特捜部Q アサドの祈り



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初公開日(参考)2020年07月
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長編小説

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特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

2022年07月06日 特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

キプロスの浜辺に、難民とおぼしき老女の遺体が打ち上げられた。新聞で「犠牲者2117」として紹介された彼女の写真を見たアサドは慟哭し、ついに自らの凄絶な過去を特捜部Qのメンバーに打ち明ける。彼女は、彼が生き別れた最愛の家族とつながりを持つ人物だった。一方、Qには謎の男から殺人予告の電話がかかってきた。Qの面々は男が凶行にいたる前にその所在をつきとめられるのか? 北欧警察小説の最高傑作シリーズ!(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点6.50pt

特捜部Q アサドの祈りの総合評価:8.81/10点レビュー 36件。Bランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(6pt)

ワクワクしながら読んでいた頃が懐かしい

アサドの物語です。
私は特捜部の登場人物の中でアサドが一番好きです。
タイトルからして「アサドの祈り」ちょっと不安ながらも読み出しましたが・・・

うーん、私的にはイマイチでした。
難しい政治の話は分かりません。それにこういうミステリーではなく、昔のようにただ犯人を捜す・・・方が好みです。
これから先特捜部Qはどうなっていくのでしょうね。

ももか
3UKDKR1P
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

舞台を大きくした分、個人が埋没した印象

北欧を代表する警察小説シリーズ「特捜部Q」の第8作。主要登場人物ながら、これまで謎に包まれていたアサドの過去が明らかになる、中東テロの歴史を背景にしたアクション・サスペンスである。
キプロスの海岸に打ち上げられたシリア難民の女性の報道写真を目にして、アサドは激しく動揺する。それは、アサドが絶対に忘れられない過去の出来事に深く関わっている女性だったのだ。その写真に隠された意図を察知したアサドは、これまでひた隠しにして来た人生の秘密を特捜部Qのメンバーに打ち明け、忌まわしい過去の因縁を清算するために宿敵であるテロ組織のリーダー・ガーリブと対決することを決意する。同じ頃、特捜部は若い男から無差別殺人の予告を受けて捜査を進めていたのだが、リーダーのカールはアサドに同行することを優先し、事件の捜査を若いローセとゴードンに任せることにした。二つの難問に直面し、戦力の分散を余儀なくされた特捜部Qは、その存在意義を証明できるのだろうか?
フセイン政権崩壊時の混乱に遡るアサドの壮絶な過去が明かされるのが、本作の一番の読みどころ。これまでもただ者ではないところを見せて来たアサドだったが、その素性が判明すると、なるほどと納得させられる。中東とヨーロッパの歴史の狭間で翻弄される社会的被害者としてのアサドが選択せざるを得なかった個人として、家庭人としての悲劇は限りなく深い。さらにそれは、殺人予告をしてきた男の生きづらさと絶望にもつながっているのだった。ただ、国際テロを相手にする戦いで、舞台背景がヨーロッパ全土や中東の現代史まで広がったため、特捜部Qのメンバーの存在感がやや薄れてしまったのが玉にきずである。
シリーズ読者にとってはアサドの背景を知るために必読。ポリティカル・サスペンスのファンにもオススメできる。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.34:
(5pt)

敵はイスラムテロ組織、舞台はドイツへ

タイトル通り、今回はアサドの過去にフューチャーした物語です。
 
アサドがカールの相棒として特捜部Qに送り込まれる前に、彼の身に起きていたことが明らかになります。
スペインの海岸に流れ着いた難民の写真から舞台はドイツに移り、カール・アサドのコンビ+ドイツ警察 vs アサドの宿敵ザイード率いるイスラム原理テロ組織の構図へと発展していきます。
またデンマーク本土では、ローセとゴードンが"サムライ"を名乗り大量殺人を予告する人物との緊迫したやり取りが描かれます。
本シリーズは警察サイドと犯人サイド、関係者サイドで代わる代わる、小気味よく展開するストーリーが特徴ですが、カール・アサド・ローセ(+ゴードン)の漫才風でユーモラスなやりとりも、後半ではシリアス一本となります。
 
終盤の銃撃戦は激しい戦闘がイメージできるぐらいに読み応えがあり、最後はカールがキチっと決着を付けてくれるのが、このシリーズならではだと思います(市民がテロ組織の犠牲になるためハッピーエンドとは言い切れませんが・・・)
特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151794654
No.33:
(5pt)

