ポッターマック氏の失策
- 倒叙ミステリ (73)
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近年ソーンダイク博士作品の新訳が続き、ファンにとってはうれしい限りです。本書は、書籍が発行されていたことは知っていたのですが、結構な値がするので購入を躊躇していました。最近kindle版が出たので早速購入しました。 主人公と一緒にハラハラドキドキワクワクの連続で、大いに楽しめました。もっと早く読めばよかった、これは倒叙推理の傑作だと思いました。たくさんの伏線が張られ、それが見事にラストで一つにつながり、フリーマンの筆力の高さを改めて感じました。常連のジャービスは登場せず(アンスティはチラリと登場、ポルトンは登場!)、ソーンダイク博士一人が捜査を進めていきます。いつもと違うなと疑問に思っていましたが、これもラストへの大きな伏線になっていました。解説の戸川安宣氏の「一つだけ伏線を張るのを落としている」という指摘も納得です。 翻訳の鬼頭玲子氏の訳も、とても素晴らしく、丁寧に言葉を日常使いの日本語に置き換えられており、物語の情景が頭に浮かびます。(近年の新訳には、単語を日常あまり使わないカタカナに置き換えただけの訳もありますが、これはいただけません。) 本書は、短編の「オスカーブロズキー事件」と双璧をなすソーンダイク博士ミステリーの代表作だと思います。今度は書籍で購入し、再読します。 | ||||
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倒叙ミステリの祖と言われる作品だけにとても読み応えがありました。刑事コロンボの「別れのワイン」と双璧だそうです。フリーマン作品の中でこの作品が一番でした。 | ||||
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いろいろな意味で驚きました。フリーマンが倒叙ミステリーの創始者であることは理解していたものの、「刑事コロンボ」や「古畑任三郎」でお馴染みの倒叙スタイル完成者はクロフツだと思っていました。しかし、この作品を読んで、フリーマンは創始者であり完成者でもあったことを理解しました。 犯行や犯人の心理状況は非常に克明です。読者はおそらく犯人に同情してしまうので、ソーンダイクの追求にはハラハラするでしょう。もっとも克明過ぎて少し冗長という気もしますし、ソーンダイクが疑問に思った点は少し専門的です。また、今となっては有りえないと思う死体の身代わりトリックなどは、当時では仕方なかったのかな、と感じます。(それ以上に、その身代わりはこの頃普通に売っていた、という方が驚きです) いずれにせよ、フリーマンの翻訳は最近いくつか出てきていますが、もっと評価してしかるべき、と思います。 | ||||
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この本は著者が提唱した「倒叙型」の小説となって居る。銀行の同僚に騙され無実の手形偽造の罪を着せられたが運よく逃げ出せしかも海浜で借用した着衣の真の持ち主は溺死。当局はその死体を脱獄囚だとし、死亡した事にされてしまう。主人公はアメリカにわたりひと財産を稼ぎやはり故郷が恋しくてイギリスに戻ってくる。イギリスのある田舎町に新たに名前もポッターマックとして暮らしていると、なんとあの銀行の同僚だった男と出くわしてしまいお前が逃亡犯である事をばらされたくなくば金を出せと強請られる。幾度か強請られたある日こっそりやってきた恐喝者と争っているうちに恐喝者を古井戸の中に落として殺してしまう。恐喝者は裏口からやってきたから来るのを見られて居ないだろうが特徴のある靴跡を残している上に付近は足跡が残り易い地質だ。足跡を裏口から入ってきたのではなく裏口の前を通り過ぎて森の中に行ったように見せかける工作をするが・・・。 下手の偽装工作が却って次から次に偽装工作をせねばならぬ羽目に陥り、遂にはソーンダイク博士の着目するところなってしまう。 意外な結末が待っている。 翻訳も癖がなく平明で読み易い。 シャーロック・ホームズのようのけれん味はないし、科学的捜査法といっても現在では明らかに過去のものになってしまっている箇所もあるが、「探偵小説」としてそのような点を予め心得ていれば楽しめる作品である。 著者にはソーンダイク博士の登場する長編は全部で21編あるという。未訳の作品がまだまだ残されているし、昔の抄訳しかない作もあるこれらも良い訳で出版される事を期待したい。 | ||||
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