一角獣殺人事件



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初公開日(参考)1995年11月
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長編小説

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一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)

1995年11月01日 一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)

死体の額には鋭い角で突かれたような痕があった。衆人環視のなか行なわれた謎の殺人。伝説の一角獣の仕業なのか。フランスの古城を舞台に、稀代の怪盗、警視庁の覆面探偵、HM卿が三つどもえの知恵比べを繰り広げる傑作本格推理。 (「BOOK」データベースより)




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一角獣殺人事件の総合評価:7.00/10点レビュー 4件。Dランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:
(4pt)

あらゆる意味で意表を突かれた

本書の紹介には「殺された被害者には一角獣の角で刺されたとしか思えない不思議な傷痕があった」と強調されており、それが題名と相俟って、伝説の獣による殺人というカー得意のオカルト趣味が横溢する作品だと思ったら、これがとんでもない間違いでなんと怪盗物だ。
パリを賑わせている神出鬼没の怪盗フラマンドを捕まえるべく、「島の城」に集まった面々。その最中に上に書いたような傷痕を残した奇妙な死体が衆人環視の中、起こるという物。確かに事件は不可能趣味溢れているが、これがメインというよりも変装の名人フラマンドは果たして誰なのか、そしてフラマンドの宿敵であるパリ警視庁警部ガスケも変装の名人で、それは誰なのかと怪盗探し、犯人探しに加え、探偵探しまで盛り込んだ内容になる。

ところでフランスが舞台となると、やはり怪盗が付き物なのか、本作では神出鬼没のフラマンドなる怪盗が登場する。勿論これはモーリス・ルブランの『怪盗ルパン』による影響が30年代当時、かなり強かったのではないだろうか―というよりもルパンシリーズは世紀を超えてなお世代を問わずに親しまれているのだが―。
その証拠に「島の城」城主のダンドリューが各人の枕元に一夜の友として置いている書物の中に当のルブランの『怪盗紳士アルセーヌ・ルパン』が添えられているのだから、カーも堂々と意識していると謳っているのだ。

しかしそんな趣向満載の設定ながら登場人物が多すぎるのと、犯人・怪盗・探偵探しそれぞれがごちゃまぜになって、整理がつかずに物語が流れ、唐突に終わったような感じがしてしまった。特に最後HM卿の口から延々と開陳される事件のあらましはなんとも複雑であり、ちょっと造りすぎではないかと思われる。

しかしケン・ブレイクが出るシリーズはなぜこうもドタバタになるのだろう。
本書はシリーズ初期の作品であるが、この頃カーはケン・ブレイクを情報員であることを利用して、物語を複雑化する不幸な男としてミステリの味付けにしようと思っていたのだろう。

今回思ったのはやはり作品紹介というのは読み手の先入観を否が応にも刷り込んでしまうことだ。上にも述べたが、紹介は一角獣という実在しない怪物をモチーフにした事を前面に押し出し、一見カーの最たる特徴であるオカルト趣味を纏ったものだと思わせるが、蓋を開けてみればフランスを賑わす怪盗を捕らえる事が主眼の、HM卿の国際犯罪に携わる情報部の長という諜報活動の一面が色濃く反映された作品である。
確かに原題も“The Unicorn Murders”と一角獣と名を冠しているが、やはりこの紹介は間違いだろう。例えるならば、パッケージツアーで伊勢海老料理をメインに謳っておきながらその実、伊勢海老は添え物程度で鍋料理がメインだったような感じと云えば解るだろうか。
読者の作品評価に直結するので各出版社はもっと紹介文に配慮して欲しい。

まあ、感想を云えば、出来は残念といいたいところだが、文中、本格ミステリの謎に対する推理についてHM卿がなかなかに含蓄溢れる言葉を述べているのでそれを抜き出して終わりとしよう。

「人間が仮説をひねくり回しておるのは、その人物が推理しているというわけでは決してない。その人物だったらどうやるか、という事を披瀝しておるだけなのだ。しかし、そこから、その人物の性格がよく掴めるからな。」


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No.3:
(4pt)

事件そのものは短め。

殺人よりも
巧みな「だまし」がさえわたる作品。
いったい誰が怪盗フラマンドなのか…
所々におわす鍵となる言葉に
誰だろう誰だろうと思うことでしょう。
それと城というなんとも古い雰囲気が
事件がいかにも起こるぞという雰囲気を
これでもかというほど出していて、
他の描写も面白かったです。
しかしながら、唯一の弱点は
扮装のあまり殺人はあまり
重きが置かれていないこと。
ただ、それを抜きにしても何重にも
話がいりくんでいて面白いのですがね。
一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)Amazon書評・レビュー:一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)より
4336036748
No.2:
(3pt)

大きな疑問点はあれど楽しめる作品

 大騒ぎの果てに明かされる不可思議な殺人の実行経緯は、さすがに不可能犯罪の巨匠らしく鮮やかにきめてくれる。ただし、犯人がなぜ、一角獣の角で突かれたようにも見える傷跡を残す特殊な凶器を使ったのかについては、疑問が残る。犯人のキャラクターも、そんなかさばる道具をわざわざ持ち歩くような人物には思えない。作者の視点からすれば、飛び道具ではないことが一目瞭然の凶器ということで考え出したのだろうが、それはご都合主義というものである。また、犯人があること(犯行自体ではない)をそんなに速くできたとは思えないのも、問題である。
 とはいえ、犯人の意外性もなかなかのもので、H・M卿シリーズは本書以降ファース味の強いものが多くなっていくが、その幕開けの作品としては、なかなか楽しめる。
一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)Amazon書評・レビュー:一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)より
4336036748
No.1:
(5pt)

カー式ファースの最高傑作

この本のおもしろさはどたばたである。出だしからして、ワトスン役がスパイの密命を帯びたにもかかわらず、知らずとはいえ、連絡係をぼこぼこにしてしまう。その他ありとあらゆる人間が自分の本来の目的を隠したまま、古城に集められまたどたばたを行ってしまう。しかも、それがすべて合理的な解決に導くというすごさ。少なくともこれを楽しめなくて、カーは楽しめない。
一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)Amazon書評・レビュー:一角獣殺人事件 世界探偵小説全集(4)より
4336036748



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