赤後家の殺人
- ヘンリー・メリヴェール卿 (22)
- 毒殺 (157)
- 開かずの間 (2)
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.50pt |
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
「一人で2時間入ると必ず死ぬ部屋」の扉を開く事に。60年振りに実験すると、何と今回も入った人物は死体となって発見される。衆人環視の完全な密室、関係者全員の完璧なアリバイ、見当も付かない毒殺トリック。そして血塗られた一族の歴史を語るフランス革命時代の過去のエピソードが、この事件に一層不気味な色を付ける。江戸川乱歩もカー作品の中でおススメであったそうです。現代の視点で見ると違和感が有るのは古典名作の宿命でしょう。しかし、犯行可能な人物は一人しか居ない、なるほど見事な本格ミステリーでした。おススメです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
実業家マントリング卿の屋敷では「後家の部屋」と呼ばれる開かずの間があった。その部屋で1人で過ごすと必ず亡くなってしまうという呪われた部屋で150年間で4人が犠牲になっていた。アラン・マントリング卿はゆかりの者達にくじ引きで当たった者が2時間過ごしてみるというゲームを行う事にした。 | ||||
| ||||
|
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ストーリーは他のレビューアさんたちが詳細に書いてくださっているので省きますが、氷雨が降り霧深い陰鬱なロンドンで、旧家で不可解な殺人事件が起きるという、カーらしさが横溢する作品です。 個人的に一番興味深かったのは、第9章の「後家部屋の由来」です。そこで1人きりになって2時間過ごせば必ず死んでしまうという後家部屋。現に先祖の何人かが原因不明の死を遂げているのですが、どうしてそこが後家部屋と呼ばれるようになったのかをブリクサム家の次男であるガイが語る部分です。 ブリクサム家のご先祖チャールズが留学していた時代、パリではフランス革命の嵐が吹き荒れていました。そんな中で彼が恋に落ちたのは、なんと絞首刑を担当していたサクソン家の令嬢マリイ・オルタンスでした。彼らは結婚し、なんとかしてフランスを脱出、英国に移って双子の子供たちに恵まれます。ただ、その後夫婦は不仲になってしまいます。 ある日、サクソン家の長老であった曾祖母マルトが亡くなり、遺言によって彼女の家具一式が英国へ送られてきました。現在の後家部屋は、その家具が納められた部屋なのです。この間のストーリーがいかにもカーらしいというか、古い時代の香気とロマン、そして不気味さに満ちていて魅力的です。 その後の謎解きは、決定的だと思われたマスターズ警部の推理が間違っていたり、H・Mの推測もはずれていたり、ある人物が”実は自分はこういうものを見てしまった”とか”黙っていたけれど、こうだった”と告白するたびに二転三転。このあたりは結構混乱するというか、えっ、また違うの?なんだよ~と思ってしまいました。多少ご都合主義なところは否めず、すっきりとしません。 犯人は最後30ページになるまで明かされません。犯人の可能性がある人物は限られているのに、それは意外な人物でした。 ヒロインの年齢が21歳、31歳と記述が間違っているのは皆さんがおっしゃっている通りですね。それにしてもカー作品を読んでいるとカーの女性の好みがわかってしまいます。長い髪のいかにも女らしいぱあっとあでやかな”運命の女”的美女という感じです。 密室不可能犯罪と怪奇趣味に満ちたいかにもカーらしい作品でした。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
弓弦城を再読してないのですが、冒頭から判断すると続編的な感じ。発端にはゾクゾクさせられますが新アラビア夜話(スティーブンソン)を先に読んでたほうが良いかも。(本編とは関係なし。雰囲気作りですね) いつもの通り人物描写が下手なのでごたつく序盤、なかなかスリリングな中盤を経て、全員集合、謎解きが始まるよ!という流れ。(最後は大勢で押しあいへし合いという変な場面) 小ネタはまあまあ、でも大ネタが残念。警察の見落としを期待してはいけません。それにあのトリック(p387)はないでしょう。しれっとやっちゃうのがJDC/CDらしいのですが… フランス革命ネタは作者の趣味全開ですがいささか退屈。興味深かったのはロイヤル スカーレット事件(p312)これ書かれざる事件なのかなぁ。 以下トリヴィア、原文は参照出来てません。 p124 タラッタラッ、大きな悪狼が…(H.M.の鼻歌): 「三匹の子豚」(ディズニー1933)のWho's Afraid of the Big Bad Wolfかな? p172 ラ マルセイエーズ: 歌詞は結構血なまぐさいです。 p306 海の妖女たちはどんな歌を歌ったか…: Sir Thomas Browne, "Urn-Burial"(壷葬論)ですね。モルグ街のエピグラフで有名。 p344 ルール ブリタニア(支配せよ、大英帝国)Rule, Britannia: イギリス国歌、スチュアート党が愛好、と宇野先生が注釈しています。詞James Thomson、曲Thomas Arne(1740) 名言が一つ: イリュージョンは真理よりよっぽど貴重ではるかに美しい(p366) JDC/CDのモットーですね… | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
あとから考えると少し地味だけど、読んでる途中はドキドキ。 本格派と怪奇の組み合わせが好きなので、カー以上のはなかなないです。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ジョン・ディクスン・カーが、カーター・ディクスン名義で発表したもの。 結論からいうと、ずっこけた。 終盤近くまで愉しんでいたが、ラストの謎解きは肩すかし。 赤後家の間での殺人は、必然性が低いし、動機も納得し難い。 余談で、美人キャラの年齢表記がおかしい。21と31では大違いだろう。 せっかくのホラー色満載の御膳立てだったが、走者一掃のスリーベースヒットと思い きや、内野安打で、どうにか1点入ってディクスンのサヨナラ勝ち。まあ、いいけど。 (殺人で無駄な描写があるのも解せない) それから、どうも訳文がギクシャクしていて、スッキリしない。 ディクスンマニアなら、敢えて必読。 一般の推理小説ファンは読まなくてもいいや。 御免ね、ディクスン卿、じゃなかった、HM卿・・・ | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ギロチン刑執行吏を祖先に持つブリクサム家。 百五十年間に四人を殺した後家部屋ですが、 それは「三つの棺」の密室講義にも分類されている つまらない項目の手だ。 ベンダーの後家部屋での死をめぐり、 マスターズ警部の大ボケ推理、吹矢と筒の消失、 部屋の窓外についたガイの指紋、黒い絹糸などが 誤誘導となり手がかりとなり物的証拠となり、 様相が混沌を呈します。 しかし、あえなく躓いたり、自己申告があったり、 物語の中途で解決したりで、さまざまな夾雑物が 除去され、結局、事件の核心だけが残る。 ガイ殴殺も同様で、ラヴェルとカーステアズの取っ組合い、 イザベル叔母の偽証などが周辺に付加されます。 しかし、他愛もない事実が判明したり、反証があがったりで、 事件は、単純化されてゆきます。 様々な材料が揃っているカオス状態の場合、煩瑣な ロジックを、このように単純化された場合、 一種の閃きを要することとなる。 HMは、ある手がかりから単純明快なトリックを 看破するが・・・。 ガイと真犯人の私利私欲の二本柱をプロットとし、 大いなるオカルト趣味で包み込んだいかにも カーらしい作品。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 21件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|