白い雌ライオン



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初公開日(参考)2004年08月
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長編小説

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白い雌ライオン (創元推理文庫)

2004年08月31日 白い雌ライオン (創元推理文庫)

スウェーデンの田舎町で、不動産業者の女性が消えた。失踪か、事件か、事故か?ヴァランダー警部らは彼女の足取りを追い、最後に向かった売家へ急いだ。ところが近くで謎の空き家が爆発炎上、焼け跡から黒人の指と南アフリカ製の銃、ロシア製の通信装置が発見される。二つの事件の関連は?スウェーデンとロシア、南アフリカを結ぶ糸は?CWAゴルードダガー受賞シリーズ。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点8.50pt

白い雌ライオンの総合評価:8.76/10点レビュー 17件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(8pt)

さすがに、南アまでは行かなかったが・・・

前作では、ラトビアでスパイアクションを繰り広げたヴァランダー警部。今回の物語の舞台のひとつが南アとあって、またまた国外での活動が中心になるのかと思ったが、さすがに南アは遠すぎたようで、スウェーデン国内にとどまっての大活躍を見せてくれる。
物語は、地元イースタでの女性殺害事件の捜査と、南アのテロをめぐる謀略の二重構造で進められる。2つの作品になってもおかしくない内容で、文庫700ページの大作なので、正直、前半は読み続けるのが辛いところもあったが、二つの話のつながりがはっきりして役者が出そろった後半からは物語世界にぐんぐん引き込まれていった。
女性殺害事件の方は、いつものメンバーのキャラクターの作りこみがさらに深まったこと、悪役のキャラが際立っていること、アクションが派手になったことなどが合わさって、非常に出来の良い警察小説に仕上がっている。
また、南アのテロの方は、暗殺者小説の王道を行く構成で、これまたなかなかの傑作と言える。「解説」では、マンケルが影響を受けた作家としてジョン・ル・カレの名があがっているが、なるほどと思わせた。
作者・マンケルとしては南アの人種差別の問題を書きたかったのだろうが、一読者としては警察小説の出来のよさに満足した。

iisan
927253Y1
No.1:
(9pt)

白い雌ライオンの感想

久しぶりのクルト・ヴァランダーです。
テーマは南アフリカのアパルトヘイトで、なかなかに重い作品です。しかしそこはダメダメ親父の主人公のおかげで、堅苦しい話になってないところがいいですね。でもちょっと悩みすぎ感がありますが。
スウェーデンと言う国の背景がよくわかると同時に、歴史の勉強にもなりますね。
物語はそこに元KGBがからんできたりして国際色豊かですが、それにしても欧米の民族間の紛争とか差別とかは想像を絶するものがあります。
ヴァランダーは自分の気持ちや勘を優先して一人で突っ走るのですが、中年親父の哀愁が漂いすぎて、ちょっとくどい気がします。
ですが、作品としてはやっぱりすばらしいです。

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たこやき
VQDQXTP1
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No.15:
(4pt)

遠い国の政治的な陰謀がスウェーデンの犯罪と結びつく。

刑事ヴァランダー・シリーズ3作目。黒人への権力移行期の南アフリカ共和国を舞台に、ネルソン=マンデラを暗殺し、一気に騒擾を起こそうとする企みと、暗殺のためのメンバーが「訓練中」のスウェーデンで起こすいくつかの(あるものは偶発的な)事件を交互に描き出す。それも、入れ替わり立ち替わり視点が変わる複雑な構成。
 登場人物の中では、アフリカの大地に根ざした感じの殺し屋ヴィクトール=マバシャのキャラクター設定が(殺し屋なのに)魅力的。2作目でも思ったけれどヴァランダーってあんまり法律を守らないな。
 マンデラの功績や人間的な魅力を語る人は多いけれど、白人から黒人への権力の移行という、一歩間違えればクーデタや内戦にまで結びつきかねなかった偉業をマンデラと共に成し遂げたデクラークも偉大な政治家だったのだなといまにして思う。
白い雌ライオン (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:白い雌ライオン (創元推理文庫)より
4488209041
No.14:
(5pt)

イースタの007,マンデラを救う!!

