猿の肖像
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探偵小説に初めて本格的科学的捜査を取り入れた功績が讃えられる往年の英国クラシック・ミステリーの巨匠フリーマンが晩年75歳の時に著した代表作です。本書は1938年の発表で著者が亡くなられる5年前の作品ですが、老いて尚お達者その物で全く筆の衰えを感じさせない出来栄えの健筆振りを発揮されています。また、名探偵ホームズのライヴァルで地味ながらも堅実な推理を身上とする伝説の法医学者ソーンダイク博士の活躍が読める今では希少な翻訳長編として貴重な一冊と言えましょう。 オールドフィールド医師は臨時で田舎町に暮らしていたが、ある夜往診の帰りに強盗が絡んだ巡査撲殺事件に遭遇する。3ヵ月後、ロンドンに帰って来た医師は次いで原因不明の病気に苦しむ患者に悩む。彼は恩師ソーンダイク博士に相談し、的確な助言により即座に病状の解明を得て一件落着したかに見えたが、やがて陶工である患者が謎の失踪を遂げてしまう。 本書で著者は当時の芸術の世界に蔓延していたモダニズムという風潮に乗って過去の伝統美を否定し醜悪で稚拙な作品を愛好する製作者や評論家を登場させ、その馬鹿馬鹿しさを詳細に描いて風刺しています。当時の時代の息吹を感じられる風俗描写は興味深く読めますが、肝心の推理の面で私は途中でトリックの見当がつき最終的に完全に正解してしまいました。その理由は、今日の複雑なミステリーに鍛えられている為に予想が容易につく事と、トリックに二重三重のひねりがなくストレートに過ぎる事です。また、当時の捜査レベルでは仕方ないのでしょうが、警察官や検死官が全く疑いもせずに検証無しで安易に妥協し単純な結論に飛びつく所にも歯がゆさを感じました。著者の作品は現代の物と比べて時の隔たりから来る時代遅れの感が否めず謎解きパズルとしてはどうしても物足りなく思えますが、ミステリーの長い歴史や原点を知る意味で気長につきあって行きたいと考えています。 | ||||
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探偵小説に初めて本格的科学的捜査を取り入れた功績が讃えられる往年の英国クラシック・ミステリーの巨匠フリーマンが晩年75歳の時に著した代表作です。本書は1938年の発表で著者が亡くなられる5年前の作品ですが、老いて尚お達者その物で全く筆の衰えを感じさせない出来栄えの健筆振りを発揮されています。また、名探偵ホームズのライヴァルで地味ながらも堅実な推理を身上とする伝説の法医学者ソーンダイク博士の活躍が読める今では希少な翻訳長編として貴重な一冊と言えましょう。 オールドフィールド医師は臨時で田舎町に暮らしていたが、ある夜往診の帰りに強盗が絡んだ巡査撲殺事件に遭遇する。3ヵ月後、ロンドンに帰って来た医師は次いで原因不明の病気に苦しむ患者に悩む。彼は恩師ソーンダイク博士に相談し、的確な助言により即座に病状の解明を得て一件落着したかに見えたが、やがて陶工である患者が謎の失踪を遂げてしまう。 本書で著者は当時の芸術の世界に蔓延していたモダニズムという風潮に乗って過去の伝統美を否定し醜悪で稚拙な作品を愛好する製作者や評論家を登場させ、その馬鹿馬鹿しさを詳細に描いて風刺しています。当時の時代の息吹を感じられる風俗描写は興味深く読めますが、肝心の推理の面で私は途中でトリックの見当がつき最終的に完全に正解してしまいました。その理由は、今日の複雑なミステリーに鍛えられている為に予想が容易につく事と、トリックに二重三重のひねりがなくストレートに過ぎる事です。また、当時の捜査レベルでは仕方ないのでしょうが、警察官や検死官が全く疑いもせずに検証無しで安易に妥協し単純な結論に飛びつく所にも歯がゆさを感じました。著者の作品は現代の物と比べて時の隔たりから来る時代遅れの感が否めず謎解きパズルとしてはどうしても物足りなく思えますが、ミステリーの長い歴史や原点を知る意味で気長につきあって行きたいと考えています。 | ||||
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