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死者はよみがえる



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死者はよみがえるの評価: 3.91/5点 レビュー 11件。 Dランク
書評・レビュー点数毎のグラフです平均点3.91pt


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Amazonサイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

全11件 1~11 1/1ページ
No.11:
(5pt)

定番!

いつもながら面白いです。
今回は騙しなしの推理小説になっていると思います、(^0^)
もっとも、読者を騙す所にも面白みがあり、読み終わった後、その部分を読み返して、苦笑いをする楽しみがカーの小説にはあると思います。
これからも新訳版に期待したいと思います。
死者はよみがえる【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.10:
(5pt)

新訳でカー再発見

新訳ということで、この作新を改めて読んでみたのですが、予想外に面白かったです。旧訳では、フェル博士とハドリー警視の会話が他の「フェル博士もの」と調子が合っておらず、加えて全体的にも説明が解りづらく、通読が苦痛であった記憶があります。このため、カー贔屓の私の中でも本作は最も評価の低い作品の一つでした。しかし、今回は、そういった翻訳上の難点は解消され、図の挿入もあいまって(また私が再読であったせいもあるでしょうが)、わかり易く、楽しく読むことができました。また表紙カバーの絵にも、重ねて感心させられました。驚きです。訳書の作り方で印象がガラリと変わるという好例だと思いました。内容的にも、本作はしばしば犯人のトリックの一部がアンフェアだとか、説明不足と批判され、私もそう思っていたのですが、新訳で再読してみると、あまり気になリませんでした。それどころか、どうせ機械的トリックであろう込み入った説明を蛇足的に長々と聞かされるよりも、読者の想像におまかせの、こういうやり方の方が、かえってメイントリックが際立って、良いと思い直しました。カーにとって訳者の力量は本当に重要なんだと改めて感じました。私的には、本作を「『曲がった蝶番』と好一対をなす佳作」と評価し直しました。嬉しいカー再発見でした。
死者はよみがえる【新訳版】 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる【新訳版】 (創元推理文庫)より
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No.9:
(4pt)

密室トリックは意外だった

相変わらず、読者を引き込むタッチはさすがである。密室での殺人事件、登場人物たちは怪しく動き回る。読者はさあ誰だろうと訝しむ。結果は意外だった。密室になったわけはいうとネタバレになるのであまり詳しく言えないが、爬虫類館の殺人事件と同じように、昔だったから、ありえる展開だと思われる。今ではどうかなと。話の流れはテレビのサスペンスを思わせるようだ。まあまあですかね。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.8:
(3pt)

JDCはゲテモノ料理 1938年作 翻訳1972年

美食に飽きた金持ちが何か変わったものない?と注文して偏屈なシェフが出してくるような探偵小説、それがJDCの諸作品なんだと思います。結末の前までは本当に素晴らしいのですが、最後に唖然とさせられました。フェル博士のみっともない言い訳(p344)が作者の後ろめたさを物語っています。主人公はJDCの分身で、人生の苦労なんて無意味と主張したり、「彼は前から人間を観察していないといわれてきた男だった」とか作家にあるまじき人物像を暴露されています。名言が一つ: beware of people who make you laugh, because they’re usually up to no good.(p140) 橋本訳ではハドリー(ぼく)とフェル(きみ)の関係が近すぎる感じですが、二人の関係性を思えば、これくらいが本当は妥当なのかも。(最初、HPBの延原訳で読み始めたのですが、不明な点が多く、創元文庫に切り替えました) お気に入り事件は「うつろな男」「ドリスコル殺人」「ヴィクトリア女王号」という興味深い告白あり。
さて恒例の歌のコーナーです。
p121 「進め! 牧童」という新しい歌を披露(introduced the novel note of ‘Ride ‘em, cowboy!’): 同名の西部劇映画(1936)あり。
p122 夢中でバラッドを歌っている…(singing a ballad whose drift I need not repeat.): 口をはばかる内容らしいのですが題名が書かれていません。
p262 ジェニーはぼくにキスをした(Jenny kissed me when we met): a poem by the English essayist Leigh Hunt (1838) JDC作かと思ったら丸ごと実在の詩の引用でした。
銃器関係ではp154、12口径の散弾銃(a twelve-bore shotgun): 口径の前の数字は直径の意味となってしまうので12番・12ゲージと訳すのが正解。boreは英国表現で米国のgauge。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.7:
(3pt)

