議会に死体
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本書末尾、解説の森氏によると、アントニイ・バークリーとクロフツを足したような作品・作家とのことだが、まさにその通りでしょう。 本格ミステリーにおける“不可謬な推理はどの程度に可能か?”という問題に挑み、探偵がなかなか正解に辿り着けない有様を描いたバークリーとは 種々通底しますし、また探偵が足でコツコツ捜査するところはクロフツの作品を思い出させます。 しかし、バークリーがクリスティーやカー等の代表的な本格作家達と同様、派手な舞台装置を用いる事が多かったことと比べると、こちらは かなり地味です。また、クロフツのフレンチ警部ほどコツコツ捜査している印象はないですし、クロフツの作品における得意の技術的トリック等 を用いた時折見られる様な華々しさも、正直に言えば本書にはありません。しかしだからと言ってこの作品が中途半端だとはあまり思いませんね。 むしろバークリー的な“本格ミステリー懐疑主義”と、クロフツ的な“地道な捜査”という、両者を知っている読者からは対極をなすような路線と 思われがちなものを程良く組み合せ、サクサク読めて面白いよう上手く料理したなと言った感じです。 加えて、捜査官達のやり取りや作品全体の雰囲気にはコージー・ミステリーの先駆かと思わせるようなところもありマッタリしますし、そもそも バークリーの小説に見られるような解決の際のコジツケ感はありません。むしろ、本書は社会心理学的とでも言うべき視点が適度に重視されており、 まさにそれこそがバークリーとクロフツ両者の作品を凌ぐ強みですし、またこの作品に独特のリアリズムを魅力的に漂わせることに成功する要因になった のだとも思います。 反面、残念なのは、謎解きの点から見れば全体的に呆気ない感じも強く、もう少し捻りが欲しかったですね。ですから、名作と言うよりはとにかく堅実な作品だ という印象ばかりが強いのは拭えないでしょうが。 そのため、無難に楽しめる作品ではありますが、バークリーとクロフツ両方を知っている人が比較しながら本書を読んだ方が、味わいが分かり易い作品だとは思いますよ。 まとめ。バークリーとクロフツを共に読んでいる読者には楽しませてくれるところが大きいですが、しかし読んでいない人には“真価”がやや分かりづらい作品だと 思われることや、謎解きとしての捻りの薄さを考慮し、星を一つ引いて、星4つぐらいかなと思いました。 | ||||
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