三つの秘文字
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シェットランドを舞台にした小説では、先にアン・クリーヴスを読んでいました。が、なかなか新作が翻訳されないので、他に何かシェットランドものはないかと検索していてこちらに当たりました。クリーヴスもボルトンも、イングランド出身でシェットランドを描いたという点では同じ、けれど内容はクリーヴスが刑事が事件を捜査する小説、そして人間ドラマであったのに対して、こちらは、猟奇、陰謀、サスペンス、そして女性小説と言えるかと思います。共通しているのは、シェットランドを排他的な所として描いていること、特に両者とも女性であるためか、シェットランドの男性と恋愛や結婚をして島に入り、とけ込めなくて苦労する女性を描いています。クリーヴスは現実に即した話ですが、この「三つの秘文字」はちょっと現実離れしています。 心臓を抜き取られ、背中にルーン文字を彫られた女性の遺体がトーラの自宅の庭から発見されます。ルーン文字というのは2世紀以降、ゲルマン人が使用していた文字で、かつてシェットランドを支配下に置いていた北欧諸国でも中世まで使われていました。北欧の小人伝説トロールが伝わったものと思われるトローの伝説がここでは長く伝えられていて、シェットランドの人々は今もそれを信じています。トローはこの作品によると「幽霊よりもわずかに実態があるというものだが人間によく似ている、不自然なほど長生きし、催眠術も含めた不思議な力を備えている。男の種族であり、子孫を残すために人間の女性をさらって変わりに身代わりを置いてくる、そして生まれてくる子供は男の子ばかり。母親は出産後9日目に死ぬ」そして、「シェットランド中にある小さな丘はトローの墓だと信じられている。トローは”芳しい暗い土”に埋められないと魂が彷徨って悪いものに変わってしまう。島の住民は土地が荒らされているのをみつけても、トローの墓を暴くことを恐れて捜査を拒むことがある」ということ。トーラは、庭に埋められていた女性の死体とこれらの伝説をつなぎ合わせて考え始めます・・・。 ユニークな作品で力作ですが、読んでいて漠然と何か不自然さがあり、処女作だからか、猟奇的でショッキングなカラーを出そうとして無理をしている部分があるように感じました。他のレビューアの方も言われているように、事件の真相とルーン文字を死体に彫る理由も必然性があまり感じられないような気がしますし、トーラが怪しい島に乗り込むシーンは、サスペンス映画風にしたところがあってちょっと・・・という感じです。 作中で大切な役割を担うトーラの相棒的な巡査部長タラクはスコットランド警察から飛ばされてきた若い女性ですが、名前からしてイスラム系ではないのか?と思いながら読み進んでいくと、後の方で「インド人」という表記があり、英国に多いパキスタン系英国人だと思います。英国の読者にとっては名前を聞くだけでわかる明白なことですが、日本人だとわからない人が多いと思うので、タラク巡査部長ががパキスタン移民家庭の出身だということを頭に入れて読むのと知っていないのでは、内容の受け止め方が違ってくると思いました。文章内にその説明がなくても、翻訳の時点で書き加えておいた方がよかったのではと思いました。 続く第二作は賞を受けているそうで、きっとさらによくなったのだと思います。そちらの方も読んでみたいです。また、あとがきに英国ミステリの古典であるコリンズ作「白衣の女」のネタばれが作中にあるので、できればあちらを読んでからこちらに取り掛かる方がいいと書いてありましたが、「白衣の女」を読む予定がある方は、その方がいいかもしれません。 | ||||
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何かのお祝いにあげました。 感想は聞いていないので、わかりません、 | ||||
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感想を、訪ねていませんでした。東京まで新幹線に乗る方に渡しました。 | ||||
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伝承関係は興味深かったけど・・・え?何それ?って結末でした。 秘文字って関係あるの?特にラスト。 寒々しさはあったけど・・・。 儀式が大事、とか言いながら「アイツ」の・・は生きてんじゃん!って思ったのは私だけ?!しかもアイツは非常に強力な力持ってんでしょ?あそこだけまったく辻褄が合わないよ!そこがなければ☆3はいったかな。 寒々しい風景描写をお望みな方はどうぞ。 | ||||
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<その死体に、わたしは見事に対処した。> 冒頭一行目から女医の主人公トーラ・ガスリーは事件に巻き込まれていく。 舞台は2014年9月に英国からの独立をこころみたスコットランドの北部に位置するシェトランド諸島である。 愛馬ジェーミーが死んだ。トーラは裏庭に愛馬を埋葬するため、ショベルカーで穴を掘っている途中で死体を掘り当ててしまう。 <おそらく、20代から30代の女性だ。> 検死の結果、この死体にはいくつもの謎があることが分かる。背中には三つのルーン文字が刻まれ、心臓がえぐりだされていた。さらに検死では2年前に死亡と推定されるが、身元が判明すると本人は3年前に死んでいたのだ。 トーラは一人事件を調べ始めるが、周囲で奇妙なことが起こり始め突然何者かに襲われる。 夫、義父、警察官、病院の上司、誰を信じていいのか。 女性巡査部長デーナ、女性警部ヘレンを巻き込み異様な展開となる。 一人称で語られる物語は、トーラの神経症による妄想ではないかと思えるほど混沌としてくる。 <みんな自分のまわりの人間のことを、ほとんど知らずに生きているのだ。> 緊張感が頂点に達した時物語は動く。 女医、妊婦、女性警察官、つまり虐げられてきた女性たちが見えない糸でつながりながら、各々立ち上がり強大な敵を追求し、追い込みついには勝利する物語なのだ。 デビュー作にして傑作である。 | ||||
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