大鴉の啼く冬



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初公開日(参考)2007年07月
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長編小説

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大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)

2007年07月01日 大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)

新年を迎えたシェトランド島。孤独な老人を夜に訪れた黒髪の少女は、四日後の朝、雪原で死んでいた。真っ赤なマフラーで首を絞められて。顔見知りばかりの小さな町で、誰が、なぜ彼女を殺したのか。ペレス警部の捜査で浮かびあがる、八年前の少女失踪事件との奇妙な共通項とは?現代英国本格派の旗手が緻密な伏線と大胆なトリックで読者に挑戦する、CWA最優秀長篇賞受賞作。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.00pt

大鴉の啼く冬の総合評価:8.15/10点レビュー 27件。Bランク


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全4件 1~4 1/1ページ
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

自然も人間関係も閉ざされた地の重い物語

英国推理作家協会賞最優秀長編賞の受賞作で、「シェトランド四重奏」の第一弾。住民同士が全て知り合いという閉鎖社会に起きた少女殺害事件の謎解きと、背景となる人間関係の重苦しさを描いた重厚なミステリーである。
イギリスの最北端、シェトランド島で16歳の女子高生が殺害された。通報を受けた地元警察の警部・ペレスが捜査を始めたのだが、住民の間ではすでに「犯人はマグナスだ」という噂が広がっていた。というのも8年前、11歳の少女がマグナスの家を訪ねてから行方不明になっていたからだった。だが、知的障害がある老人・マグナスの犯行説に違和感を持ったペレスは粘り強く地元の濃密過ぎる人間関係を解きほぐし、閉鎖社会ならではの悲劇を目にすることになった。
現在の事件と8年前の事件が絡まり合い、誰もが知り合いで、誰もが秘密を抱えている最果ての地で暮らす人々の複雑な関係と心理が描かれていく。そのストーリー展開は、殺人の謎解き以上にスリリングでミステリアス。さらに舞台となるシェトランド島の荒涼たる風土も相まって、物語全体は暗く重いヴェールに覆われており、決して簡単に読み進められる物語ではない。
犯人探しと同時に複雑な人間ドラマを楽しみたい方にオススメする。

iisan
927253Y1
No.3:
(5pt)

可もなく不可もなし

シェトランドが舞台ということ以外は面白みがありませんでした。

わたろう
0BCEGGR4
No.2:
(8pt)

はじめてのアンクリーヴスもの

期待しないで読んだ方が上手く?いくって、やっぱりあるんですね。
シェットランド島を舞台にした小説は前にも何冊か読んでいるので、地理的なことが頭に入ってきやすく、その点は読みやすかったですね。
登場人物も個性的で分かりやすく、一々「登場人物の欄」をチェックしなくても、すぐ分かるようになりました。

読みやすい!
分かりやすい!
これも、ミステリーを読む上では重要だと思います。
頭の中で整理されているから、舞台にものめり込めるし、描写がスッと入ってきます。

この本はミステリーを楽しむというよりも、そこで暮らしている人達の生き様?心情にどれだけ此方の気持ちが投入できるか・・・。
物語が進むように、感情も自然と一緒に動いてゆく・・・。
その点で成功した上質のミステリーだと思いますね。

ももか
3UKDKR1P
No.1:
(8pt)

大鴉の啼く冬の感想

白と灰色しか思い浮かばないようなイギリス本土から北にあるシェトランド諸島。人工2万人ほどで島中が顔見知りで、なんでもすぐ噂になり秘密を持てないような、そんな島で殺人事件が起こる。同じ島ではないものの、この諸島の出身であるペレス警部が捜査にあたるのだが、8年前に起こった少女の失踪事件と重ね合わせて1人の老人が疑われる。

狭く閉ざされた島での生き辛さのようなものがとても強く伝わってきます。一度偏見にさらされると孤立し孤独から抜け出せなくなり、しかも狭い島であるがゆえにそこから逃げ出す事もできないと言う、田舎ではありがちな話が4人の人間の視点で語られます。

真相がわかってしまえばそれほど複雑なものではないのですが、最後まで犯人は全くわかりませんでした。人々の鬱屈した思いなどが丁寧に描かれていてとても良かったです。
同じ島国である日本人の感覚とは共通するものがあるのではと感じました。

たこやき
VQDQXTP1
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未読の方はご注意ください

No.23:
(5pt)

一番好きかもしれません。

ペレスさんと登場人物のからみや、生活する街の様子や自然描写にバランスよくまとまりがある話の進み方をしているので読みやすかったです。もともと後の方から読み始めたため、順番をバラバラに読んでしまったためかもしれませんが。
大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)より
4488245056
No.22:
(5pt)

幼き衝動か・・

閉鎖社会に蔓延する同調圧力、それに抗う人間の衝動は、恐怖となって社会に降りかかる。歪んだ国際社会が生み出す、抗う人間の衝動は、益々匿名化し、蔓延していくだろう・・。
大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)より
4488245056
No.21:
(5pt)

やっぱり私はこういうオールドファッションのミステリーが好き!

