紙片は告発する



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    初公開日(参考)2017年02月
    分類

    長編小説

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    紙片は告発する (創元推理文庫)

    2017年02月27日 紙片は告発する (創元推理文庫)

    議員の娘だが周囲から軽んじられるタイピストのルース・エルダーは、職場で拾った奇妙なメモのことを警察に話すと同僚たちに吹聴した。その後副書記長ら、タウンホールの上級職員から紙片について問い質され、彼女は怯え始める。町では開発計画にまつわる不正入札の疑いが持ち上がっており、彼女の証言が重要な役割を果たすと思われた。その矢先、ついに犯人は実力行使に及び……連続する事件の背後に隠れる意外な人物の正体とは?(「BOOK」データベースより)




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    No.5:
    (4pt)

    人間描写に優れているディヴァインの秀作。

    十年ほど前に何作か読んだD・M・ディヴァインの本作『紙片は告発する』を読むことにした。
    ミステリの古典的なフーダニット作品だが古臭さを感じさせません。
    それは作者の人間描写が優れているからだと思います。
    老練なミステリ読みなら本作なかばで犯人を想像できてしまいますが、それはそれとして楽しめることがディヴァインの本領なのです。
    体調が今一のときには肩の凝らない本作などはお勧めの本ですよ!
    紙片は告発する (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:紙片は告発する (創元推理文庫)より
    4488240119
    No.4:
    (3pt)

    捕まった段階で知らされる犯人の過去じゃ、こちらは想像がつかないでしょう。

    冒頭のルースの独白は《挽歌》の冒頭の心地よいリズム感のある文章と重なり懐かしさで、ちょっと胸キュン。

    その語り口から主人公はルースだと思っていて、これからの展開はどうなっていくのだろうと興味津々だったのだが。

    彼女はいきなり殺されちゃって。
    主人公は別人だったの。

    ある日ルースはひとりの人間を刑務所送りにできる秘密のメモを偶然然見つける。

    拾ったメモのことを、もちろん中身は言わず誰彼となくペラペラしゃべってしまう。

    ルースは家族からも職場の同僚たちからも軽んじられ深く傷ついていたのね。

    だから常日頃彼女を小馬鹿にしている同僚たちに秘密のメモのことをアレコレ聞かれ注目されると嬉しくて逆らえないの。

    アレアレそんなにしゃべってしまってダメでしょうとハラハラしながら読んでいたのだが、その口の軽さが災いし、彼女は殺されてしまう。

    そして相思相愛だと信じていた相手のクリスの好意も単なる同情からきていたのだとは。

    結局ルースは誰からも愛されず、惨い殺され方でこの世から去って行く。
    痛ましく短い人生。
    哀れさを感じるわね。

    ルースを殺したのは誰か!

    大体犯人というのは地味で目立たぬ人物であるということは心得ている。
    何食わぬ顔をしてきっちり動いているが、ちっとも怪しくない素振りの人物。

    それは一人しかいないでしょう。

    わたしは多分この人物だろうと見当はつけていたのだが、動機がクエスチョンで。

    前触れが何も無くて、捕まった段階で知らされる犯人の過去じゃ、こちらは想像がつかないでしょう。
    ということで星三つ。

    事件を解決していくのはルースの姉マーガレットの元恋人であった警部補のクリスとマーガレットの友人であるジェニファーなのだが、わたしは彼らにはあまり興味がなくてね。
    だって彼らには哀愁が無いんだもの。
    寄り添えないわ。

    それに、いつも思うことなのだが、ミステリーに恋愛はいらないわね。

    解説より。

    D・M・ディヴァインは、デビューから亡くなるまでの約二十年の間に十三作の長編を書いた。
    一九七〇年に発表されたこの作品は、第九作に当たる。
    本書の刊行によって、残る未訳作品はあと二作となった。

    さあ、あと二作品。早く読みたいわね。
    でもねえ。創元推理文庫って、どうしてこんなに活字が小さいの。
    わたしの視力では、持っているハズキルーペ1.6倍じゃダメで1.85倍 をまた買ってしまったわ。
    これでOKだったけど。
    創元社さ~ん、活字の大きさをなんとかしてくれ~。
    紙片は告発する (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:紙片は告発する (創元推理文庫)より
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    No.3:
    (5pt)

    日常の孤独が苦しい

    最初は被害者の視点、その後は優秀な町の副書記官のジェニファの視点となる。ありきたりの地方の役所の日常が、殺人をきっかけに侵食されていく。ヒロインは自分の抱え込んだ孤独に気づく。むろん犯人の闇にも。
    救いはクリス警部補で、粗暴だがやさしい。職場の不倫相手も同僚や上司も、読者がみたことがあり、知人の面影を重ねるほどに、こまかい観察眼で満ちている。原書で読みたい一冊。
    紙片は告発する (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:紙片は告発する (創元推理文庫)より
    4488240119
    No.2:
    (4pt)

