オシリスの眼
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本の背表紙の紹介文に、緻密な論証を積み重ねて云々とあるものの、現代の感覚からいえばさほどでもないと感じたが、1911年という発表年を考えれば、その志向性は評価できる。 ただ、真相が明かされてみると、犯人のおっちょこちょいというか短絡さ加減に呆れてしまった。 費用対効果の面からみれば、明らかに費用が大幅に上回っており、犯行を完遂するための手間暇や行動を想像すると、犯人の涙ぐましい努力には苦笑を禁じえない。 その意味で、バカミス風味を感じた。 また、地味な展開を補うためかロマンス描写に多めにページを割いているが、かえって冗長になっているように思える。 以上より、本来なら☆3つだが、発表年を考慮し敬意を表して、甘めの☆4つです。 | ||||
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Austin Freemanの『The Eyes of Osiris』(1911年)の翻訳。なお、1951年に早川書房から二宮佳景(=鮎川信夫)訳で出たものは抄訳だったので、今回が初めての全訳となる。 ソーンダイクものの長編ミステリで、大英博物館やエジプト学者がテーマとなっている。こうした道具立てが実に魅力的。しかも、たんなる彩りではなく、物語の核心に結びついているところが秀逸。 論理・構成という点でも非常に緻密に組みあげられた物語で、ソーンダイクの透徹した視線にうならされる。 びっくりするようなトリック/真実もきちんと入っており、読後の満足感はかなり高い。 訳文は隅々まで気が遣われている印象。とても読みやすく、行き届いた解説もありがたい。 | ||||
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犯人捜しよりも、提供されるあらゆる事象を丹念に一緒に検討していく過程が何とも楽しく面白い。他の作品も是非読みたいと思います。 | ||||
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この時代に書かれた小説としては、謎解きはなかなか面白いし、読者にも探偵役と同じ情報を与えておいて論理的に解き明かしてみせる、という作風も好感が持てる。 ただ、この小説を最も特徴づけている要素の1つである、奇妙な遺言書に関する設定に、致命的な欠陥がある。読み進める中でこの遺言内容はずっとつきまとうので、ここに欠陥があることに気づくと、小説全体が興醒めで空々しいものになってしまう。 <■注意! 以下若干、ネタバレ的内容を含みます!できるだけ核心に触れないようには書きますが…。> この物語の最後は、まるでハッピーエンドのように書かれているが、遺体の素性が分かってしまった以上、そのままの場所に安置されることはあり得ず、従って遺言書の条件を満たすことはできない。 それなら、あらためて条件を満たす場所に安置し直せば良いかというと、小説内のあちこちに書かれていることからして、既に新たな受け入れは拒絶されているらしいので、やはり条件は満たせない。 もしそうではなく、まだ受け入れてもらえるのだとすると、物語中盤の検死法廷は全くナンセンスなものになり、登場人物たちがハラハラしているのは意味不明でバカバカしいことになってしまう。なぜなら、彼らは遺骨がジョンのものと認定されるかどうかでヤキモキしているが、認定されたとしたらその遺骨を条件通りの場所に安置すれば良いだけだから。 その場合、喜ぶのはゴドフリー側であり、対するハースト側は自分が地団駄踏むためにわざわざ検認申請したということになる。 受け入れてもらえる場合でも、遺体や遺骨が見付からないまま死亡認定されたなら、安置しようがないのでハーストの勝ちとなるだろうが、それなら骨が見付かったことと検認をなんとか結びつけようとする意味が分からない。 ということで、遺言書に関するこの小説の設定は、破綻してしまっている。 好意的に解釈するなら、最後のハッピーエンドは、「莫大な遺産なんて相続できなくたって幸せだよ!もっと大事なものを手に入れたんだから!」ってことなのか? まあそれも有りかな…。 | ||||
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このところ、フリーマンの長編が次々と翻訳されているのですが、作品ごとに本格推理、倒叙ものというようにバラエティに富んでいて、どれも読みごたえがあります。探偵のソーンダイク博士は、科学的知見に基づいた推理を行うということで、本作も1世紀以上前に書かれたものですから、最新の法医学から見ると、明らかに時代遅れなのですが、そのことが本作の面白さを半減させるものではないと思います。改めて、フリーマンは再評価されてもいいのではないか。 | ||||
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