孔雀の羽根
- ヘンリー・メリヴェール卿 (22)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点5.00pt |
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スコットランド・ヤードのマスターズ警部宛にある手紙が届く。それはバーウィック・テラス4番地に10客のティー・カップが出現するので、警察の出席を願うという不思議な内容の手紙だった。しかし、2年前、同様の手紙が届いた際、当該場所の建物は空家であるにもかかわらず、什器類が雑然と詰め込まれており、そしてその中に死体があったという事件が起きており、未解決のままでいた。果たしてこの手紙はあの事件の再現なのか? | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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「10客のティカップ」と言われればタロットカードの「杯の10」を連想し、何か曰くがあるのだろうと勝手に思い組む読者をはぐらかす。カー流のユーモア感覚と思って許すべきなんだろう。 基本的にカーのミステリでは、事件の目撃者は何かの先入感にとらわれているか、思い込みが激しく暗示にかかりやすいなど、概してボンクラなので、解決がそれほどアンフェアとも感じない。 マスターズ警部が女性に良いように翻弄されるエピソードも、「ほらこんなでしょ、何も真相が見えていないんですよ」と読者に示して、解決を補強しているのだろう。 ただ・・・要はカーの作品をまったく読んだことにない人に一読を奨めるなら、まずは『ユダの窓』や『白い僧院の殺人』、『曲がった蝶番』や『黒死荘の殺人』などを挙げるのであって、この作品ではない。 だが、本書や『墓場貸します』などを読むような人ならば、そんなことはわかった上で読むはずなのだ。 | ||||
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マスターズが再び不可能犯罪に出会う!という冒頭は素晴らしいのです。中盤の小ネタも効いています。珍しくキャラ立ちしてる登場人物もいます。でも解決篇は残念な出来でした。手抜かりや見落としを期待する不可能犯罪では面白くありません。いつものように2回目の犯行はやっつけ仕事。(ただし二度目の予告からの展開は素晴らしい) p304の解説は「そんなの知らねーよ!」と全員がツッコみを入れる内容ですね。 きっともっとシンプルに仕立てれば傑作になったかも。でもそれじゃ納得いかないのが、この作者だと思います。 銃はレミントン六連発拳銃1894年製が登場。Remington Model 1890 New Model Army(弾は.44-40 Winchester)でしょうか。 | ||||
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密室ミステリーは色々と読みましたが、不可能性・不可思議性なら本書が随一でしょう。 ・・・と思ったら世界歴代密室ミステリーでベストテンに入っていたのですね。 警官隊がありとあらゆる出入り口を見張る部屋に男が入ると、銃声が二発聞こえる。 警官が部屋になだれ込むと背中と頭を焦げる程の至近距離から撃たれて男が絶命している。 部屋にはたった今発砲したばかりの銃が煙を上げている・・・。 ところが。 警官隊があらゆる出入り口を見張っていたのに被害者以外の人間を目撃していない。 犯人はどこから部屋へ入りどこへ消えたのか・・・。 実に納得の行く素晴らしい鮮やかなトリックに脱帽です。 この不可能性とオリジナルトリックで☆5つだと思います。 | ||||
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本作品は、1937年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第8作にあたります。 「10客のティカップが出現するでしょう。」という不可解な犯行予告に、指定されたマンションを厳重に警戒していたマスターズ警部達。 家の中にはヴァンス・キーティングという青年がひとりでいることが確認された。 やがて轟いた二発の銃声を機に、中に入ってみると、そこには後頭部を打ち抜かれた青年の死体が。 傍らには拳銃が落ちており、後頭部には、至近距離から撃たれたことを示す、焦げ跡が残っていた。 犯人はどこに消えたのか? テーブルには10客のティカップが円形に置かれ、テーブルクロスは孔雀の羽根の刺繍が施されていたが…。 同じような状況の事件がじつは二年前にも発生していて、迷宮入りしていたことから、ヘンリ・メリヴェール卿の登場となり、名推理で犯人を追い詰めるというお話。 第14章の標題が、「この章には、重要な記録が読者の前に提供される」となっていたり、最終章の犯人当ての推理のくだりでは、32の手がかりが指摘されて、それぞれが何頁に記載があったか記されているという、フェアプレイを追求した作品となっています。 ただ、メインのトリックの部分が、この1年くらいかなり多くのカー作品を読んできたこともあって、「このあたりに【逆転の発想】を仕掛けているのでは?」という推測ができてしまった点が、残念なところでした。 さらにもうひとつ。 なぜ、「10客のティカップ」と「孔雀の羽根」なのか、という点が、先述の手がかり(29)の部分と最終頁で説明されているのですが、ややインパクトに欠けるものになっていたのも、残念なところでした。 傑作というには、今一歩といったところかな…というのが、本作品に対する印象です。 | ||||
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本作品は、1937年発表の作品で、カーター・ディクスン名義の第8作にあたります。 「10客のティカップが出現するでしょう。」という不可解な犯行予告に、指定されたマンションを厳重に警戒していたマスターズ警部達。 家の中にはヴァンス・キーティングという青年がひとりでいることが確認された。 やがて轟いた二発の銃声を機に、中に入ってみると、そこには後頭部を打ち抜かれた青年の死体が。 傍らには拳銃が落ちており、後頭部には、至近距離から撃たれたことを示す、焦げ跡が残っていた。 犯人はどこに消えたのか? テーブルには10客のティカップが円形に置かれ、テーブルクロスは孔雀の羽根の刺繍が施されていたが…。 同じような状況の事件がじつは二年前にも発生していて、迷宮入りしていたことから、ヘンリ・メリヴェール卿の登場となり、名推理で犯人を追い詰めるというお話。 第14章の標題が、「この章には、重要な記録が読者の前に提供される」となっていたり、最終章の犯人当ての推理のくだりでは、32の手がかりが指摘されて、それぞれが何頁に記載があったか記されているという、フェアプレイを追求した作品となっています。 ただ、メインのトリックの部分が、この1年くらいかなり多くのカー作品を読んできたこともあって、「このあたりに【逆転の発想】を仕掛けているのでは?」という推測ができてしまった点が、残念なところでした。 さらにもうひとつ。 なぜ、「10客のティカップ」と「孔雀の羽根」なのか、という点が、先述の手がかり(29)の部分と最終頁で説明されているのですが、ややインパクトに欠けるものになっていたのも、残念なところでした。 傑作というには、今一歩といったところかな…というのが、本作品に対する印象です。 | ||||
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