貴婦人として死す
- ヘンリー・メリヴェール卿 (22)
- 心中 (55)
- 手記 (39)
- 足跡のない殺人 (33)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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本書はHM卿シリーズ14作目で比較的後期の作品だが、実に読みやすく、また展開も早いため、クイクイ読まされた。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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医者の手記という形のミステリー。 アガサ・クリスティのアクロイド殺しを思い出しましたが、果たして犯人は一体誰か? 私は油断して読んでたので、結末あっと驚きました。 | ||||
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足跡のない殺人を扱った本作。 そのトリックは細かいところまで配慮されており、なかなか巧妙です。 あと、事件の現場から離れた場所で発見された拳銃という謎に対する解決は、少しバカバカしいなと思いながらも意表をついて面白かったです。 ただし、カーにしては地味なストーリー展開と感じました。 また、犯人限定の手がかり自体は巧妙ですが、そのことにかかわる犯人の行動が不必要に思えました。 (つまり、探偵役に手がかりを与えるために、無駄な行動をとっているように思える)。 とはいえ、全体的になかなか楽しめました。 | ||||
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犯人は跡形もなく逃走という事なのだが、トリックはそれほど感心しない。考えてたどり着く楽しみが薄い。また、真犯人にたどり着く説明に関し、もう一つ納得出来ない。 | ||||
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英独が開戦しナチスがいつ侵攻してくるかわからない物情。夜間においては、上空の敵機から集落がバレないよう灯火管制が敷かれているというこの物語のシチュエーションを現代の読者は正しく把握しているか?カーが執筆した時の英国の状況がたまたま非常時だっただけかもしらんけど、本作ではそこにも意味がありノース・デヴォン地方リンクーム村の闇夜は一層暗く、その中に潜む者を包み隠す・・・。 不倫のふたり/ウェインライト夫人であるリタとバリー・サリヴァンが心中したと見られる〝恋人たちの身投げ岬〟。 瓶を投げつけられたヘンリ・メリヴェール卿の座る電動車椅子が崖から落下しそうになる場面もただのコメディ要素だけではなく、 眼下70フィート(約20m強)の崖の高さを無意識のうちに読者に刷り込ませているし、 上手いね~。真犯人は実に巧妙に隠されて。 気になった点はふたつの証拠物件のみ。詳しくは書かないが、 スティーヴ・グレインジ弁護士が道で拾ったあるものと、〝海賊の巣窟〟という名の洞窟に残っていたあるもの。 これらの扱いについてはもう一押し、登場人物の自然な行動の結果に見えるように完璧にしてほしかった、ウン。 乱歩でいうところの〝あくどさ〟が無い『何者』に対し、カーの〝怪奇性〟を使わなかった本作、 私はどっちも高く評価している。 リタ・ウェインライトの遺書の部分をこの創元推理文庫(創)と昭和30年代のポケミス(ポ)で比較してみると、 (創)「ジュリエットは貴婦人として世を去りました。責めないでください。邪魔もなさらないで。」 (ポ)「ジュリエットは操を立てて死にました。さわがないでください。責任のなすり合いもなさらないで。邪魔もなさらないでください。」 原題『She Died A Lady』を『貴婦人として死す』と最初に訳したのはポケミス版での訳者・小倉多加志だ。 原書を持ってないからこの部分の原文もわからないけど、果たしてどっちの訳が正確なんでしょうね? ただ、これだけは言える。〝Lady〟には〝貴婦人〟という意味は勿論あるが、日本語でいう〝貴婦人〟とは高貴な身分の婦人のことでしょ。『貴婦人として死す』という書名にすると見栄えが良くなるから営業的には望ましい。しかし、リタ・ウェインライトは決して高い身分でもなければそこまで誇り高き性格にも書かれていない。皆さんが本書の感想を寄せておられる中、ひとりだけ本を読みもしないでいつもレビューを投稿している人物が〝貴婦人〟という言葉の表面的なイメージから思いついたのか〝エレガント〟などと筋違いなことを書いている。 思慮深く読んだ人ならおわかり頂けると思うが、本作での〝A Lady〟は〝貴婦人〟というより〝(ひとりの)女として〟と受け取るほうが正しいのでは?あなたはどう思いますか。 灯火管制の他に、当時の英国と米国の関係さえもある人物の行動の謎を解く手掛かりが実は隠されている。 同じ時代なのに「探偵小説はまかりならん!」「この聖戦下に男女の不倫などけしからん!」とか言って、 国策が非論理的過ぎだった我が国と比べると1940年の戦時下という状況にも必然性を持たせて、 こんな面白い本格探偵小説を生んでいた英国は健全だ。日本も勝てぬケンカ(戦争)は早く止めとけば、 国土を焼かれず、美しい戦前の本・雑誌だって今ある数量の何十倍も残存していたろうに。 | ||||
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38歳(本当は42歳)の人妻リタ・ウェインライトと25歳の美青年バリー・サリヴァンの不倫恋愛を中心に据えて、非常にミステリアスなドラマが展開する。 ヘンリー・メリヴィル卿の推理の冴えもさることながら、最後、絶対にありえないような人物が真犯人というもの面白かった。 ヘンリー卿やルーク医師の推理も、新たな事実で覆されて二転三転し、ラストまでハラハラドキドキ。結局、日曜日1日で全部読み終わってしまった。 イギリスが舞台で、多少怪奇趣味があるのも好ましく、ダフネ・デュ・モーリアの超名作「レベッカ」を連想したりしました。 熱烈な不倫恋愛の果ての心中というショッキングな事件で始まる「貴婦人として死す」は、また再読したくなる作品である。 あえて難点を言えば、ヘンリー卿の言動がやや大袈裟である。まあそれも個性かもしれないが。 他のキャラクターはなかなか面白かった。人妻リタと青年バリー・サリヴァンの美男美女カップルは言うに及ばず、ルーク医師、その息子のトム医師、リタの年取った夫アレック・ウェンライト、さらにはモリーとポール・フェラーズのカップル(最後の方でカップルと分かる)、クラフト警視、バリーの妻ベル・サリヴァン。もっとも、バリー・サリヴァンは美青年という点を除けば、それほど個性的と言えないかも知れない。 何はさておき、休日に一気読みするミステリーとしては最高の部類に入る一冊でした。 | ||||
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