曲がり角の死体
- パズラー (24)
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『Death at Dyke's Corner』(1940年)の翻訳。 マクドナルド首席警部ものの一冊だ。 容疑者がとにかく多いのが特徴で、しかも、それぞれに動機と機会があって怪しい。なおかつ人物造形がしっかりしており、ひとりずつじっくり描きこまれていく。いささか華やかさには欠けるものの、いかにもイギリスっぽいミステリで、玄人好み。 殺人方法が怖い。 | ||||
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ポーが創始し、ドイルによって娯楽小説の王道として定着した、ミステリーは、奇嬌な名探偵とそれをサポートする読者の代弁者、 社会に受け入れざる天才の悲哀とそういう才能を持たない凡人の、友情を描くものとして確立され、読者のニーズを満たしました。 しかし、ロラックの創始した作品世界は、冒頭で魅力的な時には幻想的な場合もある謎を提示しますし、 どんでん返しと意外な真相をもたらしますが、古典的ミステリーの典型とは似て非なるものです。 主人公マクドナルド警視は現実社会にはいない、いたら周りが困惑する、デュパンやホームズやブラウン神父やポアロやクイーンとは違う、 あるいはそのタイプの反としてできたクロフツの系統とか、チャンドラーの流儀とも違う、 どこまでもリアルな人間的魅力を持ち、他人に丁寧に接し、納得できる態度で尋問を繰り広げながら地に足をついた捜査で、 人間の闇や社会の矛盾の絡みをほぐしながら真相を追い詰める。 警察小説の創始、あるいは定着させたのは、ヒラリー・ウォーの失踪当時の服装はだと言われますが、 それらの作品でさえ、ロラックと比べればわざとらしい。 奇嬌な名探偵がその疎外感故に、常人にはたどり着けない都市の闇に、大戦間の人間の魔に向き合える、大都会のフラヌール、 遊民としてコカイン中毒になったり、逆説を弄んだりしなくても、ちゃんと難解な真相が二転三転しどんでん返しを繰り広げる、 そういう人間の深い真相を感動的に解き明かすことができる。 そういう余りにも新しい小説がこんな昔に量産されていたことに、軽い目眩を感じます。 クリスティと比較して地味だとの見方もレビューにありますが、本当に見るべきことはそんなところにはない。 無理な名探偵のキャラを使わなくても、現代的な謎に、現代的な人間の犯罪に納得できる解答を与えられる。 40過ぎの独身で女を悦ばせるようなことは言わないのに、見事に女性を安心させ、それが説得力のある、リアルで身近な名探偵。 事件は田舎に進出した新興企業と地元の複雑な人間関係。 奇嬌な逆説は使わない。 でも十分な意外性と人間への洞察を感じさせ読んで良かったと感動させる。 本当の小説がここにある。 現代的な上質のミステリーがここにはあります。 余りにも新しすぎたから理解されなかった傑作群が発掘されています。 これからも楽しみです。 | ||||
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好きな作家の ひとりです。 今回の作品も今までとおりよかった。 別作品が出たら また買うつもり。 ・・・内容の好き嫌いは、人それぞれです。 良さそう!と思い読んでも「つまらな~い」というのもあります。 実際ありました。 ECRロラック の作品、まずは読んでみては?・・・ ・・・ ・・・ | ||||
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多作家で生涯に70冊以上の作品を著した英国女流本格派ロラック女史の魅力を存分に味わえる秀作です。地味な作風が災いしたのでしょうか、あのミステリーの女王クリスティー女史に優るとも劣らない実力の持ち主なのに、クリスティーは著作の全てが翻訳されているのに対して、著者の場合はこれがやっと6冊目の紹介作だというのは不公平で唯々残念に思うしかありませんが、でも近年漸く再評価の機運が盛り上がって来たのは喜ばしい事ですので、これからも年に一冊でも翻訳され読ませて頂ける事を信じて楽しみに待ちたいと思いますね。 大雨が降り続く夜に急カーブが多いダイクス・コーナーで車の衝突事故が発生し、不適切な場所に停められた車の中からは男の死体が発見されるが、何と彼は二時間も前に一酸化炭素中毒により死亡していた事が判明する。被害者はイギリス版ウールワースのオーナーでやり手だが強引な手法が地元の商店主達の反発を招き、また浮気者で妻と息子との関係も良くなかった。地元警察の警視ウェバーが被害者の息子ルイスを最重要容疑者として捜査を進める中でロンドン警視庁から招聘されたマクドナルド首席警部は偏見を捨てて独自にあらゆる可能性を追うのだった。 最初に正直な性分ですので、私が気づいた本書の矛盾点を書いておきますが、犯人は死体が何時見つかるかを予想する事は出来ない訳で死亡時刻のズレが生ずるのは仕方ないとして、どうしてわざわざダイクス・コーナーの衝突事故を誘発しそうな地点に車を停めておいたのか?これでは逆に目立ってしまい警察の不審を招く危険性を増す事になるのでは?という犯人の意図が全く説明されていませんね。普通の道端で発見されれば単なる事故死と判断される余地が残る訳ですので、この点は著者が出だしの場面の派手な演出を狙った事も手伝ったのか犯人の自ら首を絞める事となる致命的なミスでしょうね。もっとも犯人が警察は賢明だから殺人と見破られても止むを得ないと考えて更なる混乱をあおったという見方も出来なくはないですがね。と言う事ですがでも完璧ではない不注意な犯罪者は現実にもざらにいますし、私はこの点だけを捕まえて本書を低く評価はしません。犯人は他の部分では上手く欺瞞工作を施していますし、何時も感心させられるのは著者の犯人の隠し方で本当にこの技巧は天性の才能なのだろうと思いますね。本作でもクライマックス・シーンでのまさかのサプライズ・エンディングには誰もがあ然となりハッと目を見開かされる事でしょう。まあ犯行動機と犯罪トリックはやや平凡でしたが、でも本当らしいリアリティーがあって良かったと思います。大ネタの殺人事件の謎解きだけではなく小ネタの匿名の手紙にまつわる小事件の方も中々に興味深かったです。少し残念だったのは被害者の家族を巡るドラマが最初の方だけで以降は全く発展して行かなかったのと、著者の流儀なのかロマンスの要素が淡白で薄味な点ですね。男女の恋愛ドラマを好んで書くディヴァインとは対照的ですが、これは人それぞれの好みの問題で余計な物がなくてすっきりして良いという方もおられるでしょうね。最後にマクドナルド警部についてですが、生涯の独身者とあって女性に一切興味のない堅物という性格の一端が垣間見えましたね。非常に厳格で礼儀正しく一部の隙もない誠実その物の性格ですが、ちょっと面白みには欠けるのは仕方ないのでしょうか、そう言えば有名な名探偵は圧倒的に独身者が多いのですね。それから警察官とは言ってもやはり名探偵のDNAの持ち主だなと思ったのは、途中の独白では本音は殆ど漏らさずに最後に関係者を前にして自らが導き出した鮮やかな名推理を「どや!」とばかりに披露する晴れ姿の(名探偵にはお馴染みの)場面をニヤリとしながら読んだからですね。 | ||||
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舞台設定があまりにありふれていて、また容疑者も誰でも思いつくような人間ばかり。 しかも、トリックも目新しさが全くない。 主役もどこにでもいる警察官。 原著が出版された当時はもしかすると、これで充分通用したのかもしれないが、今になって翻訳する意図が理解できない。 時代遅れのミステリを読むほどの懐古趣味は持っていません。 クリスティは今でも面白いが、この差はどこから来るのでしょうか?舞台設定の違いでしょうか? | ||||
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