ひとりで歩く女
- 手記 (39)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点6.67pt |
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ヘレンマクロイ氏の小説は一風変わっていて、今まで読んだ中でも面白いものが多かったのですが | ||||
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10万ドルの大金を運ぶことになったために、そのお金を狙おうと、同乗した乗船客から追われる羽目に!奇しくもそのお金を巡って殺人事件も発生。このミステリーの鍵は手記。最初から一人称視点で書かれる手記は誰が書いているか分からないために興味がそそられます。その後、誰が書いているかが明かされ、そこから終盤にはサスペンスあり、意外な犯人の指摘と、飽きさせられることのない話でした。大金にはみんな目が眩みます。 | ||||
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普通でした。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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米国での刊行年は1948年であり作中の時代背景も終戦後間もない時期が舞台だと思われます。 登場する警察署長の会話に「小鬼の市」に関係する話があり、戦時中の事件を描いたそのあとということが推測されます。 カリブ海の小国からアメリカに航行する貨客船で変死体が見つかる。捜査の過程で長大な手記が発見される。そして若い女性に託された多額の現金の行方は果たしてどうなるのか…というサスペンス物です。 推理要素もあり本格推理としても成立しますが、現金を託された女性をめぐるサスペンスが非常に秀逸です。映像的な場面構成が豊富で、想像力を強く掻き立てられます。 40年代後半(だと推測していますがどうでしょうか)のアメリカと中米の様子が細やかに描かれていて、その点でも映画を見ているような気分になりました。貨客船の旅、戦後復興景気に乗じる向こう見ずな企業経営者、莫大な公共事業に関連する怪しげな活動… ラジオに新聞記事、そして長距離列車といった具合に当時の道具立てが豪華に登場します。勿論手記を書いたのは「タイプライター」。重要な事件の鍵です。 手記として語られる文体と克明な描写のためにストーリーに没頭できました。この本も、他の質の良い推理小説同様、結末を知ったうえでもう一度読むと、一度目とは違う新たなおもしろさを発見できます。ヘレン・マクロイの作品の翻訳されたもののうちのほとんどを読んでいますが、これが一番の秀作だと感じています。 | ||||
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ヘレン・マクロイは、「幽霊の2/3」「家蝿とカナリア」「暗い鏡の中に」など、日本の翻訳ミステリ史で名のみ知られていた本も含めて、訳書が近年までにかなり出版されて、一段落した感じです。そのきっかけになったのが、1998年に訳書が出た、この「ひとりで歩く女」ではないでしょうか。私はヘレン・マクロイの場合には、純粋な本格推理よりも、サスペンスがかった作品のほうが、良さが出るように思い、好きなのですが、この本はその後者の系列です。また、本作品の場合は、「暗い鏡の中に」のような幽玄調のサスペンスではなく、設定の巧みさによるサスペンスと言えるかもしれません。 現代のミステリでは様々なタイプのサスペンスがありますが、この本の原書が出版されたのは1948年ですから、その当時としては、斬新な作品だったと思います。また、自分は、1998年に訳書が出たときに読んで、正体不明のサスペンスを感じて気に入り、原書出版年が50年も前であることに驚いたものです。 マクロイの推理小説は、ウィキペディアで見ると、ベイジル・ウィリング博士ものの長編は、ほぼ全て訳出されたのに対して、ノンシリーズものはまだ未訳も多いようです。本作品のようなサスペンス調の作品で未訳のものがあったら、訳出してくれたらと思います。 | ||||
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米代表の女流作家の作品。手記で始まり、閉じ込められた船内での殺人と、その後の逃走。 古典的な謎解き推理小説。 主人公でもないトニーも魅力的、人物像も色々な人生を思わせてくれる。キスケイアという土地のにおいを嗅ぎ、読者はニューヨークの黄金色の摩天楼を主人公といっしょに眺めるときに、ふとさみしいような人間の暮らしを思います。 書き手が女性だけあって、男性の魅力は描出がうまい。 | ||||
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マクロイが再評価されるきっかけになった、翻訳家宮脇孝雄先生の訳です。すっかり、マクロイファンになって、次々と読み漁っています。 | ||||
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「暗い鏡の中に」の様な幽界物を書かせると一流だが、通常のサスペンス物を書かせると力量不足である事を改めて感じさせる作品。冒頭と末尾にある登場人物の手記を載せるというプロット上の工夫があるものの、これが作品のサスペンス性を高めるために全く役に立っておらず、単なる作者の自己満足に終わっている。 この手記の記述内容そのものが曖昧模糊としている上に、主な舞台となる船(西インド諸島→ニューヨーク)の乗客全員の言動に首尾一貫しない怪しい点があり、伏線が多く(巧みに)張られているというよりは、読者を惑わせるためだけに、思い付きの曖昧性をその都度作品に盛り込んだという印象が強い。最後まで読み通しても、何故、ある登場人物が上述の手記を書いたのか合理的な説明が与えられず、他の乗客の言動に関しても然りである。特に、犯人にとって、目的を達成するためにはもっと簡便な方法があった筈である。登場人物達の言動・思惑に曖昧性を持たせているのに、ラストの説明を読んでもそれらの曖昧性が解消されず、スッキリしない読後感だった。 (本作の動機である)大金の隠し場所はほぼ明らかなのに、船が目的地に到着する前に事件が解決しないという点もこの手の作品としてはお粗末。この程度の内容なら、全編、ある登場人物の手記という体裁にして、幽界物に仕上げた方が良かったとさえ思う。 | ||||
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