リガの後に、南アフリカ新世界に飛び込むとは、何と無謀な男なのだろうか?刑事小説の枠を大胆に飛び越えた凄い長編であった。マンデラが描いた人間革命は、21世紀においても実現どころか、大混乱をきたしている。
白い雌ライオン (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:白い雌ライオン (創元推理文庫)より
4488209041
No.13:
(5pt)

受動的な黙認という荷担

前作、『リガの犬たち』でヴァランダーがラトビアで活躍したため、今回は南アかと思いきや、スウェーデンで起こる事件と南アで進む陰謀は相互に関りをもっているが、互いに独立して別の視点で進む。
その関りがいつどう絡み合うのかも見どころだが、一つ一つの細かなエピソードが魅力的だ。
冒頭の何の関係もなさそうな殺人から、南アの政治的権謀術数、ボーア人とアフリカ、KGB、黒人の暗殺者たち、ヴァランダーシリーズの読みごたえともいえる家族のエピソード、主人公の冴えない愛しむべき必死さや周囲の人間たちのそれぞれの思考や思惑が重層的に語られて、立場によって、人種や環境、人間によって変わるものの見え方や生き方を考えさせられる。

南アの歴史、人種差別政策とそれにより作られたアフリカの人々の在り方が本書のひとつの軸である。
「恥辱感」という言葉が印象に残った。
人種差別的な人間ではないものの、受動的に人種差別政治の継続を目指す体制に協力してきた、自身も荷担してきた、そしてこの黙認こそが、そのような人間がこれからも受動的であることを、暗黙の感謝を捧げていることを計算に入れて、人種差別を絶対的に肯定し、人を殺し血の雨を降らすような計画が進められているのだという、登場人物の恥辱感である。

この、自らが最悪の不利益を被らねばよいという受動的な黙認は、社会のあらゆるところに存在し、人間としての尊厳を奪われる存在をつくりあげ、場合によっては魂や命を奪う大きな力のひとつになる。奪われた側は奪い返そうとし、負の連鎖は続く。争いの裏には能動的には関わらない多数の黙認が存在する。そして黙認は優勢なほうへ常に傾くのだ。

この「黙認」に対し本書ではいくつかの受動的な荷担からの個人的な抵抗が描かれている。

人の尊厳を踏みにじる行為、不当な殺人への怒り、弱いものへの迫害の拒否、囲われた身からの諜報活動。生命や生活を犠牲にしてもせずにいられない行動

これらはいずれも思想の為の戦いではない。
人として荷担できない、それをすれば命が危ういとわかっていても、しなければ己が人として壊れてしまうという感情からなされるものだ。
そうしないと人として生きていくことができなくなる。
良心と呼ぶにはもっと能動的な、魂の根源的な動き。
そして、そんな感情などなく残酷になれる人間たちもいるのだという冷徹な表現は、お前はどうなのかと問いかけてくるようでもある。

服従することに耐えてきた人間はそれが一つの生き方になってしまう、あきらめが心に忍び入れば意識がなくなりゆっくりと死んで降伏が完全なものになる、と繰り返し、「あきらめ、無力感を植え付け受動的に黙認させようとする力」に言及しながら、人間はそのようにしては本当には生きられないのだ、そして他者の尊厳を無視し支配して生きようとすればその人間の中には最後は何もないのだということをひとりひとりの行動と生きざまの中から訴えてくる作者の強いメッセージが感じられる。

長い作品だがボリュームにふさわしい力の入った一作で、ヴァランダーシリーズの中でもベストに入るものだと思います。
白い雌ライオン (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:白い雌ライオン (創元推理文庫)より
4488209041
No.12:
(4pt)

商品受領

4日に届きました。
商品も良好でした。
ありがとうございました。
白い雌ライオン (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:白い雌ライオン (創元推理文庫)より
4488209041
No.11:
(5pt)

スケールの大きいスウェーデンの警察小説の傑作

スウェーデンの田舎町で、不動産業の女性が殺され・・・というお話。

今回も単なる殺人事件かと思ったら、国家を跨ぐ謀略が発覚し・・・というスケールの大きい警察小説でした。

あんまり深く書くとネタバレになるので書けませんが、南アとロシアとスウェーデンの思惑が交錯する国際謀略小説風の作品でした。

南アとロシアですが、ソ連の時代に金本位制で裏取引があったそうで、そういう時代の過去で繋がっていたのが、これが書かれた90年代にも波及していたのかなぁとか思いました。

色々な警察小説の所で書いている気がしますが、最近のこのジャンルは毎回巨大な謀略にいきつかないといけないみたいで、大変そうだなとかとも思います。本作もページ数も700ページを超える大作になっております。

著者の方はもう亡くなったそうで、心よりお悔やみを申し上げます。ありがとうございます。今後の作品も楽しみます。

スケールの大きい警察小説の傑作。是非ご一読を。
白い雌ライオン (創元推理文庫)Amazon書評・レビュー:白い雌ライオン (創元推理文庫)より
4488209041



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