掟破りの真相

掟破りの真相、この作品を一言でいえば、そうなるのだろう。
無銭旅行後の無銭飲食、その後の死体発見と逃亡、という冒頭のエピソードから読者を作品世界へと引き込み、次々と不可解な謎が提示され、事件に関する捜査と議論が繰り返され、事件を巡る人間関係が明るみになっていく構成は、満点と言えよう。
しかしながら、「え?そんなことが可能なの?」と思わざるをえない真相は、事前の説明が不足で、故意の隠ぺいとしか思えず、本格的視点から見ると零点だろう。
ホテルの事件での犯人の侵入経路に関しても、図は示されているものの、意図的に議論が伏せられている。
また、途中で示された「12個の不可解な謎」の内で、鍵が鍵穴に差し込んであった謎について、十分な説明がなされていない点も不満。
作中で、ニセの手掛かりをばら撒いている可能性があることや、犯人が必ずしも合理的な思考をするとは限らないこと、こういったことを登場人物に語らせている点に興味を引いた。
タイトルの意味、死者とは誰なのか、真相を知るとわかる仕組みになっているのが面白い。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.6:
(2pt)

再読がつらかった

何十年ぶりかの再読を、初読の創元推理文庫版ではなく、早川のポケミス版でした。
そのせいかどうか、読了に一週間以上もかかってしまった。
そして、このなんともいえないアンフェアっぽいところに、かつては感じなかった残念感を持ってしまった。

これは、当方が本作の初読時よりもミステリに擦れてしまったせいかもしれない。
確かに真犯人には意外性があるが、犯行の不可能興味の解決がこれでいいのか?
カーだから・・・ということはないはずだ。

もちろん、カーの傑作といわれる作品でも、その仕掛けはアンフェアくさかったり、チープだったり、というものもある。
しかし、その使い方に、もう少し工夫があったと思う。
本作の不可能興味の仕掛けとその使い方は、今の私にはまったくジョークかファースのように思えてしまう。

横溝正史が本作を絶賛した、という逸話がある。
確かに、横溝の某作品のアレが本作をモチーフにしたものだということが良く分かる。
そういう意味では、カーファンや横溝ファンなら読んでも良い作品かもしれない。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.5:
(4pt)

アンフェアを辛うじて回避しつつ、“意外な犯人”の創造に注力した快作

友人の実業家・ダンとの賭けで、南アフリカからロンドンまで
無銭旅行をすることになった新進作家のクリストファ・ケント。

約束の日の前日に、何とか目的地のロイヤル・スカーレット・
ホテルまでたどり着いたものの、一文なしになってしまった。

空腹に堪えかねたケントは、たまたま拾った707号室の朝食券
を使い、ホテルの宿泊客を装って、朝食の食い逃げを試みる。

しかし、前の宿泊客の忘れ物のために、ホテルの使用人と707号室に行く
羽目になった彼は、その部屋で顔を潰された女性の絞殺死体を発見する。

のちに、被害者はケントの従弟の妻であることが判明し、
従弟のほうも二週間前に何者かに絞殺されたことを知る。

そして、従弟が殺害された事件当時、現場となった田舎の
屋敷に何故かホテルの制服を着た男が目撃されていて……。

本作においてカーは、“犯人の意外性”を演出するため、
涙ぐましいまでの細工――犯行の動機、機会、方法など、
あらゆる面におけるカムフラージュ――を施しています。

ただ、“密室の巨匠”にあるまじき(?)、ある禁じ手――伏線は
一応張られていますが――の使用には、苦笑を禁じえないですし、
終盤披露される、チェスタトン流の逆説も、あざやかとは言い難い
です。しかし同時に、そうしたなりふり構わない騙しへの執念には
鬼気迫るものも感じます。

読者の裏をかくためには何でもやるというカー
の姿勢がよく表れた、快作というべきでしょう。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.4:
(4pt)

「意外な犯人」に驚きました

1937年に発表された本作品は、
カー名義の15作目にあたり、
あまり目立たないけれど、
カー作品のベストに選ばれることもある、
隠れた名作です。

クリストファ・ケントは、作家修業と称して、
南アフリカ・ヨハネスブルクから
イギリス・ロンドンまでの自力での旅行を決行していましたが、
最終地ロンドンのローヤル・スカーレット・ホテル707号室で
女性の絞殺死体を発見。
犯人にされるのではという不安から
ホテルを逃げ出した彼は、
ギディオン・フェル博士のもとを訪ねますが、
そこにはハドリー警視の姿もありました。
すでに事件発生のことを知っていた二人が告げたのは、
死体の女性は、いとこのロドニー・ケントの妻、
ジョゼフィンだということ。
そしてそれは第二の殺人で、
夫のロドニーは既に2週間前、
サセックスのジャイルズ・ゲイ卿の屋敷で
絞殺されていたということでした…。