善と悪の間に横たわるもの・・

アサドは、宿敵が計画するテロを追うが、それは生きていた家族が生贄にされる残忍な計画であった・・。
カールは、アサドの問題、モーナの問題、ローセ&ゴードンが抱える問題に引き摺られ、動き回るが、やはり何時もの様に傷だらけ。ラストは、アサドのラクダの話で締めて欲しかった・・?です。
特捜部Q―アサドの祈り― 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:特捜部Q―アサドの祈り― 下 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151794662
No.32:
(5pt)

何・・アサド&ローセが「おせっくす」、カール&モーナに「赤ん坊」・・

と、タイトルで煽るほど、Qチームに最も戦慄的な物語が用意されていました。何処からこのアイディアが舞い落ちてくるのか・・凄いとしか言い様がありません。チーム内のジョークも今回だけは、静かに笑うだけでした。今は、下巻のラストを読みたい誘惑と戦っております。
特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
4151794654
No.31:
(5pt)

過去のシリーズ中、最高のおもしろさ

ローセが20kg太って復活し、アサドの過去がいよいよ明らかになる。ドイツを舞台に進むメインのドラマと並行して、日本刀で無差別殺人を試みるオタクのドラマも進行し、ラストはなんとなく予感できるものの、まったく目を離せない。本国以外で読者が多いドイツと日本へのサービスを意識した作品。土日で満喫したが、過去作を全部読んでいないと、おもしろさは半分も味わえないだろう。
特捜部Q―アサドの祈り― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)Amazon書評・レビュー:特捜部Q―アサドの祈り― (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)より
4150019576
No.30:
(5pt)

テロと隣り合わせの日常を生きるヨーロッパ

デンマーク、コペンハーゲン警察の地下にある難事件解決専門の特捜部Qだが、今回は舞台をヨーロッパ全土、特にドイツにカールとアサドが出向いて事件解決にあたる。
物語の幕開けはキプロスに地中海を船で逃亡してきた難民の溺死事件から始まり、今回は多数の水死者や餓死者で問題となったシリアや北アフリカからの難民問題がテーマかと思われたが、やがて難民を偽装したイスラム過激派のテロが大きなテーマとなっていることが明らかになる。しかも、テロの首謀者とアサドの過去の因縁が物語の太い縦糸となってストーリーが展開していくのである。
これと並行して、コペンハーゲンでも難民の死亡ニュースに触発された引きこもり男のテロ計画事件が特捜部Qに持ち込まれ、カールとアサドのいない留守部隊を翻弄するが、大小異なるタイプのテロを対比して進行させる展開が小説的工夫を感じさせる。

近年、欧州諸国ではイスラム過激派等のテロが頻発しており、海外旅行で訪れても空港や繁華街の警備が厳重になっていることを肌で感じる。有名な事件を挙げると、
 2015年11月 パリでレストラン、劇場、競技場での同時多発テロで、死者130人、負傷者約350人
 2016年3月 ブリュッセルの空港ロビーと地下鉄駅で爆弾テロ。死者28人、負傷約340人
 2016年7月 ニースでトラックが花火見物の群衆に突入し、死者84人、負傷者202人
 2016年12月 ベルリンのクリスマスマーケットに大型トラックが突入し、死者12人、負傷者48人
 2017年5月 マンチェスターでコンサートツアーを狙った爆弾テロが発生し、22名が死亡
 2017年8月 バルセロナの目抜き通りで暴走車が群衆に突入し、死者14名、負傷者100名以上
このように、欧州諸国はテロと隣り合わせの日常を生きているといっても過言ではない。
本書で登場するテロリストはイスラム原理主義とはいっても、首謀者は個人的な復讐心で仲間を巻き込み、無辜の市民を大量殺戮することを厭わないモンスターとして描かれているが、これが著者のテロリスト像であり、テロ批判のメッセージなのだろう。
2001年にアメリカで起きた同時多発テロ事件のときは、第三世界の貧困やパレスチナの空爆による大量殺戮に対する超大国アメリカへの抗議行動として理解を示す人もいたが、あのときも被害者の大部分は無辜の市民であり、擁護することも理解することも絶対にできない非人道的大量殺戮事件だった。
こうしたテロ事件の増加に加え、近年の移民問題への不寛容な世論の高まりにより、自由、民主主義、国境を越えた人と経済の交流というEUの理念は大きな挑戦を受けている。その切迫感を感じる1冊である。
(2020年7月17日の単行本レビューを再掲する)
特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Amazon書評・レビュー:特捜部Q―アサドの祈り― 上 (ハヤカワ・ミステリ文庫)より
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