キャッツ・アイ
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ある宝石の蒐集家が殺害され、宝石が盗まれる。 ちょうどその宝石を見せてもらうために邸を訪れていたヒロインも犯人に襲われケガを負う。 犯人は一体誰で、何の目的で宝石を盗んだのかというストーリーであるが・・・ 1923年という発表年を割り引いても、全体としていささか面白みに欠けるというのが正直な感想。 まず、捜査がひどく遠回りをしているため、ストーリーが停滞している印象を与える。 盗まれた宝石は一見金銭的価値のないものなので、捜査側は首をひねる。 だが、前述したヒロインはその盗まれた宝石目当てで邸に来ているのであるから、当然ながら盗難の事情を知っている可能性が高い。 にもかかわらず、驚くべきことに、誰一人として彼女に事情を問いただそうとしないのだ。 結果、宝石の来歴がヒロインの口を通して語られるのは検死審問のときで、ストーリーが1/3ほど経過したところである。 さらに、宝石の来歴が判明したことによって明らかに疑わしい人物が浮かび上がってくるはずなのに、捜査側の誰もそのことに思いが至らないのも驚きだ。 やっと語り手である主人公の弁護士が疑いを抱くのは、もうストーリ-がクライマックスに差しかかっているときなのだ(もっとも、探偵役のソーンダイクだけは最初からすべてを見通していながら、黙っているのではあるが)。 あと、そのソーンダイクの警察嫌いも困ったものだ。 自分が得た情報を開示しないのはもちろんのこと、ヒロインが命の危機に瀕しても警察に助力を頼もうとしない。 ヒロインがあやうく毒殺されかかってもそうだし、その後、今度はヒロインがあわや絞殺されかかるのだが、それでもあくまでも警察に護衛を頼まないのには唖然とした。 さらに、ソーンダイクの徹底した秘密主義も困りものだ。 相棒である主人公にもほとんど情報を明かさず、その割には、ある場面で主人公に拳銃を携帯するように指示する。 その際にも、なぜ拳銃を必要とするかという理由を一切明かさないのは、あまりにも不親切で誠意に欠けるのではないか。 もっとも、拳銃の携帯を強制されても、「なんで何も起こるはずがないのに、拳銃が必要なんだろう」と首をひねる主人公もそうとう呑気で間が抜けているのであるが。 最もセールスポイントであるところの推理については、これは個人的な好みの問題ではあるが、堅実さはあるが、いわばケレン味に欠ける、といった印象。 妥当な推論ではあるかもしれないが、意表を突く推理や推理の試行錯誤がないため魅力に乏しいと感じた。 以上のようにグチめいた感想になってしまい恐縮だが、期待が大きかっただけに残念な気持ちでいっぱいである。 | ||||
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高く評価されているのと、冒険活劇も含まれているらしくて読んでみた。 途中、相続に関するところが退屈で読み飛ばしたせいか訳が分からなくなり、真ん中あたりでもう読むのを止めて休んだ。 それでもまた読み始めたら、やっと変化があり、女性が命を狙われ、それを助ける弁護士との間で甘いロマンスが生まれる。 終りの方でも危機が訪れるが、それは書かないでおく。 最後にソーンダイクがいろいろと説明するのだが、やはり前半を読み飛ばしたせいか、難しくて分からなかった。 結局、自分はち密な推理を楽しむタイプではないなあと感じました。 | ||||
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ソーンダイクものの長編である『The Cat's Eye』の翻訳。1923年に発表されたものだ。 1929年に近藤経一訳で『猫目石』として出ているが、大幅な抄訳であり、全訳はこれが初めて。 論理や構成の緻密さに驚かされるタイプの探偵小説だ。ソーンダイクの真相を隅々まできっちり見通す目がすごい。 フリーマンお得意のヴィクトリア時代がかった恋愛をからめる手法も健在。 広く読者を満足させる一冊だろう。 | ||||
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「オシリスの眼」にくらべ、少し読みにくかった。発端の事件の経緯がごちゃごちゃしているのと、イギリスの財産継承の複雑さについて行くのがたいへんなので。しかしソーンダイク博士のような絶対間違わない探偵に乗っかってゆくのは安心感があっていいですね。 | ||||
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およそ百年前に書かれた英国ミステリの珠玉作。スリリングな展開で繰り出される謎また謎が、最後にパズルピースがピタッとはまるように見事に解き明かされるのは誠に爽快。さすが古典と呼ばれる作品だけのことはある。 本書は1923年(大正12年)の刊行であり、約100年前のロンドンが生き生きと描かれている。郊外風景の美しさなど今日のイギリスにも受け継がれているものもあるが、こと犯罪捜査については大きく異なっている。 まず警察がまったく信用されていない。ホームズもそうだが、ソーンダイク博士もまったく警察を信頼しておらず、助手が犯罪現場から証拠品をガメてきたら「よくやった!」と誉める始末(現代日本ならば証拠隠滅罪で逮捕される?)。刑事ドラマで「現場保存」を叩き込まれている現代日本人の感覚からすると「なんという蛮行」と言うしかないのだが、「鑑識」という概念も組織もなかった当時の警察の力量からすると、証拠品は博士が持っていた方がいいのだろう(少なくとも当時の読者はそう思っていたはず。)さらには、毒殺未遂事件に立ち会ったにもかかわらず、それを通報しないというのもすごい。(それも当時としてはそんなに不自然なことではなかったのだろう。)こういう小さな驚きも楽しみながら、謎解きを楽しんでいただきたい。決して、ソーンダイク博士の実験室が「高校の化学部ていどじゃん」などと思わないこと!この分野、100年でメチャクチャ進歩したんやなぁと感慨に耽るのが正しい鑑賞態度である。 | ||||
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