クリストファ・ケントが犯人に疑われる作品かと思いきや、
疑惑はあっさり晴らされ、
あとはフェル博士とハドリー警視の捜査が続きます。
一見特異な事件に思えなかったふたつの殺人事件ですが、
次から次へと疑問点が生じ、
読者が混乱するかもしれないという配慮からか、
物語後半でフェル博士が論点整理をする章が設けられています。

しかし、この作品の最大の勝負どころは、
「意外な犯人」でしょう。
数々の疑問点が解消されていく過程もさることながら、
最後に明かされるこの「意外な犯人」のインパクトはなかなかのものでした。

この「意外な犯人」を巡っては、
アンフェアとの意見も多数ある模様で、
確かに犯則ワザともいうべきものなのですが、
もちろん作者はそれを分かって使っているのであり、
伏線もきちんと張られていることもあって、私は許してしまいます。

絶版状態の本書、
復刊の見込みはなさそうですが、
久々に犯人の意外さに驚くことができて、
個人的には満足のいく一品でした。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.3:
(4pt)

アンフェアぎりぎりと言える程意外な犯人だが、巧みな伏線

黄金期の作品で、カーの代表作の一つ。カーは作中の登場人物に以下のセリフを言わせている。
   「自分ならこの物語をどう構成するだろう」
カーはこう切り出した。南アフリカに住む青年ケントは知人の実業家ダンとの賭けで独力でロンドンに向かう。約束の期日の前日、一文無しとなったケントは約束のホテルで食い逃げを敢行するが、ヒョンな事で顔を潰された女性の絞殺死体を発見する。ケントはフェル博士の所へ逃げ込むが、被害者は何とケントの従弟のロドニーの妻だった。更に驚いた事には、ロドニー自身も二週間前、同様の方法でノースフィールドにあるゲイ卿の屋敷で殺害されていた。ロドニー夫妻はダン達と同行していた。

申し分のない出だしである。問題のホテルの7Fはダン一行が占有しており、カーの作品にしては珍しく見取り図が挿入されている。ロドニー殺害の目撃者は、犯人はホテルのボーイの格好をしていたと証言するが、ホテルでの事件との因果関係は不明。しかし、ダン一行以外には犯人は考えられない状況。愛憎と疑心暗鬼の中、錯綜した状況のまま物語が進む...。

結末で明かされる犯人はアンフェアぎりぎりと言える程意外だが、伏線がキチンと張られている点には感心した。更に、真相が分かった時点で初めて「死者はよみがえる」と言う題名の意味が明瞭になる構成も巧み。充実期のカーの秀作と言えよう。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
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No.2:
(5pt)

カーならではの傑作

 カーの作品中あまり有名ではない本書ですが、実はカーの全盛期に当たる作品で、玄人筋の評価も高い作品です。カーといえば、不可能犯罪と怪奇趣味が特徴ですが、私が思うに、これはカーのもう一つの理想の形だと思います。 カーという作家は基本的にクリスティーなどとは全く違うタイプの驚かしかたをする作家です。とにかく誰もがあっと驚くようなアクロバティックを演じて見せるので、ミステリ初心者はもとより、本格ファンは尚更驚かされます。怪奇趣味や不可能犯罪はカーのそういった試みがとる形の一つにすぎないと思います。この作品にはそのカーらしさが何よりも出ています。アンフェアとまで言われるのもそのゆえんです。私はこの作品を読んだときの驚きは忘れません。ぜひ、読む際には当て推量でなく少しでも自分で推理してみてください。この作品に関してはミステリの経験など問題になりません。これを解けた方はすごい観察力と発想の持ち主かもしれません。
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
4488118089
No.1:
(4pt)

アンフェア!

この作品は江戸川乱歩が好みなことで知られていますが
早く言えばアンフェアです
ありとあらゆるアンフェアがぎりぎりの線で書かれています
犯人の妙、犯人のおかれている状況の妙、叙述の錯誤の妙
すべてにアンフェアなものを
カー特有の文体でフェアに押さえています
これを読んでアンフェアじゃないかと
言うのはカー読みではないのかもしれませんね
死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)Amazon書評・レビュー:死者はよみがえる (創元推理文庫 118-8)より
4488118089

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