毒の目覚め
- 遺言状 (35)
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最初にこの作者の1作目「三つの秘文字」を読み、作風がおもしろかったのでこの第2作目も読んでみようと手に取りました。1作目が英国の北端シェットランド諸島を舞台にしていたのに対し、こちらはイングランドの村での出来事から始まります。ちなみに作者はイングランド出身の女流ミステリ作家です。前作のテーマは土地の古い伝承をからめたものでしたが、今回はまず”蛇”です(後半は変わってきますが、そこはネタばれになるので)。最後の「謝辞」に記載された参考文献は蛇に関する本ばかりですが、かなり勉強してからこの小説を書かれたのだと思います。そして、その知識が作中で惜しみなく披露されているため、この本を読んだだけでも蛇の種類や生態についてそこそこ詳しくなれるほどです。中でも特に猛毒の蛇について。 ストーリーなどは他のレビューアさんが詳しく書いていらっしゃるので、ここではその他に自分が感じたことなど書いてみます。とにかく蛇が続々と登場するので、まず爬虫類が生理的にダメだという人にはこの作品は無理だと思います(^^;。家に満ちあふれた蛇、どこから出てくるかわからない猛毒の蛇タイパン、赤ん坊の上でとぐろを巻く蛇、ちろちろと舌を出してこちらをうかがっている蛇、鎌首を持ち上げて攻撃態勢にある蛇、集団になって川のように走る大量の蛇の群れ・・・などなど、蛇に関する描写に満ち満ちています。見とれるほど美しいという蛇も登場するのですが、頭の中でそれを思い浮かべるだけでも結構気持ち悪くて背筋がゾクソクしてきます。私自身はといえばどちらかと言えば嫌いだけれど、テレビや爬虫類館などでは怖いもの見たさについ見てしまう方で、そんな私でも、夢に出てきてうなされそうな気分になりました。(^^;。 また、前回のヒロインがコミュ二ケーション障害気味の産婦人科医だったのに対して、今回は人嫌いでできるだけつきあいを避けている獣医で、理由は違うと言えどかなり似たタイプというか・・・もしかしてこれは作者自身がこういう傾向がある人なのでしょうか。決して悪い意味ではなく、私小説つまり自分が経験したことしか書けない作家がいますが、この作者もそういうタイプなのかもしれません。主人公が、人と会いたくない、話したくない、目を見たくない、返事したくない、一刻も早く1人になりたい、と、そんな内省的なつぶやきがとても多くて、前作と同じだからというせいもありますが、正直、またかという感もありました。同じ作者なので似たような作風になるのはしょうがないのですが、もうちょっと何か変化をと思ってしまいました。 後半はキリスト教の現状についても勉強になりました。完成度は1作目より高く、テーマも、意表をつく後半もよかったと思います。3作目も翻訳されているので、そちらも読んでみたいと思います。 | ||||
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Awakeningというtitleでしたが、ついStar Warsの最新作、The Force Awakensみたいだ、と思って購入したら、 ドロドロの推理もの。 後の雨信仰について語られるのですが、キリスト教では宗派が色々と2000年の間に派生していて、毒蛇使いが教祖つうキリスト教の 宗派とはとても思えないとんでも信仰です。 よく日本人にはキリスト教を信仰している人口が少ないので、Halloweenを祝う?という習慣も行われるていて、 catholicであるというキリスト教徒から見ると、合衆国式のキリスト教に偏っているので、このグノーシス派の信仰については、え?と思う読者はいただろうなというのが感想。 Da Vinci Codeを読んでるヒトだったら、そっち系の話しか、と気付くかもしれない。 後の雨信仰の司祭?が遺産を目的にしてイギリスに渡って来たという顛末に終わったんですけど、 心にも体にも傷を持つheroinが事件の謎を解いて行くprocessの中で、こういう生い立ちのヒトがたまたまそういう事件に 直面させられることの違和感が少し感じられてしまいました。 まー、健康ないい大人の女性獣医じゃああんまり面白く無かったのかも。 ちょっと思ったのは、Seanという爬虫類研究者が、アメリカの爬虫類研究者が自分のネタを盗むという激白が面白かった。 