逃げる幻
- スコットランド (1)
- ベイジル・ウィリング博士シリーズ (13)
- 密室 (311)
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【この小説が収録されている参考書籍】 |
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.33pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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ただ、途中の込み入った話になると、ものすごく読みにくかったです。 | ||||
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人間消失と密室殺人とあるが、これで興味を惹かれ本を手にした人はまんまと騙されることになる。そんな仕掛けが隠されたストーリーである。登場人物14名でこの中から殺害される人物が2名。わりとシンプルな構成とストーリー。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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内容紹介を読むと、探偵役が「人間消失と密室殺人が彩る事件に挑む」と書かれていて、ヘレン・マクロイってフーダニット物を書くような作家だっけ?と思って手に取ったが、結論からいえば騙されたという感じ。どちらもトリックと言えるようなものではないし、そもそも作家自身がこれらのトリックに自信を持っていたのだろうか。 本編の軸は得体の知れない邪悪な力が何なのか、その不気味な正体に迫ることであり、その点では彼女らしいサスペンス色豊かな作品であり、伏線はあちこちに綿密に張り巡らされており見事騙された。 内容紹介を読むと本格トリックものと誤解する可能性が高いので、これは再考すべきだと思う。 | ||||
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過去に何作かヘレン・マクロイの作品(『家蝿とカナリア』『幽霊の2/3』『二人のウィリング』 等)を読んだときは他のミステリーと比べても「それなり」「無難」という印象だったのですが、短編集『歌うダイヤモンド』でSFありデヴィッド・リンチばりのカルト風作品ありとその幅の広さと実力を見直し中だったところへ、今回のこれ。 小説としてもミステリーとしても重厚で、とても面白かったです。 ウィリング博士シリーズと言いつつ、中盤まで本人登場なしだったこともあり冒頭はまったくその色もなく。 休暇中ということだけど何か別の目的も匂わせるダンバー大尉が、行きの飛行機の中で知り合ったスコットランド貴族の男性から聞かされた繰り返される少年の家出騒動。偶然にも宿泊先がその近くだったことから、スコットランドの荒野で少年消失の謎や家庭教師が被害者となった殺人事件などを追って行きます。そして、その裏には第2次世界大戦の影が・・・。 途中までは、荒れ果て風が吹きすさぶ寂寥とした大地の描写に小説『嵐が丘』を重ねてみたり、終戦直後というその時代の不穏な空気を感じたり、他所から移住して来たという家族の謎めいた人間関係に興味をそそられたりと、殺人事件も起こりますが普通の小説としても興味深く、じっくりと読み進み・・・。 そこへ、ウィリング博士が登場するや、一転ミステリー色が強まり、それまでの伏線がどんどん回収され、犯人へと突き進みます。 この緩急の巧みさ、さらに人間消失や密室の謎への興味、犯人の意外性(私には)、それ以上に戦争が招いた悲劇とも言えるラストに言葉も出ず・・・。★5つです。 | ||||
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本書は、Helen McCloyの『The One That Got Away』(1945年)の翻訳。 ベイジル・ウィリングものの一冊だ。 第二次大戦直後のスコットランドを舞台に、とくに理由もないはずなのに家出を繰り返す少年と、幻のドイツ脱走兵の謎がからみあっていく。 ヒースの生い茂る荒涼としたハイランドで、重苦しいストーリーが展開していく。じっくりと濃厚な文章はいかにもヘレン・マクロイだ。 そして驚愕の結末。あまりにも哀しいが、ミステリとしてはきわめてよくできている。 | ||||
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まあ、湿地帯は死者の心霊を象徴しているのですね。 これはバスカヴィルの故意の二番煎じで。 マクロイはそこに、ドイツのドッペルゲンガーを入れる。 ドイルは妖精を研究し、終生その存在を信じていたし、その研究がいずれネックになると遺言した。ただし、寧ろ自身は愛さなかったホームズにこの問題の解決を任せることもしなかった。 マクロイは、心霊を心霊として語るようなことはしない。ホームズをちゃんと踏襲している。そして、もしかしたら心霊問題を解く重要な鍵になるかもしれないドッペルゲンガーをも本作でホームズ物語並みに敢えて退けて見せているんだと思いますね。 でもね、理想のディテクティヴが今からでも書かれるとすれば、心霊もドッペルゲンガーもそれとして認めないといけない形でちゃんと解明しているものにしないといけない。それが理想の理想でね。 | ||||
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第二次大戦直後のスコットランドはハイランド地方が舞台となるミステリ小説。オリジナルは1945年の発表である。 マクロイ作品は「幽霊の2/3」に続いて2作目の読了。 家出を繰り返す少年が荒野の真ん中で突然姿を消す人間消失事件が発端となる。ものがたりの前半は、なぜ少年は家出を繰り返すのか、そこに理由はあるのか、といったところに焦点がおかれる。探偵役と思われる米国人・ダンバー大尉は精神科医としての専門知識を活かしてこれに立ち向かうのだが・・・、再び起きる人間消失、そしてさらには殺人事件が勃発し・・・というストーリ展開である。 最終的には事件のカギともなるスコットランドの風習や歴史について、いちおう作中で簡単な説明が行われるのだが(米国で出版された作品ゆえ)、基礎知識がないとこれがなかなか難解で、まずそこのとっかかりで苦労した。また、戦後すぐという状況から作者と読者が共有していたであろう時代の雰囲気がよくわからないのも辛い。これらもあって、特に前半は読み進むのが少々苦しい状態が続いたのが本音。しかし殺人事件が勃発し、ダンバーの上官であるウィリングが登場するあたりから事態は俄然活気を帯びる。そしてラスト、周到に引かれた伏線が一気に回収され、おぅそう来たか!と膝を打つ謎解きで物語は急転直下、幕を降ろすのである。 「読者への挑戦」がないのが不思議なくらい、謎解きのヒントは読者の目の前にいくつも並べられている。 いや、なかなか楽しめました。 | ||||
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