塩沢地の霧
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Mist on the Saltings(1933年) 海辺の寒村で 貧しいながらも愛し合いながら暮らしてきたパンセル夫妻も、長年の退屈な田舎暮らしと、不運続きで収入が途絶えた絵描きの夫ジョンの偏屈化がもとで、間に隙間風が吹き始めていた。そんな折、妻ヒラリーが 浜辺の砂丘にコテージで活動をしている売れっ子作家ファインズと意気投合して一緒に出歩くようになると、ジョンの偏屈はファインズへの殺意に変わっていく。関係を修復しようとジョンはファインズを自宅の晩餐に招き歓待するも、酔ったファインズを濃霧の中 途中まで送っていった翌朝、ファインズは帰路の泥濘につっぷした死体になって発見される。当然 容疑はジョンに降りかかり・・・。 ジョンの ファインズに対する悪意、ヒラリーへの嫉妬が膨らんでいく前半は、その雰囲気がひしひし肌に感じられるほどに、繰り返し執拗に書き込まれていきます。(あまりに深刻なムードなので 読むのに疲れてしまい、半月ほどインターバルを設けました。) ジョンはもともとは人に信頼される気のいい男 なのですが、不運続きのせいで 怒ると抑制がきかず爆発してしまいます。ヒラリーのほうは 貧乏暮らしでいささかやつれてきたとはいえ、ドンファンのファインズが夢中になるほどの美貌と純真さを失わずにいます。そしてジョンが容疑者になり、ヒラリーに助けを懇願するに及んで、かつての愛情が一気に甦ります。このあたりは、前半の重たいムードを和らげてくれるので、感動を求めていた心に温かいシャワーのように沁みてきますね。 後半は州警察の警部、警視、本部長らの捜査活動がクロフツばりに丁寧に描かれ、とくに田舎町特有の 住民の口の重さに手を焼く様子が面白い。そして警察の捜査はもう一人の容疑者、金に困っていた若い漁師を炙り出し、ジョンとこの男のどちらが真犯人なのかに興味が絞られます。拘留された漁師と 面会したジョンとのやりとりが、さりげないけれども本編のハイライトかな? 本書は探偵小説としては半倒叙方式を用いており、技巧としてのそれはミステリとしてはあまり効果を上げているとは言えないながら、作品のテーマを貫くにはどうしても必要だったのだなと思いました。そのテーマは解説に詳しいのでここでは書きませんが、まずまず成功を収めたと評価してよいかと。全体として、重厚な人間ドラマに仕上がった力作と言ってよいでしょう。 | ||||
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前半はメロドラマ。田舎に飽き、現実に疑問を感じ始めた妻とプレーボーイの都会者の流行作家の恋事実に気が付いた夫の憎悪が克明に描かれます転じて後半は半倒序物流行作家の死体が発見され、警察による捜査が描かれます。本当に嫉妬に狂った夫が犯罪を遂行したのか?メロドラマとミステリを融合させたウェイドの傑作です | ||||
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