悪魔と警視庁
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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「クリスティと人気を競った英国本格派」で、1930〜50年代に71作もの長編を書いた人気作家とのことだが、まったく初めて目にする作家名、作品名だった。本作は、ロラックの主要作品である「マクドナルド首席警部シリーズ」の一冊で、本邦初訳とのこと。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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E. C. R. Loracの『The Devil and the C. I. D.』(1938年)の翻訳。 安心して読める古典ミステリである。意外性あふれる事件と、魅力的かつ怪しげな登場人物たち、なかなかあきらかにならない被害者の正体、そして意外な犯人。 よくできていると思う。 ただ、よくも悪くも安定した作品という印象。傑作というより、良作というべき一冊だ。 | ||||
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ホームズやポアロやクイーンが現実にいて尋問してきたら、容疑者や関係者は怒りだすでしょうが、 このマクドナルド主席警部はそうではない。 確かにこの人なら本当のことを話しても良いと思わせる。 それでも関係者はなかなか真相を話さないがそれが打ち解けてくるリズムが心地よい。 マクドナルドは粘り強く、一つの見解に固執せず、柔軟に全ての可能性を見渡しながら真相に迫っていく。 マクドナルドを中心とした人間たちの人間関係が楽しい。 飽きさせない。 そのリズムに同調していければ最高に楽しいミステリーがここにはあります。 | ||||
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ここの書評はとても高いものとなっているが、自分的には複雑で全く読みづらいの印象。 300頁余りでこのプロットは複雑すぎるのか、或いは話の展開のさせ方、関係者の登場の仕方に唐突感があるからか、話が常にドタバタの活劇風でとても読みづらかった。 この作家はクリスティに匹敵する位置づけということが後ろの解説で書いてあるが、この作品に関する限り自分の評価は全く期待外れだった。 | ||||
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まず、奇抜な発端に度肝を抜かれます。 物語は、中国系女性とその関係者および元オペラ歌手とそれの二本軸が 絡み合い進行します。 マクドナルド主席警部は足を使った捜査を主とし、様々な推理を働かせます。 事情を予め中国系女性が把握し、それを主席警部に打ち明けるので、 彼自身の洞察ですべて結論に達したわけではありません。 怪奇な発端からストーリーをシェード付き電灯の光のように自然に広げ、 登場人物たちの思惑や行動を無駄なく巧みに描写し、ミッシングリンクもうまく活用 していると思います。 大変動きのある展開で、最終的な解決をみると、著者はていねいに糸を織り出しながら、 一枚のタペストリーを完成させた趣です。 | ||||
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イギリスの探偵小説黄金時代に活躍した女流本格推理作家ロラックの代表的秀作が初紹介されました。著者は女王クリスティー女史の長編小説66冊を上回る71冊もの長編を残しながら、日本では本書がやっと4冊目の紹介というのはあまりにも少なくて今まで運に恵まれなかったのを非常に残念に思います。また昔の作品の特長でしょうか現代の多くの作品の様に大長編でなく適度な長さでコンパクトにまとまっている事も好感が持てると思います。 11月のロンドンの休戦記念日の夜にマクドナルド首席警部は折悪しく濃霧により帰宅が遅れた上に、翌朝ロンドン警視庁の前に置いて帰った自家用車の後部から何と悪魔メフィストフェレスの仮装をつけた男の刺殺死体が発見される。 本書の推理で面白いのは一見派手な幕開けで読者の度肝を抜いておいて、案外第一の犯行からはパッとした手掛かりが広がって行かずに尻すぼみになって行き、実はその後のさまざまな捜査場面の中に重要な事実が隠されているという意外な仕掛けでしょう。マクドナルド首席警部は前半部分から受ける印象だと地道にコツコツと証拠を追い掛ける努力家タイプにも見えますが、終盤になるとその思い込みは完全に裏切られ実は直感と想像力を思い切り駆使して推理する天才肌タイプの名探偵だとわかってとても驚かされました。特に感心したのが何気なく書かれた犯人の正体につながる大胆な手掛かりで、どうして疑いもせずにスーッと読み飛ばしてしまったのだろう?と後で悔やみましたが、それだけ淡々とした筆致で描くテクニックに秀でた著者ならではの巧さなのでしょう。本書を読んで黄金時代の本格ミステリーに特有のアクロバット的な犯人隠しのトリックの妙にすっかり感服した次第で、多作家の著者の事ですからもっともっといろんな驚くべき技を持っておられるに違いないと大いに期待できますので今後の紹介作に要注目して行きたいと思います。 | ||||
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