悪意の糸
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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アメリカ心理ミステリの随一の鬼才(扉の紹介文)マーガレット・ミラーの1950年の作品。少しも古さを感じさせない、ロマンチックサスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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期待外れ。殺害された女性も軽率でウジウジしていて、確かに典型的な自分を窮地に追い込む女性だし。 それに賢いはずの主人公の女性医師も既婚者との恋愛なんてしていて、このようにいろいろとすっきりとしない。 その上、そんなにミステリーとしての犯人探しの醍醐味もなく。 マーガレット・ミラーならよほど他に読むべき良作があるなという印象。 | ||||
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防ごうと思えばいくらでも防げたことだ。 そう思った時点ですべて結果論である。 みんな、何かヘンなことをしている。医者のくせに、弁護士のくせに、そりゃあないよな。 多分、「私だったらこんな間抜けなことはしない」とあなたが思ったとしたら、 それで作者の勝ちなのであろう。 そうは上手くはいかないということを、自分が気づいていないということが炙り出されたにもかかわらず、 我々はまだ他人事だと思っていうからである。 | ||||
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初めてマーガレットミラーの作品を読みました。 あらすじを読んだときは、てっきり妊娠した患者ヴァイオレットの物語だと思って読み始めたのですが、これは女医シャーロットの物語だったのですね。 1ページ目を開いた瞬間から目が離せなくなり、1日で一気読みでした。50ページ以内に事件が発生、100ページ以内に急展開、とてもスピーディで、全体のページ数も多くなく、読みやすかったです。 最後まで読み終わってみると、話自体はシンプルなのですが(最後に少しひねりがある)、登場人物達の駆け引きや、心理描写が卓越なので、良い内容に仕上がっています。 メロドラマ風のお話ですが、もちろんミステリーの醍醐味も味わえます。 マーガレットミラーさんの、他の作品もぜひ読んでみようと思います。 | ||||
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不倫関係を続ける女医、一夜の関係で望まぬ妊娠をしてしまった若い女、夫に裏切られていることに気付かないお人形の様な妻。そして女医の不倫相手の医者と、そこに横恋慕して口を挟んで来る刑事、後は如何にもな小悪党が少々。メロドラマ的設定に、サスペンス的展開、そして安直な謎解きと意外でもない結末。推理小説としては凡作か、精々佳作の域を出ないが、人物描写が一定のレヴェルに達しているので、そこそこ読める。但し紹介文に有る様に「卓越した心理描写」とまで持ち上げる気には成れないし、「技巧を凝らし」ているとも思えない。カサカサに乾いた戦後の世相の雰囲気は上手く出ているので、ミステリ史の動きを考える上では興味深い存在なのかも知れないが、今の読者にとっては面白いかどうか。しかしまぁ、メロドラマは時代を超えて普遍なので、その意味ではまだまだ古びてはいないのかも知れない。 | ||||
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独自の視点によって犯罪に巻き込まれる女達の過酷な人生模様をスリリングに描く女流心理サスペンスの名手ミラーの秀作推理です。本書のヒロイン、女医のシャーロットは偶々自らの患者の夫である既婚男性と不倫関係を続けているのですが、ある事件をきっかけにして「愛があれば」などという甘ったるい考えを粉々に打ち砕かれる強烈な体験をする事となるのですね。 女医のシャーロットは突然クリニックに現われた若い女ヴァイオレットが訴えた夫以外の男との間に出来たお腹の子どもを中絶して欲しいとの願いをあっさりと退けて断る。女が姿を消した後でどうにも気になったシャーロットは住所を記憶していてその夜に訪ねるのだが、それから不吉な事件の幕が一気に開き始めるのだった。 本書の訳題「悪意の糸」とは本当に上手く名づけた物で、金づると見さだめた悪党どもや過去の過ち等々が複雑に絡み合って、全てが結びつき悲劇的な死へと導かれて行くのですね。ヒロインのシャーロットはこの事件での自らの役割に直接的な責任はないかも知れませんが、その狂気の発露には影響を与えた面が皆無とは言えないと自覚したでしょうし、中途半端で無責任で不毛な不倫関係を続けて来た事の愚かさと、自分は愛や人生の全てを理解して完全に生活をコントロール出来ているとうぬぼれていた事に気づかされ、その全てが音を立ててガラガラと崩壊するさまを見つめるのは誠に辛いことこの上ないでしょうね。けれど彼女はまだ若くこれからでも十分に出直して正しい道を歩み始めるのに決して遅くはないのがせめてもの救いでしょうね。著者の作風は意外性を狙ったトリッキーな推理の構築というよりも、苦悩し狂気に至る女の内面と性をあまさず赤裸々に映し出す迫真の心理描写を味わわせてくれる衝撃的な人間ドラマの魅力が大きいと言えるでしょうね。どんなに苦くショッキングな結末を迎えようとも著者の作品には本物だけが持つ真実味が確実に感じ取れますので、これを機に再び過去の傑作群を読み返して見たいなと強く思いました。 | ||||
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