蛇は嗤う
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「べつにそうオリジナルティはないプロットが、一種独特のひねりかたで、こうも面白くなるのかと感心したのである。」これはこの小説が発表された際、原書で読んだ植草甚一の感想です。この植草氏の評価で日本でも読みたいが、翻訳されず、長い間噂のみ独り歩きしてきた幻の作品で、私も密かに鶴首していたのですが、遂に翻訳されて大変嬉しく思っています(実際読むまで少し時間がかかりましたが)。内容は確かにそう目新しい趣向が凝らされてるわけではないし、類型的な筋ではありますが、伏線の張り方などは絶妙で、登場人物も主人公を始め各々個性的でなかなかのものだと思います。分刻みのアリバイ調査などは私の弱いオツムでは多少ついていけませんが、それでも判りやすく表にしたり読者に対して非常に気を使って書いてくれる著者には好感をもてます。小説としても面白く、ネタが判っても再読に耐えると思うし、著者の他の作品も読みたくなります。造本もなかなか凝っていて楽しいですね。 | ||||
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英国本格ミステリー黄金時代の流れを組んで1950年代から60年代にかけて7冊の長編を著して活躍した女流推理作家ギルラス女史の1963年に刊行された最後の作品が本邦初紹介されました。最初に本書のタイトルは「蛇は嗤う」ですが、これは比喩表現でありまして実際のヘビは最後まで出て来ませんのでご注意ください。物語は本書のヒロイン、ミセス・ライアン・クロフォードが傷心の旅に出てモロッコ北部のタンジール空港に到着して幕を開けます。やがて、奇妙にも空港からずっと謎のアメリカ人の男ミリガンが彼女につきまとい同じホテルに宿泊します。ホテルでは親しげな老嬢、町に出ると怪しげな骨董店の女主人や酔っ払いのごろつきに出会い、彼女は否応なしに謎の密輸事件に深く関わって行きます。そして遂にごろつき男バセットが殴られる殺人未遂事件が起き、続いて謎のアメリカ人ミリガンの死体が見つかるに及んで事件は大きく動き出します。本書は中盤まではややもたもたしてトロい展開でイライラしますが、ライアンの相棒のヒュー・ゴードン主任警部が登場して事件の背景が説明されると俄然面白くなって来ます。死体が発見された時間と現場へ向かう被害者が目撃された時間が矛盾するのは何を意味するのか?そして作者は最後に二度のどんでん返しを用意して読者をあっと驚かせてくれます。不可能犯罪のトリックについては偶然に頼る部分が多く、あまりにも犯人に都合良く行き過ぎる所がやや難点です。どんでん返しですが、ミステリーというジャンルは要するに何でも有りですので、ずるいと思いながらも完全に騙され、天晴れな手口に感服しました。また、ヒロインの語りで進む物語はきっとこういう風に終わるのだろうと思った結末予想も呆気なく外れてあ然とします。定石を逆手に取った意地悪なミステリーに貴方も完全にやられる事でしょうが、決して不愉快でない騙される快感を味わって欲しいと思います。 | ||||
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