大鴉の啼く冬
- シェットランド島四部作 (4)
- シェトランド諸島 (7)
- 失踪 (242)
- 警察小説 (526)
- CWA最優秀長篇賞受賞 (1)
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.00pt |
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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
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英国推理作家協会賞最優秀長編賞の受賞作で、「シェトランド四重奏」の第一弾。住民同士が全て知り合いという閉鎖社会に起きた少女殺害事件の謎解きと、背景となる人間関係の重苦しさを描いた重厚なミステリーである。 | ||||
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シェトランドが舞台ということ以外は面白みがありませんでした。 | ||||
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期待しないで読んだ方が上手く?いくって、やっぱりあるんですね。 | ||||
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白と灰色しか思い浮かばないようなイギリス本土から北にあるシェトランド諸島。人工2万人ほどで島中が顔見知りで、なんでもすぐ噂になり秘密を持てないような、そんな島で殺人事件が起こる。同じ島ではないものの、この諸島の出身であるペレス警部が捜査にあたるのだが、8年前に起こった少女の失踪事件と重ね合わせて1人の老人が疑われる。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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ペレスさんと登場人物のからみや、生活する街の様子や自然描写にバランスよくまとまりがある話の進み方をしているので読みやすかったです。もともと後の方から読み始めたため、順番をバラバラに読んでしまったためかもしれませんが。 | ||||
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閉鎖社会に蔓延する同調圧力、それに抗う人間の衝動は、恐怖となって社会に降りかかる。歪んだ国際社会が生み出す、抗う人間の衝動は、益々匿名化し、蔓延していくだろう・・。 | ||||
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もう8年ほど前になるが、私はヨハン・テオリンというスウェーデンのミステリー作家の〈エーランド島4部作〉を読んだ。 この作品を読んでいるときの私は本当に幸せな時間を過ごさせてもらった。 さながら中学生の時、アガサ・クリスティやエラリー・クイーンなどの海外ミステリーを読んでいた時に味わった醍醐味を思い出す時間だった。 さて、今回ふとしたことで知ることになったこのアン・クリーヴスというイギリスの作家の〈シェトランド四重奏〉と名付けられた4部作は、島の四季を描いた4部作であることや、洒落た邦題がつけられていることなどから、その時と同じような期待を抱かせずにはおかない。 この2つのシリーズは、エーランド島の方が書き出しは少し早いが、ほぼ同時期に書かれている。 本書の巻末の解説(川出正樹氏)に書かれているように、ミステリー作品にとって、人口が少ない島を舞台に据えるのは、閉ざされた社会(クローズドサークル)が設定しやすく謎解きと相性が良いという理由があるらしいので作家にとっても魅力があるのだろう。 本書は、4人の登場人物ががキーマンになって物語は進んでいく。 ミステリー的にも、非常に疑わしい人物を効果的に随所に配置して読者を翻弄し、刺激的な人間ドラマを盛り込んでエンタメ感も演出し、定石通り犯人は最初から登場させているし、しかも犯人の意外性もたっぷりという極めて王道のミステリーであったといえる。 ひとつだけ不満を言えば、動機の複雑さかな。 納得できたような、できなかったような。 真実を知った母親の気持ちはいかばかりか。 おそらく、この母親は何が娘にそんな罪を犯させたか理解することもできないだろう。 という訳で、結局、私はこのようなオールドファッションなミステリーが大好きなのだということが今回よくわかった。 | ||||
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なんでも日本のミステリ界では数年来「北欧ミステリ」と言うのが人気のジャンルのようですね。北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のことを言います。最近だとアイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。 私たちが北欧と聞くと、福祉が充実しているとか子供の教育では世界でも定評があるだとかを想像します。しかし実際のところは、高福祉の代償として現役世代へ非常に重い税負担が強いられていたり、移民問題が重くのしかかり移民への排斥が問題視されているといった負の側面も少なくありません。豊かな自然や高福祉などの明るい部分とともに、それら負の側面も併せ持っているところに北欧ミステリの人気の秘密があると言えそうです。 そんな北欧を舞台とした本作の舞台となるのは、アイルランドとノルウェーの中間地点くらいの海洋に位置する孤島です。孤島が舞台と言うと、クリスティの「そして誰もいなくなった」を始め有名な作品がたくさんありますが、本作がそれらと異なるのは、シェットランド諸島という実際に存在する場所を舞台にしているところです。この島にはシェトランド・シープドッグという犬がいるそうですが、私を始め日本人でなじみのある人はまずいないと思います。 大晦日の夜、長年の間家に閉じこもり、来ない訪問者を待つ孤独な追い出し者のマグナス・テイト老人を2人の女子高生が訪問するところから始まります。翌朝、2人の女子高生のうちの1人の遺体が近くで発見されることになりました。シェトランドでは数年前にもカトリオナという別の少女少女が疾走する事件が起きています。その過去の事件の容疑者でもあったマグナスは、当然今回の殺人でも皆から疑われることになります。噂やゴシップで非難されることとなったマグナス。状況証拠に基づいてマグナスを逮捕した島の警部のジミー・ペレスですが、彼は別の未知の殺人者を示す手がかりを見つけ、誰もが行きたがらないシェットランド諸島の過去に深く迫る捜査の迷路に入っていくというのがストーリーのあらすじです。プロットの中には様々な紆余曲折が盛り込まれており、最後まで犯人はなかなか本性を現しません。 「シェットランドでは、風がないときは衝撃的だった。人々は耳を絞め、何が欠けているのか疑問に思った」 「巨大なクルーズ船が港に滑り込み、建物の上にそびえ立って座っていることもあった。1時間の間、彼らの乗客は町を占拠した」 こういった風景の描写を見ると、シェットランドに行ってみたくなるものもありますが、本書のあとがきによると、シェットランド諸島にはクルーズ船でアイルランドから14時間もかかるそうで、まさに現代の絶海の孤島ですね。まぁ、日本でも北欧でも、隔絶された地域というのはたいてい住人同士の血縁・人間関係が濃く、お互い知り合い同士である場合が往々にしてあります。人口2万人くらいの隔絶された島が舞台となるシェトランド諸島も例外ではなく、ペレス警部は容疑者の洗い出しを始めるにもまずドロドロした人間関係を丹念に解きほぐすところから始めるところが本書の特筆すべきところといえそうです。そのせいか、最初の内はローカルな人間関係の事情の説明が主で、とにかくまともにストーリが動き出すのがかなり後の方になるため、読む人を選びそうな感じの一冊です。 | ||||
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堪能しました。四人の人物の視点から描かれた北の島の人々の描写が素晴らしい。人物によって表現の仕方、使用語彙が変わるところも凄いと思いました。 ミスリードされて、出てくる人出てくる人全て疑って、「誰が犯人でも平凡な結末では?」と思い始めたりしましたが、それでも驚きの結末は私が単純なのか、それとも作者が凄いのか。 ずっと犯人とされていた知恵遅れの老人が、もう既に亡くなって久しい母親の言いつけを愚直なまでに守ろうとする姿は切ないものがありました。 他の作品も読んでみたくなりました。 | ||||
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