    誰が?何を?より登場人物たちの性格描写こそ見るべき

    町役場のタイピスト ルースは、庁舎内で拾った一枚の紙片から何事かを感じ取り、その内容を警察へ持ち込むと喧伝していた。程なくしてルースの絞殺死体が自宅から発見され、知り得た内容は闇の中へと消えてしまう。町書記官ジェフリーと不倫関係にあった副書記官ジェニファーは、その内容に上司との関係の発覚、はたまた役場内での汚職の二つの可能性を感じとり、殺人犯とその動機を探り始めるのだった・・・

    本作品は、地方都市の町役場を舞台に、ひとつの殺人事件が、閉鎖的な人間関係の中の裏の顔を炙り出していくというミステリである。誰が?何故?はもちろん興味の中心ではあるものの、読み進めていくうちに登場人物たちの野心なり、性根なりが明らかになってくる過程が面白い。

    冒頭、被害者となるルースの日常が頁を割いており、ストーリーの本筋とは外れたこの冗長ともとれるこの導入の仕方は、本作品の読ませ方が提示されているように思う。著者の作品は初読になるが、登場人物の性格描写に力点を置いているようであり、なるほど、これだからこそ犯人と動機の納得性が出てくるのだ。

    主人公ジェニファーは、ある時はキャリアウーマンとしての力強さを見せ、ある時は道ならぬ恋愛に心揺れるという、女流作家もかくやという設定である。男性作家が、女性を主人公に据え情緒的な観点から物語を引っ張っていくのだから、力量があると言えるのだろう。町長選挙にまつわる男たちの権謀術数や、女性の登用を阻むガラスの天井が絡みあって、企業小説風の読み応えがある。

    かの国の町議会などの馴染みのない制度は、読み進めていくうちになんとなく分かってくるが、とっつきにくかもしれない。次に発生する殺人事件と第一の殺人との関連が不明瞭に見えて不満が残る。ただ、見るべきはそこではないのだろう。『5番目のコード』、『兄の殺人者』等、評価が高い作品を読んでみたくはなるが、本作品から入るのは二作品を読了してからの方が良いかもしれない。
    紙片は告発する (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:紙片は告発する (創元推理文庫)より
    4488240119
    No.1:
    (5pt)

    騙される快感とほろ苦い大人の恋愛小説、久々にディヴァインの名人芸を堪能しました。

    前訳書「そして医師も死す」から約二年振りに紹介された英国本格推理の人気作家ディヴァインの第九作です。本書の原題「不正入札」をそのまま使うとモロ日本の社会派推理小説みたいに思われてしまいそうなのでそれを避ける為でしょうか、今回の「紙片は告発する」は編集者様の考案された訳題なのですが、一点だけ帯に書かれた「一枚の紙片が示す“意外な犯人” 」という表現は厳密には間違いではないとは言え「紙片が直接犯人を名指しする」という誤解を与えかねないという意味で不適切だと思いますので未読の方にはご注意申し上げますね。些細な事と思われる方もいらっしゃるでしょうけれど、ミステリーの場合は細かい約束事が大事だと常々考えておりますのでどうかご理解くださいね。
    タウンホール(町政庁舎)で働く若い娘タイピストのルースは職場で拾った奇妙なメモについて警察に話すつもりだと同僚達の前で堂々と宣言するが、何とその夜すぐに何者かに殺されてしまう。妻帯者の上司との不倫という秘密を隠して働く副書記官の女性ジェニファーは最近謎の差出人からの脅迫の手紙を受け取って動揺しつつ自分達二人にもルース殺害の動機がある事に思い至るのだった。
    実に二年振りのディヴァインですがやっぱりいいですね。著者にはミステリー黄金時代の巨匠達の様な大トリックこそありませんが、常に安定した謎解きと騙しのテクニックで読者を楽しませてくれますので全てが良作で駄作なんて一作たりともないと言っていいでしょうね。今回のフーダニットも犯人像に関して完全に先入観を植え付けられた上でのまさかまさかの思いも寄らない意外な犯人で、騙される快感をたっぷりと味わわせてもらえて大満足でしたね。そして忘れてならないもうひとつの著者の名人芸は大人の恋愛小説の味わいで今回は厳しいほろ苦さの面もありましたがでも大丈夫ちゃんと悲しみでは終わらせない温かさを著者は演出してくれています。本書のヒロイン、ジェニファーは男性優位社会の職場でも気後れせず負けずによく奮闘していると思いますし、私生活での不倫はあまり感心出来ないにせよ真剣で一途な愛を感じて行く末を案じながらもとにかく応援してあげたくなりますよね。第2の殺人、自らが狙われた階段での転落事故と続きましたが、彼女にとって愛人ジョフリーの逮捕が一番堪えたのに違いなく、犯人の正体に気づかせた原動力はきっと彼への愛の力だったのでしょうね。そして珍しく万事が終わった後にハッピーエンドとはならず愛の面では苦い結末が待っていましたが、彼女が派手な修羅場を演じずにじっと耐えたのもまた嘗て愛した(まだ心では今も愛したい)男への情け故のことなのでしょう。またディヴァイン作品にはよく出て来る駄目男の警部補クリスは、どうも女運には恵まれない人生を過ごして来たみたいですが、今度こそラスト・チャンスだぞと自分に言い聞かせて真剣勝負し見事に幸福を掴んで欲しいなと思いますよね。
    紙片は告発する (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:紙片は告発する (創元推理文庫)より
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