死者はよみがえる
- ギデオン・フェル博士 (23)
- 安楽椅子探偵 (188)
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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怪奇性を前面に押し出したような題名だが、中身はそんなオカルト趣味に走っていなく、むしろカーの作風の1つ、ドタバタコメディタッチの色合いの方が濃い。調べてみるとどうやらこの題名は必ずしも正確ではなく、ハヤカワ・ミステリ版の『死人を起す』が正解らしい。 | ||||
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いつもながら面白いです。 今回は騙しなしの推理小説になっていると思います、(^0^) もっとも、読者を騙す所にも面白みがあり、読み終わった後、その部分を読み返して、苦笑いをする楽しみがカーの小説にはあると思います。 これからも新訳版に期待したいと思います。 | ||||
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新訳ということで、この作新を改めて読んでみたのですが、予想外に面白かったです。旧訳では、フェル博士とハドリー警視の会話が他の「フェル博士もの」と調子が合っておらず、加えて全体的にも説明が解りづらく、通読が苦痛であった記憶があります。このため、カー贔屓の私の中でも本作は最も評価の低い作品の一つでした。しかし、今回は、そういった翻訳上の難点は解消され、図の挿入もあいまって(また私が再読であったせいもあるでしょうが)、わかり易く、楽しく読むことができました。また表紙カバーの絵にも、重ねて感心させられました。驚きです。訳書の作り方で印象がガラリと変わるという好例だと思いました。内容的にも、本作はしばしば犯人のトリックの一部がアンフェアだとか、説明不足と批判され、私もそう思っていたのですが、新訳で再読してみると、あまり気になリませんでした。それどころか、どうせ機械的トリックであろう込み入った説明を蛇足的に長々と聞かされるよりも、読者の想像におまかせの、こういうやり方の方が、かえってメイントリックが際立って、良いと思い直しました。カーにとって訳者の力量は本当に重要なんだと改めて感じました。私的には、本作を「『曲がった蝶番』と好一対をなす佳作」と評価し直しました。嬉しいカー再発見でした。 | ||||
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相変わらず、読者を引き込むタッチはさすがである。密室での殺人事件、登場人物たちは怪しく動き回る。読者はさあ誰だろうと訝しむ。結果は意外だった。密室になったわけはいうとネタバレになるのであまり詳しく言えないが、爬虫類館の殺人事件と同じように、昔だったから、ありえる展開だと思われる。今ではどうかなと。話の流れはテレビのサスペンスを思わせるようだ。まあまあですかね。 | ||||
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美食に飽きた金持ちが何か変わったものない?と注文して偏屈なシェフが出してくるような探偵小説、それがJDCの諸作品なんだと思います。結末の前までは本当に素晴らしいのですが、最後に唖然とさせられました。フェル博士のみっともない言い訳(p344)が作者の後ろめたさを物語っています。主人公はJDCの分身で、人生の苦労なんて無意味と主張したり、「彼は前から人間を観察していないといわれてきた男だった」とか作家にあるまじき人物像を暴露されています。名言が一つ: beware of people who make you laugh, because they’re usually up to no good.(p140) 橋本訳ではハドリー(ぼく)とフェル(きみ)の関係が近すぎる感じですが、二人の関係性を思えば、これくらいが本当は妥当なのかも。(最初、HPBの延原訳で読み始めたのですが、不明な点が多く、創元文庫に切り替えました) お気に入り事件は「うつろな男」「ドリスコル殺人」「ヴィクトリア女王号」という興味深い告白あり。 さて恒例の歌のコーナーです。 p121 「進め! 牧童」という新しい歌を披露(introduced the novel note of ‘Ride ‘em, cowboy!’): 同名の西部劇映画(1936)あり。 p122 夢中でバラッドを歌っている…(singing a ballad whose drift I need not repeat.): 口をはばかる内容らしいのですが題名が書かれていません。 p262 ジェニーはぼくにキスをした(Jenny kissed me when we met): a poem by the English essayist Leigh Hunt (1838) JDC作かと思ったら丸ごと実在の詩の引用でした。 銃器関係ではp154、12口径の散弾銃(a twelve-bore shotgun): 口径の前の数字は直径の意味となってしまうので12番・12ゲージと訳すのが正解。boreは英国表現で米国のgauge。 | ||||
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掟破りの真相、この作品を一言でいえば、そうなるのだろう。 無銭旅行後の無銭飲食、その後の死体発見と逃亡、という冒頭のエピソードから読者を作品世界へと引き込み、次々と不可解な謎が提示され、事件に関する捜査と議論が繰り返され、事件を巡る人間関係が明るみになっていく構成は、満点と言えよう。 しかしながら、「え?そんなことが可能なの?」と思わざるをえない真相は、事前の説明が不足で、故意の隠ぺいとしか思えず、本格的視点から見ると零点だろう。 ホテルの事件での犯人の侵入経路に関しても、図は示されているものの、意図的に議論が伏せられている。 また、途中で示された「12個の不可解な謎」の内で、鍵が鍵穴に差し込んであった謎について、十分な説明がなされていない点も不満。 作中で、ニセの手掛かりをばら撒いている可能性があることや、犯人が必ずしも合理的な思考をするとは限らないこと、こういったことを登場人物に語らせている点に興味を引いた。 タイトルの意味、死者とは誰なのか、真相を知るとわかる仕組みになっているのが面白い。 | ||||
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