殺しのディナーにご招待
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英国女流作家のミステリーということで、クリスティー並みとは言わないが、相応に期待していたが、がっかり。 犯人は途中から分かったが、最後までそれがどうも疑問に感じた。犯人とするには、露出度が低すぎる。もうちょっと最初から“しっかりと”書かないと、という感じ。 | ||||
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不明にしてE.C.Rロラックという作家については全く知らなかったのですが、英国の古典的なミステリーといううたい文句から購入しました。この作品としては初の邦訳とりますが、1948年の出版なんですね。これはちょっとビックリしました。作者のロラックについてはおそらく多くの方がご存じではないと考えますが、巻末の横井司氏の解説に詳しいのでご参照を。 舞台は1946年(もしくは47年)2月、ロンドンのソーホー地区にあるフランス料理店ル・ジャルダン・デ・ゾリーヴ(フランス語で「オリーブ園」の意)。マルコ・ポーロ・クラブという知る人ぞ知るといわれる旅行家・文筆家クラブのディナーパーティーが計画され、そこに8人の新規会員が招待されます。ところがクラブのメンバーは誰一人現れません。客たちはクロークに帽子があったのに姿を見せないトローネというペテン師に一杯食わされたものと考え、憤慨するのですが、ディナーは堪能してお開きとなります。ところがその1時間後に、レストランの店主が配膳台の下で問題のトローネの死体を発見します。そして... 少しとっつきの悪い小説ではあると思います。というのもこれといった紹介もないままにいきなり何人もの登場人物たちが現れてあまりかみ合わない会話を初めてしまうのですから。実はこの混乱がまず作者の狙いなのですが、読む方としてはいささか面くらいます。しかしその後はさすがの筆力でぐいぐいと引き込まれていくのを感じます。 と、ここから本題の論評をしたいのですが、いつものことではありますが、ミステリーの書評はあまり踏み込んでしまうとネタバレになってしまい、ルール違反となりますので、漠然とした感想のみ。まずこういった殺人事件の場合、犯人の動機がこれだけこみいった事件を起こす程のものなのか、また犯人の人物像と合致するものなのかが重要になります。結論からいえば、(こういうミステリーにはありがちですが)トリックは面白いのですが、では犯人はなぜここまで凝った舞台設定をしなければならなかったのか?たとえ一流とまではいえないにしろどうして各界の有名人を巻き込まなくてはならなかったのか?なぜ自分の分を知っているはずのトローネが招きに応じたのか?特に最後の疑問は重要で、死んだトローネはインチキな男でしたが、大変な切れ者でもありました。自分がそうした会に招待されることに違和感を感じなかったのでしょうか。どうしても謎解き小説は謎解きのための舞台設定になってしまうという一つの例であるように感じられたと言ったら言い過ぎでしょうか。 解説にロラックという作家は情景描写などが大変巧みな作家であるとありますが、それならば第二次世界大戦が終わって間もないロンドンの雰囲気がもっと書き込まれていてよいのではないかとも思いました。ミステリーに要求するものではないだろうと言われるかもしれませんが、たとえば同時代のアメリカのロス・マクドナルドの『The moving target』などは特に細かな描写をするでもないのに、戦後の人心のすさみを巧みに描写しています。すこしいやな言い方をすれば、この辺が作家としての「格」なのでしょうか。 などとちょっと文句をつけるかたちになってしまいましたが、もちろん充分楽しめる作品です。時間のある方は手に取ってみて下さい。 | ||||
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1930年代から活躍したロラックは、イギリスの女流ミステリ作家としてアガサ・クリスティやマージェリー・アリンガムと同格の存在であり、71の長編ミステリーがあります。評論家の植草甚一によって「3冊に1冊は必ず面白い」推理小説作家として日本に紹介され、本書をふくめ7作が邦訳されています。 本書は1942年に公刊された" Death before Dinner " の翻訳です。ロンドンにあるフランス料理店の地下室で旅行マニアたちのマルコ・ポーロ・クラブという会のパーティーが開かれるが、集まったのは新人会員ばかりで、招待状を出して店の予約をした幹事さえいない。ところがパーティーが終わって出席者が帰った後、死体がテーブルの下から発見されるという発端がおもしろい。ロラック作品の特徴といわれる、オーソドックスで本格的なスタイル、情景描写の巧みさ、シリーズ探偵(ロンドン警視庁のマクドナルド警部)の没個性は、本書でも踏襲されています。さらに容疑者と目される8名以上の男女の性格や関係、この殺人事件を解く鍵となるそれぞれの人物のタイム・スケジュールのようなこみいった事を、わかりやすく公平に読者に提示している点に感じ入りました。 巻末の書誌・解説は簡潔にまとめられていて、ロラックを初めて読むミステリ好きにとっては良い案内となるでしょう。 | ||||
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