自殺じゃない!
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読んできたすべてが 終盤に一切瓦解してしまうとしたら…? そんな作品、あるんですよねー。 この作品の始まりは あるお金持ちの老人が ホテル内で死亡したことから始まります。 当初の見解は自殺でしたが どうもそれは不自然なのです。 睡眠薬の量からしても… 彼の死の真相を知るために 兄弟+1が真相を解明しようと奔走します。 時には探偵会社やたまたま居合わせた 一人の警官を巻き添えにして… そして最後に待ち受ける衝撃の結末は ちょ、何それ、と言わせるのに 十分でしょう。 ただし、証拠固めの段階は まさに喧騒そのもので 目も当てられない状況になることもしばしば。 だから読者を多少選ぶことでしょう。 | ||||
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没落した旧家の男性が、現在はホテルとなっている、かつて自分が生まれ育った屋敷を、客として訪れ、睡眠薬の過剰摂取で死亡する。 自殺の判断が下され、片付けられそうになるが、納得のいかない息子や娘達は、捜査を開始する、という物語です。 他殺の可能性を信じて貰えないことにヤキモキしながら捜査する若者達が生き生きと描かれており、自分まで彼らと一緒に捜査している様な気分になり、 なんとも言えない爽快感があります。また、犯人も意外な人物ですが、えてして爽快感ある面白いミステリーで意外な犯人が出てくると、犯人の意外さを 出したい気持ちばかりが作者の中で先行するためか、こじつけの感が否めない作品も多いですが、犯人にも無理がないため、良い意味で驚かされました。 この小説の最大の魅力はなんと言っても、爽快感が溢れ出すような面白さと、意外な犯人の提示を上手く融合させた点にあると思われ、 物語としては非常に魅力的な出来となっております。本当に面白かったです。 しかし欠点もあり、最後の謎の解明過程が、犯人とされる人物が殺人を行ったと仮定した上での動機や機会の究明に特化し過ぎています。 他の人物でもこの殺人を行う動機や機会があったのですが、より強い動機を持っており機会もあったため犯人だと言っている様なものです。 但し機会に関しては、後付け的に検証がなされますが、その点が読者には詳しい事前の開示がなされていないため、本格ミステリーとしては不十分です。 否、これに限らずヘアーの小説は、前回レビューに載せた『英国風の殺人』もそうですが、最後の論述には重きが置かれていないものが多いです。 では何故、ヘアーの小説では、最後の論述にあまり重きが置かれていないのでしょうか?当邦訳小説末尾の解説等も参考にしながら私なりに考えてみましたが、 ヘアーは法律家であるため、クリスティーやクイーン等に見られる本格作家特有のミステリー小説ならではの論述よりも、現実の法廷での論述に近いものを 採用したかったのだと思います。つまり現実の殺人事件の多くでは、他の犯人の可能性や反証余地について、こと細かい理詰めの論証をしていくことは、 したくても不可能ですから。強烈な動機や機会を持った人物が、現実に妥当と思われる理由で逮捕されたら、法廷でも、その人物が犯人であるか否かを 論じられるだけだからです。しかしだからこそ、リアリスト・ヘアーの法律家魂が故にか、本格ミステリーとしては不十分になってしまったという感が否めません。 結論としては、話の面白さと意外な犯人の無理のない融合という点では星5つ付けたいのですが、本格を謳う以上、論述の甘さを考えると1つ減点し、星4つ位かなと。 | ||||
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