道化の死
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クリスティー、セイヤーズ、アリンガムと並び四大英国女流推理小説作家と称される名手マーシュ女史が1956年に著した代表傑作の紹介です。著者は1982年享年87歳で逝去されるまでに32冊の長編推理小説を刊行されていますが、日本に紹介されているのは本書がやっと9冊目で現在読めるのは本書以外では3冊ぐらいという事で、彼女も日本では不遇の作家であったといえます。その理由はやはり名探偵の個性の強さが足りない点が大きいでしょう。著者の全作品に登場するスコットランドヤードのロデリック・アレン警視は真面目な堅物ではなく時には砕けたユーモアも見せる洒落男なのですが、やや地味で平凡な為に中途半端な印象で人気を獲得出来なかったのだと思います。それでも本書を読むと謎解き探偵小説としての完成度が高く著者の実力は相当の物と窺えますので、これまで殆ど作品が紹介されなかったのは誠に残念です。本書の物語はイングランドの南マーディアンにあるお屋敷マーディアン・キャッスルで毎年冬至の訪れと共に催される民族舞踊〈五人息子衆のモリスダンス〉の舞台を村人達が見守っている最中に道化役の男が首を切り落とされるという不可能興味の殺人事件が扱われています。著者は被害者の老人を何事にも反対する頑固者として描き複数の動機を提示して容疑者を絞らせません。また自身の演劇活動の経験を生かした小説作法で、最後に全員を集めて事件を再現し驚くべき真相、人は見ている様で本当の意味では見ていない事を思い知らされる大胆なトリックを暴いて見せます。他に若いカップルのロマンスの行方も物語を読む興味に花を添えています。唯、欲をいえば犯行の秘密が保たれるのか心許なく犯人がそれ程に周到ではない様に思える点や全体的には怪奇色が皆無な点、小村の事件で動機が平凡且つ面白くない所が難点ではあります。★5つまでは行きませんが古典的推理小説の力作としてお奨め致します。 | ||||
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