならばとある長編作品と犯人が同じ指定形式になっているからです。そういうちょっと探偵小説読みマニアクラスには結末部分等少々見たことがある感はあるものの読みやすさに関しては申し分の無い作品だと思います。 | ||||
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ピーター・ウィムジイ卿の活躍する長編第4作目。 次作からはピーター卿とハリエット・ヴェインとの長い恋物語が始まりますし、同時に出版社も変えているのでこのシリーズを2つに分けるとすると前期の最後の作品ということになります。 休戦記念日にベローナ・クラブを訪れたピーター卿はクラブの古参会員フェンティマン将軍が椅子に座ったまま死んでいる場面に出くわしてしまいます。おまけに疎遠になっていた将軍の妹も同じ朝に亡くなっていたので遺産の分配を決定するためにピーター卿に死亡時刻を決定して欲しいという依頼がされるというお話です。 まるで雲を掴むような話ですが、調査が進むにつれてどんどん結び目が解けていき最終的には一つの殺人事件が浮かび上がってきます。 以前からそうでしたが、この作品では人間描写に今まで以上に力が注がれていると感じました。 第1作目でも触れられた大戦の傷跡をより強く具現化している元大尉やハリエット・ヴェインの原型とも取れる女性達が登場するなど、前期の総決算+後期への移り変わりが窺える面白い作品になっています。 | ||||
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