殺人者と恐喝者



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初公開日(参考)1959年01月
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長編小説

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殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)

2014年01月29日 殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)

夫が殺人者であると知った若妻ヴィッキー。居候を決め込んでいる叔父もその件を嗅ぎつけた。家庭内騒動の渦中に、衝撃的な殺害事件が発生。H・M卿、回想録口述の傍ら不可能犯罪を推理する。 (「BOOK」データベースより)




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殺人者と恐喝者の総合評価:7.94/10点レビュー 17件。Bランク


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(7pt)

カーマニア度が試される1作

本書の謎は2つ。
まずは犯罪方法としての物だ。それは衆人環視下における凶器のすり替えはいかにして成されたか?

もう1つは催眠術下にある人物は殺人を教唆されたら術者の云う通りに実行するのかという物だ。

まずは後者の謎は本編を彩るガジェットとして使われている。催眠術といういかがわしい代物に懐疑的な人々はその存在をなかなか認めようとはしない。それでは百聞は一見にしかず(なおこれが本書の原題となっている)とばかりに実演してみせることになる。

その内容は催眠術で人に殺人を犯させることは可能かと云うかなり過激な物だ。現代ではそれは不可能とされているが、それと悟られないように指示することで殺人も自殺も可能とされている(宮部みゆきの『魔術はささやく』がそんな話だった)。

カーが巧みなのは、この前段に夫が浮気の末に若い娘を殺害したことを妻が知らされていることが冒頭で読者に知らされていることだ。果たして不貞を働いた夫を妻は許せるのかと云うバックグラウンドを盛り込んで、この催眠術による殺人教唆のスリルを盛り立てている。

その設定から一転、明らかに人を殺せない凶器がいつの間に本物にすり替わって、被験者が皆の目の前で殺人を犯してしまうというショッキングな謎にすり替わるのだ。この辺の謎から謎への移り変わりの巧みさはまさにカーならではだろう。

さて本書のメインとなるこの不可能犯罪、一室に集められた人々の目の前に置いてある凶器がすり替えられたという謎だが、殺人の目撃者が一様に凶器が目の前にあり、誰もそれに触れた者はいないと証言しているとさらに不可能性を強化させていく。そんな実にシンプルかつ難しい謎にどんなトリックがあるのかと実に興味深く読んだ。

そして本書の原題“Seeing Is Believing”は邦訳では前述のとおり、「百聞は一見にしかず」という意味だが、本来ならば最後に“?”が付くことが本書における意味を最も示しているように思う。
見ていることが必ずしも真実ではないのだと、カーは本書に仕掛けられたミスディレクションの数々で示しているように思えてならない。

さてこのシリーズではいつもH・M卿の奇妙な振る舞いがアクセントとしてユーモアを醸し出しているが、本書では口述による自叙伝の内容が実に面白かった。いつもながらH・M卿のドタバタぶりには笑わせてもらえるが、本書も幼年時代の破天荒ぶりには心底笑わせてもらった。
H・M卿を描くカーの筆はいつも躍動感があって実に楽しい。

こんなに楽しい名探偵が活躍する作品群が、そしてこんな本格ミステリの巨匠の作品が数多く絶版だった状況は非常に好ましくない。
カー作品を後世に伝えるためにも今後の永続的な新訳・復刊を望みたい。


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Tetchy
WHOKS60S
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No.16:
(4pt)

バカミス万歳!

カーはディクスン名義の方が好き、、ってそんな変わらないんですよね。この作品は名作とは言えないんだけど楽しく読める。
殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)より
4488118364
No.15:
(5pt)

コミックサイズでした!!

コミックサイズでした!!
コミックサイズでした!!
コミックサイズでした!!
殺人者と恐喝者 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)Amazon書評・レビュー:殺人者と恐喝者 (ヴィンテージ・ミステリ・シリーズ)より
4562037628
No.14:
(3pt)

カー最高の珍品の一つ

カーの最高の珍品はなにかと言われたら、コレか「魔女が笑う夜」か、というくらいの作品。
これは怒る人は怒るよ、と苦笑したくなるようなトリックや、事件のトリックなど、なんとも評価しずらいものだ。
それでも面白く読めるのは、H・Mの魅力とその助手の恋愛模様があるからだろうか。
また、解説で麻耶雄嵩氏が述べている「カーの作る意外な犯人」はなるほどと感心させられた。
ある意味ではこういう作品こそ、カーの本質が現れているのかもしれない。他人には薦められないが。
殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)より
4488118364
No.13:
(4pt)

邦題が………

内容については野暮なので贅言を費やさないことにするが、不可能犯罪のトリックの馬鹿馬鹿しさを別にしても、叙述方法に於けるアンフェアを敢えてしたディクスン御大には、クリスティの『アクロイド殺し』辺りでも読んで心得違いを反省して欲しいと思うところ。読後に脱力してしまうことは保証するが、それでも読んでいる最中は無類に面白いのだから癪である。

 気になるのが『殺人者と恐喝者』と云う邦題。原題は、催眠術施行中の不可視の殺人と云う妖しいテーマにした作品らしく"Seeing Is Believing"なのに何でだろう、途中で別に恐喝の話とか出て来ないのになぁ、とか思って読んでいると、最後に謎が明らかになる段階になってようやっとその意味が解る。これってネタバレじゃないの?と思ってしまうのだが、恐らく訳者が問題となっているアンフェア事案に関して悩んだ結果なのだろうと想像する。これから読む読者は注意されたし(と、指摘すること自体が或る意味ネタバレとも言えなくもないのだが)。繰り返すが謎解きの過程自体は他の傑作同様ぐいぐい読ませるので、ヘンリ・メリヴェール卿のやんちゃな子供時代を知りたいと云う向きも含めて、ディクスンのファンであれば一読しておいても損は無いものと思う。
殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)より
4488118364
No.12:
(3pt)

H.Mの個性だけが取り得

有名な冒頭のアンフェアについては、巻末で解説者もバウチャー氏の言い分を引用している通り、まことにごもっともで、何より開口一番に、被害者が愛人を殺害したと明言しておきながら、謎解きになって実は……では、アンフェアを通り越して推理作家としての資格さえ問われかねない問題である。書き進めるうちに作者自身も、モラル違反には気付きつつ、どうにもならず自縄自縛に陥ったのでは、と想像する。できれば、批判に対するカーの反論が(もし遺されているなら)知りたいものだが、多分賢明にも知らぬ存ぜぬを決め込んだのだろう。ところで、トリックがまたひどい。よりによってマ……とは。こりゃ漫画そのものであるな。最初に催眠術殺人のくだりで、まさかこれは二階堂流「心の一方」よろしく、瞬間催眠で全員を数分眠らせておいてその隙に……とも考えたが、よもや密室の巨匠ともあろうお方がそんな馬鹿げたことを、と打ち消した。結果が、それよりまだひどかったとは笑)。結局この作品は、HMの類まれなキャラクターだけで持たせているわけで、裏を返せば、こんな駄作をそれだけで一気に読ませてしまうカーの力量の凄さ、ということに落ち着きそうだが、それならむしろ卿の無茶苦茶な自伝なるものを、完全版でぜひ読ませていただきたかった。最後に蛇足ながら、卿の生年月日、1871年2月6日月曜日は、日本ではまだ旧暦の明治3年12月17日で、明治4年ではないこと、事件の起こった8月23日が水曜なのは作中にある1938年ではなく、1933年か1939年であることを、瑣末ながら指摘しておきたい。
殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:殺人者と恐喝者 (創元推理文庫)より
4488118364



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