迷走パズル
- パズル (11)
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. ニューヨークの演劇プロデューサー、ピーター・ダルースは2年前に妻を失くして以来、アルコール依存症に陥っている。精神科病院に入院して治療に当たっているが、ある日、「ここから逃げろ、殺人が起こる」という声が聞こえる。どうやら病院内で変事が発生しつつあるようだ。するうち、第一の殺人が起き、ピーターは所長の依頼もあって素人探偵の任を任されることになるのだが……。 ----------------- 1936年にパトリック・クェンティンがスタートさせた〈ダルース・シリーズ(The Puzzle Series)〉の第1作『A Puzzle for Fools』を2012年に邦訳した文庫です。 様々な病を抱えた精神科の患者たちや、日勤・夜勤を問わず一癖も二癖もある医療スタッフが登場して、物語が進んでいきます。 物語の発端となった〈謎の声〉の真相や、重要物件が消えたり表れたりのからくりが少なからずご都合主義的で、合理性を伴っていない印象が拭えません。 のちのちシリーズの主要人物となっていくピーターとアイリスの馴れ初めも、短兵急な展開で、今ひとつ深みに欠ける気がするのは私だけでしょうか。 古き良き時代の本格謎解きミステリとしては楽しめないでもありませんが、物語が病棟の外には一歩も出ないため、あの、大恐慌によって社会が傷つき、なおかつ戦争が徐々に現実味を帯びつつある時代が醸す雰囲気も感じられない点にも物足りなさを覚えました。 ----------------- 翻訳でひとつ気になった点を記します。 *25頁:「ちなみに彼女はミス・ブラッシュが華やかなのと同じくらい地味だった」という訳文があります。「華やかなのと同じくらい地味」というのが日本語としてこなれていない感じがします。英語の原文を確認したところ、「Incidentally, she was as plain as Miss Brush was pretty」となっていました。日本語では「AとBは同じくらい華やかだ」とか「AとBは同じくらい地味だ」とは言いますが、「Aが華やかであるのと同じくらいBは地味だ」のように正反対の形容詞を「同等だ」とは言わないものです。 英語の〈as~ as〉は「同質性」を表す場合だけではなく、比較対象となる二者の「対照性」を表す場合もあります。以下、ネット上で拾った例文を記します。 (例)She is as brisk as he is shy. 「彼女は活発なのと対照的に、彼は照れ屋だ」 (例)The one is as proud as the other is modest.「甲は乙の謙遜と正反対に傲慢だ」 このように英語のasはあくまで〈同時性〉を表すものであるので、〈同質〉なものも〈異質〉なものも、〈同時〉に並列することが可能です。 上述の「she was as plain as Miss Brush was pretty」も〈異質〉なものを〈同時〉に並べて〈対称性〉を際立たせていると解釈すべきでしょう。訳文は、「ちなみに彼女は地味である一方、ミス・ブラッシュは華やかだった」とか「ちなみに彼女は地味だったが、ミス・ブラッシュはそれとは違って華やかだった」くらいにするのが適当だと思います。 . | ||||
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一種のクローズド・サークルもの(?)かもしれませんが、その環境が特殊なので、正直なところ臨場感にやや乏しい…でしょうか。 中盤から、「あいつとあいつは怪しいぞ、どちらかが犯人かも」と予測できたので、意外感もあまりなかったです。 テレビドラマとかにしたら案外面白そうな気がしますけど、恋愛的な場面が結構出てくるので、そういうのがあまり好きではワタクシにとりましては少々読みづらかった(主人公も犯人探しを外してしまうし…) | ||||
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パトリック・クェンティン著、白須清美訳『迷走パズル』(創元推理文庫)はアメリカのミステリーで、パズルシリーズの第一作目である。主人公は演劇プロデューサーであったピーター・ダルース。妻を亡くしてアルコール中毒になり、精神病院に入院して治療中である。そこで殺人事件に巻き込まれる。 精神病院が舞台となり、様々な精神病患者が登場する点がユニークである。主人公達は殺人を警告する声を聞く。それが精神病患者の妄想か、実在する声なのか、謎が深まる。 『迷走パズル』はシリーズ物の第一作目であるが、三作目の『人形パズル』を先に読んでいる(林田力『二子玉川ライズ反対運動9ブランズ二子玉川の複合被害』「『人形パズル』米国社会の精神風俗」)。『人形パズル』を「本が好き!」献本で読むことになり、興味を覚えて第一作目を読むことになった。 『迷走パズル』と『人形パズル』は大きく異なる作品である。主人公の立場が異なる。『迷走パズル』ではアルコール中毒の入院患者であったピーターは人形パズルでは立派な海軍将校になっている。『人形パズル』で活躍するアイリスは迷走パズルでは受け身のままである。共通点は主人公が探偵的に振る舞うものの、真相の説明者が別に存在する点である。 『迷走パズル』の時代は禁酒法制定とも遠くなく、WASP的な倫理観が高揚した時代であった。その時代にアルコール中毒患者を主人公とすることへの是非はあるだろう。現代日本で脱法ハーブ中毒者を主人公にするようなインパクトがある。後の『人形パズル』でも、どうしようもない酔っぱらいを登場させながら、ダメ人間として描いていない。 せめてもの救いは主人公のアルコール中毒設定が過去の設定になっており、主人公は最初から正常であることである。不幸に直面したからアルコール中毒に陥ったというだけで、主人公にアルコール中毒らしさの描写はない。日本社会には特殊日本的精神論やヤンキー的な気合主義、自己責任論で貧困に陥った人々に頑張ることを強制する愚かな傾向があるが、反貧困のセーフティネットで支えることが大切であると感じた。 | ||||
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他の方のレビューを参考に、購入してみましたが、本当に面白いです! 1936年に書かれた本ですが、全然違和感なく読めます!! 最近の推理小説は子どもの虐待場面が出てくるものが結構あって(ミレニアムにも出てきますよね・・・)、読むのが辛かったのですが、 これはそういうことを気にせず読めました。もちろん続刊もすぐに購入しました、お勧めです!!! | ||||
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いいね!!と致しましたが別名義の方も宜しく御願い致します!! ★評価は5。東京創元社御中!! 勿論全冊文庫化希望!! | ||||
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