うーん、アメリカ人てそういう面が確かにあります。合衆国の国内事情を外国に持ち込むっていうか、競争が激しい社会なので、 「やったもん勝ち」なんですよ。 まず、なぜね、Rosewell事件ひとつ取っても、どうしてUFOが都合よく合衆国の領土内に落ちるんですか? 100年前に落ちた巨大隕石ですが、これはRussiaに落ちてる有名な隕石衝突事件なんですけど、この隕石衝突を、 アメリカではものすごく悔しく思っていたんだそうです。合衆国の広大な領土内に落ちてくれれば良かったのに!って。 合衆国も広大な領土がありますが、Russiaも広大な領土があるんですよね。 で、どうもRosewell事件につながったらしいという話しすらあります。「こっちにはUFOが落ちたんだぜ!」って、子供か? 宇宙ってのはものすごく広大で、どうしてわざわざ合衆国を選んで隕石が落ちてやらなくちゃならないんですかねー。 ですので、ユカタン半島沖にどうも巨大隕石の衝突痕跡があるということがわかったとかいうニュースも、 自分の目で見たワケじゃないんで、あんまり信じていません。なぜか、このユカタン半島沖の隕石衝突について、合衆国では詳しい調査とか していないし。合衆国周辺である、こういうニュースっていうのは、話し半分にしといた方が良いみたいですね。 イギリス人に、あまりアメリカを快く思っていないヒトもいるんだなー、と思いました。 ある意味、Boltonというヒトの合衆国評? | ||||
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蛇が大量に発生した村で、対応に追われる人付き合いの苦手な女性獣医が、事件にまきこまれていく。著者ボルトンの作品はこれが初めてですが、読んでよかったです。蛇嫌いなのに。蛇の登場する印象的なシーンがいくつかあり、悪夢に出てきそうです。ですが、次も読みたいと思わせる迫力がありました。ちょっとだけのロマンス要素も好印象です。 | ||||
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イギリスの片田舎が舞台の牧歌的な展開と思いきや,さにあらず。謎が徐々に加速していく様は見事なページターナーで,未訳の作品も間違いなく紹介してもらえることを期待する。さらに蛇がキーポイントということだが,ここまでやってくれるというのも予想外。特に後半はD・カーのオカルト趣味どころか,日本の乱歩や横溝を彷彿とさせる土俗的なテイストや「血の狂気」もあって,それがグロテスク一歩手前の強烈な印象を残す。人間関係がやや複雑なのと,キーになる人物の事前提示がもう少し印象的ならよかったが,これは一気読みすれば解決だろう。 活動的なヒロインがとことん身体を張り,自らのトラウマと闘いながら「目覚め」ていくのも好印象だ(でも冒頭の思わせぶりな描写って…まさかこんな悩みがあったとはね。ちょっとやりすぎかと思うが,男女の読者で評価が分かれるかも)。 映画を意識したような視覚を喚起する場面も多々あり,サービス精神も旺盛。それが安っぽくなっていないのはストーリーテリングの力だが,さらに読みやすい翻訳も寄与している。同文庫のC・オコンネルも見習ってほしいものだ。 そうそう,例えば一昔前のオールスターキャストによるクリスティー映画のように,自らキャスティングしながら読むと面白いかも。適度にくせ者を配しつつ,自分ならヒロインはN・キッドマンで…だけど映画にすると,ヒロインの根本的なアレンジが必要なんだよなあ。あ,作中にホラー映画的なこけおどし演出がたまにあるのはご愛敬ってことで(笑)。はい,楽しませていただきました。 | ||||
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物語全体を覆う陰鬱なムード、個性的かつ魅力的な登場人物達、ところどころに散りばめられたユーモア、 二転三転する巧みなプロット、そしておぞましい真相・・・もう全てが秀逸です。 著者の本はデビュー作の「三つの秘文字」も読み、正直あまり好印象を抱かなかったのですが、 いやー、二作目で見事に化けましたね。 あまりの面白さに、寝る間も惜しんで上下巻、一気に読破してしまいました。 迷っている人がいたら是非読んでほしいです。 | ||||
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