もう8年ほど前になるが、私はヨハン・テオリンというスウェーデンのミステリー作家の〈エーランド島4部作〉を読んだ。
 この作品を読んでいるときの私は本当に幸せな時間を過ごさせてもらった。
 さながら中学生の時、アガサ・クリスティやエラリー・クイーンなどの海外ミステリーを読んでいた時に味わった醍醐味を思い出す時間だった。
 
 さて、今回ふとしたことで知ることになったこのアン・クリーヴスというイギリスの作家の〈シェトランド四重奏〉と名付けられた4部作は、島の四季を描いた4部作であることや、洒落た邦題がつけられていることなどから、その時と同じような期待を抱かせずにはおかない。
 この2つのシリーズは、エーランド島の方が書き出しは少し早いが、ほぼ同時期に書かれている。
 本書の巻末の解説(川出正樹氏)に書かれているように、ミステリー作品にとって、人口が少ない島を舞台に据えるのは、閉ざされた社会(クローズドサークル)が設定しやすく謎解きと相性が良いという理由があるらしいので作家にとっても魅力があるのだろう。

 本書は、4人の登場人物ががキーマンになって物語は進んでいく。
 ミステリー的にも、非常に疑わしい人物を効果的に随所に配置して読者を翻弄し、刺激的な人間ドラマを盛り込んでエンタメ感も演出し、定石通り犯人は最初から登場させているし、しかも犯人の意外性もたっぷりという極めて王道のミステリーであったといえる。
 ひとつだけ不満を言えば、動機の複雑さかな。
 納得できたような、できなかったような。
 真実を知った母親の気持ちはいかばかりか。
 おそらく、この母親は何が娘にそんな罪を犯させたか理解することもできないだろう。

 という訳で、結局、私はこのようなオールドファッションなミステリーが大好きなのだということが今回よくわかった。
大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)より
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No.20:
(4pt)

捜査に入る前の人間関係の洗い出しでストーリーが動くのが遅いのを我慢すれば

なんでも日本のミステリ界では数年来「北欧ミステリ」と言うのが人気のジャンルのようですね。北欧ミステリとは、スウェーデン、フィンランド、ノルウェー、デンマーク、アイスランドの主に5か国が舞台となるミステリー作品のことを言います。最近だとアイスランドを舞台にした「湿地」が有名になりましたね。

私たちが北欧と聞くと、福祉が充実しているとか子供の教育では世界でも定評があるだとかを想像します。しかし実際のところは、高福祉の代償として現役世代へ非常に重い税負担が強いられていたり、移民問題が重くのしかかり移民への排斥が問題視されているといった負の側面も少なくありません。豊かな自然や高福祉などの明るい部分とともに、それら負の側面も併せ持っているところに北欧ミステリの人気の秘密があると言えそうです。

そんな北欧を舞台とした本作の舞台となるのは、アイルランドとノルウェーの中間地点くらいの海洋に位置する孤島です。孤島が舞台と言うと、クリスティの「そして誰もいなくなった」を始め有名な作品がたくさんありますが、本作がそれらと異なるのは、シェットランド諸島という実際に存在する場所を舞台にしているところです。この島にはシェトランド・シープドッグという犬がいるそうですが、私を始め日本人でなじみのある人はまずいないと思います。

大晦日の夜、長年の間家に閉じこもり、来ない訪問者を待つ孤独な追い出し者のマグナス・テイト老人を2人の女子高生が訪問するところから始まります。翌朝、2人の女子高生のうちの1人の遺体が近くで発見されることになりました。シェトランドでは数年前にもカトリオナという別の少女少女が疾走する事件が起きています。その過去の事件の容疑者でもあったマグナスは、当然今回の殺人でも皆から疑われることになります。噂やゴシップで非難されることとなったマグナス。状況証拠に基づいてマグナスを逮捕した島の警部のジミー・ペレスですが、彼は別の未知の殺人者を示す手がかりを見つけ、誰もが行きたがらないシェットランド諸島の過去に深く迫る捜査の迷路に入っていくというのがストーリーのあらすじです。プロットの中には様々な紆余曲折が盛り込まれており、最後まで犯人はなかなか本性を現しません。

「シェットランドでは、風がないときは衝撃的だった。人々は耳を絞め、何が欠けているのか疑問に思った」
「巨大なクルーズ船が港に滑り込み、建物の上にそびえ立って座っていることもあった。1時間の間、彼らの乗客は町を占拠した」
こういった風景の描写を見ると、シェットランドに行ってみたくなるものもありますが、本書のあとがきによると、シェットランド諸島にはクルーズ船でアイルランドから14時間もかかるそうで、まさに現代の絶海の孤島ですね。まぁ、日本でも北欧でも、隔絶された地域というのはたいてい住人同士の血縁・人間関係が濃く、お互い知り合い同士である場合が往々にしてあります。人口2万人くらいの隔絶された島が舞台となるシェトランド諸島も例外ではなく、ペレス警部は容疑者の洗い出しを始めるにもまずドロドロした人間関係を丹念に解きほぐすところから始めるところが本書の特筆すべきところといえそうです。そのせいか、最初の内はローカルな人間関係の事情の説明が主で、とにかくまともにストーリが動き出すのがかなり後の方になるため、読む人を選びそうな感じの一冊です。
大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)より
4488245056
No.19:
(5pt)

北の果ての大地に生きる人々のリアルな人物描写

堪能しました。四人の人物の視点から描かれた北の島の人々の描写が素晴らしい。人物によって表現の仕方、使用語彙が変わるところも凄いと思いました。

ミスリードされて、出てくる人出てくる人全て疑って、「誰が犯人でも平凡な結末では?」と思い始めたりしましたが、それでも驚きの結末は私が単純なのか、それとも作者が凄いのか。

ずっと犯人とされていた知恵遅れの老人が、もう既に亡くなって久しい母親の言いつけを愚直なまでに守ろうとする姿は切ないものがありました。

他の作品も読んでみたくなりました。
大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:大鴉の啼く冬 (創元推理文庫)より
4488245056



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