ハイキャッスル屋敷の死
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ひねりの利いたプロットに定評のあるレオ・ブルース。 だが本作の真相は、読みながら最初に感じた印象そのまま、といったところ。 当時の読者なら驚いたかもしれないが、現代では容易に見抜かれてしまうのではないだろうか。 また、いつもなら随所に見受けられる軽妙なユーモアも控えめ。 おしゃべり好きなカーカー夫人などユーモラスな登場人物はいないこともないが、真相の性質ゆえか、なんとなく全体的に陰鬱なトーンである。 ただ、弱者に対する作者の優しさを垣間見ることができて、その点では好感が持てました。 | ||||
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キャロラスが事件に首を突っ込むことを以上に警戒しているゴリンジャー校長から珍しく捜査の依頼を受けたキャロラス。 校長が言うには、学生時代から交流のある、ロード・ペンジから手紙が届いた。彼の命を脅かす匿名の手紙が多数届き、悩んでいる。 警察を呼んだが、単なる偏執狂からだろう。こんな者はどこにでもいる。と真剣には考えていないようだ。 校長は彼と会った時にキャロラスが解決した事件のことを吹聴したらしい。 キャロラスは死体が出ない限り自分には興味のない事件だと断るのだが、その後死体が出て、しぶしぶ協力するハメになる。 この時の二人の会話が可笑しくて笑ってしまったのだが。 「いつかのあの件だが…ロード・ペンジの…実に恐ろしい事件が起きた…」「とうとうやられたのですか」キャロラスは穏やかに尋ねた。「いやいや。ありがたいことに、そうじゃないー少なくともまだ。そう、幸いにも秘書が間違えられたのだ。実はロード・ペンジのオーヴァーコートを着ていた。 射殺されたのだよ、ディーン君、射殺だ!死んだんだ!しかもまさにハイキャッスル屋敷の敷地内で!」「"幸いにも"というようなことをおっしゃいましたか、校長?」「わたしはーその、この状況で相対的な意味で言ったのだ。 国家はロード・ペンジのような器量の持ち主を失うわけにはいかない。もちろん、秘書のことは悲劇的だ。実に有用な人物だったと思う。しかし、射殺されたのがロード・ペンジだったとしたら、どう感じるか想像したまえ」「ええ。想像はできますよ。」キャロラスは言った。ゴリンジャー氏は皮肉に気づかなかった。 最初の部分で、真のターゲットはロード・ペンジではなく、秘書のラチェットだと見当がついたのだが。 いつ自分が殺されるかもしれないのに、当の本人ロード・ペンジは泰然自若の構えでと疑問を抱いて。 しかし、読んでいてページ数の半分ぐらいまでがハイキャッスル屋敷の当主や家族や使用人や近所の人々への根掘り葉掘りの聞き込みが続き、アレコレ情報過多で思考がまとまらず、物語もなかなか展開していかないので、イライラしちゃって、終いには訳分からなくなっちゃった。 それが半分過ぎてからキャロラスは犯人の確定はできていると、いきなり行動を起こし、解明していくのだが。 自分だけで了解しているんじゃなくて、もう少し読者にもヒントを与えてくれなくちゃ。推理できないじゃん。 という訳で星3つの評価。 でもプっ!と笑わせるところが結構あり、やはりレオ・ブルースは好きね。 それとカーカー夫人の名を目にする度にカラスを連想し、どうしてもニンマリしちゃったわ。(^^) | ||||
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英国本格!?13の条件で絞込み!?の辺りに惹かれて購入。 さるお屋敷の主人に脅迫状が届き一騒動に、そして、主人の服を借りた 秘書が殺される。緊張高まる屋敷へ、犯人調査に向かう主人公。 最後の最後まで、聞き込みばかりで平坦な展開だが、 屋敷の内情や、一見事件に関係なさそうな情報が増えていき、 別の聞き込みと関連し、裏付けになったりと、少しずつ全体の絵が見えてくる。 そんな、警察が意識しない点に着目し、入念に外堀から埋めていく 素人探偵(優秀)な調査の仕方、言い換えるなら、事件情報の見せ方は個人的に好み。 | ||||
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L・ブルースの後期作品であるキャロラス・ディーンを探偵とするシリーズの一編(1958年刊)で、本邦初訳である。(正確には、過去に同人誌に掲載された訳があるようである).ディーン・シリーズは23冊あるようで、本書は日本語訳5冊目である。 ブルースも、ディーンも、ミステリ・ファンにはよく知られていると思うので、ここでは私的感想だけ書きたい。 私的感想 ●ブルースの未訳作品が翻訳され、文庫の形で読めるのはうれしい。 ●しかし、本書は正直な所、ちょっと退屈だった。たぶん、前の日にヘレン・マクロイの「ささやく真実」を読んでしまった影響が強いと思う。「ささやく真実」はサスペンス、メロドラマの面白さ一杯なのに、本書は長いわりには、サスペンスにも、ユーモアにも、メロドラマにも、トリックにも、社会性にも乏しいからである。 ●意外性という点では、本書の意外性は、○○○=×××であったという点にあるのだろう。しかし、今日では、この○○○=×××は消尽されていて、すれっからしのミステリ読者は、たぶん21頁まで読めば、これは○○○=×××の話ではないかと疑い出すことになるだろう。そして、だんだんその疑いが深まり、最後に至って、やっぱりそうだったということになる。つまり、意外性はほとんどない。 ●しかし、本格ミステリの本質は、サスペンスやメロドラマや社会性や意外性やトリックではなく、「論理構造」だと反論主張されてしまうと、「わかりました。大丈夫でーす」と答えるしかないが・・・・。 ●引き続きの翻訳出版を期待する。 | ||||
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