英国風の殺人
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クリスマスの雪で閉ざされた屋敷で客が死に・・・というお話。 題名から察せられるようにイギリスによくあるカントリーハウスで殺人が起こり、警察と素人探偵が捜査するという類型的な本格ミステリでした。こう書くと、ネガティヴでつまらなそうに思えるかもしれませんが、解説にある通り著者は敢えてこういう舞台、こういう事件、こういう登場人物を使うことによっていかにも英国風殺人事件を再現したように思えます。 そういう意味では成功しているように思えますが、余計な情報を取っ払って作品だけ集中して読むと、単なるミステリでしかにような感じもしてイマイチな気がしないでもなかったです。犯罪の動機もこの当時のイギリスの政治状況を踏まえて読まないと判り難いし。 ただ、この著者の文章が格調高く、威厳があり読んでいて読み応えのある小説ではありましたが。 黄金時代の本格ミステリの習作。お暇らなどうぞ。 | ||||
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英国風の殺人という如何にもな題名、名門貴族の領主邸で起こるという如何にもな設定であるために、上手くやれば最高の出来だが、 ただの外したベタな凡作かもと思って読みました。しかし具体的に言うわけにもいきませんが、この小説のプロットの着想こそまさに、 こんな如何にもな設定、如何にもな題名に、見事にマッチしたものとなっておりました。 但し、この小説はワイ・ダニットつまり動機解明を重視した作品ですが、解説によると、この謎を解くにはイギリス社会について やや具体的に知らなくてはならないので、特に外国人からはアンフェアだという批判もよくあるそうです。しかしイギリス社会に 詳しいわけでもない私にも動機が分かり犯人も分かったため、私にはアンフェアだとは思えませんでした。否、むしろ英国ミステリー好きなら、 一般教養レベルでイギリス社会のことを知ってから読んで欲しいなとさえ思った程なのですが。しかしいずれにしろこのネタは、 本格ミステリーを創る上での前提知識を巡る、一つの重要な議論材料になると思いますよ。 一方、この小説の欠点を述べますと、如何にも英国風のこんな着想をせっかく持ちながら、それを活かしきれていないところです。 そしてそれは、具体的には以下の3点です。 A:イギリス社会に関する若干の知識があれば、動機も犯人もけっこう簡単に察しがついてしまうと思います。また、察しがつき易い大きな原因 となっているものに、登場人物の人数が少な過ぎることにあります。 B:話としてはサクサク読めて楽しかったですが、登場人物が少ない上に話自体も短いため、せっかくイギリスの領主邸を舞台にしていながら 他の似た様な小説に比べ、屋敷内の雰囲気や人間模様をあまり堪能できません。例えば以前に私がレビューを書いた『血染めのエッグ・コージイ』も 領主邸で殺人が起きますが、比喩的に言うわなら、エッグがイギリスの領主邸への一週間の旅行とするなら、本作の方は一泊二日の旅行といったところです。 物語として楽しむ上でも、本作は少し物足りないかなと感じました。 C:最後の解説ですが、何ゆえに英国風の殺人が起こったかという経緯がただ語られているだけに過ぎません。犯人を名指すための証明過程が あまりにも簡略化され過ぎています。もう少し論述に力を入れて貰いたかったと残念でなりません。 と、以上の様に3つ欠点を挙げてみましたが、総じて言えることは、もっと肉付けが必要な小説だということですね。ちなみに元はラジオ用の作品 だったものを小説化したらしいので、元の話自体が小説と違い簡素なのは仕方ないとしても、小説化するに当たりもっと肉付けするべきでしたね。 結論。話としてはそれなりに面白いですし、何より、設定や題名に恥じない着想自体は評価できますし、また、作者が意図したわけではなくとも、 今後ともぜひ活発化させていきたいフェア・アンフェア論争に、重要な議論材料を提供できる作品であり、本格ミステリー・ファン必読の書と言えそうな 気もするためそれも重要視しますが、一方、肉付け不足の点を考えますと、点数を付けるのは難しいのですが、星3つ位が妥当かなと。 | ||||
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