盲目の理髪師
- ギデオン・フェル博士 (23)
- クイーン・ヴィクトリア (1)
- 安楽椅子探偵 (187)
- 客船 (31)
- 船上ミステリ (8)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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『帽子収集狂事件』が私のツボにはまり、嬉々としてすぐさま次の本書に取り掛かったのだが、これが全くの期待はずれだった。とにかく終始ドタバタで途中から何が事件で何を解決しなければならないのかが全く見えなくなってしまい、単純に義務だけの読書になってしまった、つまり最後のページに辿りつくことだけを目的にした流し読みになったことを告白しよう。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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時は大戦間の一時の平和な時代。ところは大西洋の真っ只中。 謎の女が大型客船の中で失踪。 まさか殺人が…? と、力んではみたものの、素人探偵たちの推理ならぬ 当てずっぽうの捜査に、思わぬ不具合が次から次へと生じて… 行き当たりばったり極まりない主人公たちをさらに ややこしくさせる変人たちがしゃしゃり出て大混乱。 はたして犯罪はあったのか、それとも単なる妄想か。 なにぶん古い時代だし、そこまで 面白くないだろうと思いきや… 声を上げて笑ったのは初めてです、推理小説で。 | ||||
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この作品には著者お得意の密室もオカルトも不可能犯罪も出てこない。(正体・生死不明の女性の消失ぐらいか) 長い間私は、本作を取るに足らないものだと思い込んでいた。旧訳を読んだはずなのにほとんど記憶がない。 しかし本書の面白いことよ。ファルス(笑劇)趣味と言うらしいが、人の不幸を見て大笑いするような質の悪い冗談に溢れた作品だ。 豪華船で発生した二つの盗難事件と、殺人事件をめぐって、海賊船さながらの酒と乱行と混乱の中で、騒動が次々と巻き起こる。 特に終始悲惨な目に遭い続ける船長、終盤のアル中の人形師の「おじさん」の大活躍、そして酒乱の欲求不満の人妻の乱れ様等々、途中犯人とか真相とかはどうでもよくなって、ただただ楽しんで読んだ。 しかし流石ディクスン・カー。最後には、探偵役フェル博士と犯人の対峙の場面まで用意し、事件は真相へと収斂する。 16個の手がかりを示し、記載のページ数まで併記して、伏線を手際よく回収するくだりは見事と唸るしかない。 また同時に「俺はふざけているだけじゃない。やることはやってんだ。気が付いたか!」との自慢ぶりも覗える。 私には、そんな巨匠らしからぬ稚気が、微笑ましくてしかたない。 | ||||
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推理小説を読み始めた高校時代に1回読んでおり今回は2回目。ファース(笑劇)の味が濃いというのは記憶があったが内容は忘れていたので、どんな笑いだったのかに注目して読んだのだが…ミステリとしては期待したほどではなかった。 前半は謎に満ちて緊迫感も十分でさすがはカーと思わせるが中盤から冗漫で事件とは全く無関係の騒動(殺虫剤)まで起こるあたりは読むのがつらくなってきた。後半の第15章「いかにしてペリゴール夫人がシェンペンを注文し、エメラルドがふたたび現れたか」からは船上での晩餐シーンとなり酔っ払い達の珍騒動がこれでもかとばかりに繰り広げられる。その迫力には圧倒されるが、残念ながら品がない。 解決も中途半端な感がありミステリとしては評価できない。犯人側から見たときの動機や心理面も強引な説明で最終的にどうするつもりだったのかを考えると荒唐無稽な計画としか言いようがないと思われる。ファースの裏で不気味に犯罪が進行するといった雰囲気を期待したのだが、残念ながら後半はファースのみという感じで物足りなかった。 カーの作品によくあるパターン、つまり前半の謎は不思議さに満ちてその後の展開に期待を持たせるのだがその解決が強引で納得できないというパターンの一つと思われる。ただ、酔っ払い達の茶番劇という意味ではこれほどまでに描かれた作品はめったにないのではなかろうか。 | ||||
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四十年ほど前、創元推理文庫で読んだのですが全然覚えていなくて、新訳カーシリーズの印象が良いので1930年代のJDC/CDを全部読みたい! でも新訳版が手元に無く、井上一夫先生の旧訳で再読。会話が快調で、井上先生なかなかやるな、全然古びていない! 最後まで読み通せました。客船が舞台の大騒ぎドタバタ物語です。フェル博士の提示するヒントが漠然とし過ぎていて謎解き要素にドキドキ感が薄いのですが、アクション多目の楽しめる小説で、無茶苦茶な話が好きな人向け。JDCは酔っ払いが好きですね。沢山出てくる歌の出典を原文から調べてみました。 p52『学生王子』The Student Prince: ミュージカル1924 p112&p129 大海原の波に生き… A Life on the Ocean Wave: 詩 Epes Sargent 1838, 曲Henry Russell p241 『ポール船長はヤンキーの奴隷、あんな野郎はぶっ倒せ』とかいう歌 Captain Ball was a Yankee slaver, blow, blow, blow the man down!: 「ボール」「奴隷商人」ですね… Benetの詩John Brown’s Body 1928から? p250『ロザリオ』を歌う sing ‘The Rosary’: 不明 p255 『サンタクローズの橇鈴』Santa’s Sleigh-Bells: 不明、Jingle bellsのこと? p258『ギルバートとサリバン』やなぎよ、やなぎよ、ちっちゃなやなぎよ Willow, tit-willow: Guilbert & Sullivan作 The Mikadoから) p260『ピルセンの王子』The Prince of Pilsen: ミュージカル1903・映画1926 p267 『賣人のむれ、街を去り』When chapman-billies leave the street: Robert Burns作 詩Tam O’ Shanterより p302 協調の手をわかつなく 真理の旗を固守すべし! May the service united ne’er sever, But hold to its colours so true.: “Columbia, the Gem of the Ocean”より p307 『さあ、桑の藪を回ってゆこう』round-the-mulberry-bush: Here We Go Round the Mulberry Bush、English nursery rhyme and singing game. p344 『ラ マデロン』La Madelon: 第一次大戦時のフランスの流行歌 p344 『オール マン リバー』Old Man River: ミュージカルThe Show Boatより p346 『ラ マルセーエズ』La Marseillaise: フランス国歌 | ||||
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舞台が旧クウィーン・ビクトリア号なので、期待していましたが、ミステリーとしては、ちょっと物足りない感じがしました。作者の他の作品を期待していると、裏切られるそうです。 | ||||
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