特捜部Q アサドの祈り
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アサドの物語です。 | ||||
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北欧を代表する警察小説シリーズ「特捜部Q」の第8作。主要登場人物ながら、これまで謎に包まれていたアサドの過去が明らかになる、中東テロの歴史を背景にしたアクション・サスペンスである。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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タイトル通り、今回はアサドの過去にフューチャーした物語です。 アサドがカールの相棒として特捜部Qに送り込まれる前に、彼の身に起きていたことが明らかになります。 スペインの海岸に流れ着いた難民の写真から舞台はドイツに移り、カール・アサドのコンビ+ドイツ警察 vs アサドの宿敵ザイード率いるイスラム原理テロ組織の構図へと発展していきます。 またデンマーク本土では、ローセとゴードンが"サムライ"を名乗り大量殺人を予告する人物との緊迫したやり取りが描かれます。 本シリーズは警察サイドと犯人サイド、関係者サイドで代わる代わる、小気味よく展開するストーリーが特徴ですが、カール・アサド・ローセ(+ゴードン)の漫才風でユーモラスなやりとりも、後半ではシリアス一本となります。 終盤の銃撃戦は激しい戦闘がイメージできるぐらいに読み応えがあり、最後はカールがキチっと決着を付けてくれるのが、このシリーズならではだと思います(市民がテロ組織の犠牲になるためハッピーエンドとは言い切れませんが・・・) | ||||
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アサドは、宿敵が計画するテロを追うが、それは生きていた家族が生贄にされる残忍な計画であった・・。 カールは、アサドの問題、モーナの問題、ローセ&ゴードンが抱える問題に引き摺られ、動き回るが、やはり何時もの様に傷だらけ。ラストは、アサドのラクダの話で締めて欲しかった・・?です。 | ||||
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と、タイトルで煽るほど、Qチームに最も戦慄的な物語が用意されていました。何処からこのアイディアが舞い落ちてくるのか・・凄いとしか言い様がありません。チーム内のジョークも今回だけは、静かに笑うだけでした。今は、下巻のラストを読みたい誘惑と戦っております。 | ||||
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ローセが20kg太って復活し、アサドの過去がいよいよ明らかになる。ドイツを舞台に進むメインのドラマと並行して、日本刀で無差別殺人を試みるオタクのドラマも進行し、ラストはなんとなく予感できるものの、まったく目を離せない。本国以外で読者が多いドイツと日本へのサービスを意識した作品。土日で満喫したが、過去作を全部読んでいないと、おもしろさは半分も味わえないだろう。 | ||||
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デンマーク、コペンハーゲン警察の地下にある難事件解決専門の特捜部Qだが、今回は舞台をヨーロッパ全土、特にドイツにカールとアサドが出向いて事件解決にあたる。 物語の幕開けはキプロスに地中海を船で逃亡してきた難民の溺死事件から始まり、今回は多数の水死者や餓死者で問題となったシリアや北アフリカからの難民問題がテーマかと思われたが、やがて難民を偽装したイスラム過激派のテロが大きなテーマとなっていることが明らかになる。しかも、テロの首謀者とアサドの過去の因縁が物語の太い縦糸となってストーリーが展開していくのである。 これと並行して、コペンハーゲンでも難民の死亡ニュースに触発された引きこもり男のテロ計画事件が特捜部Qに持ち込まれ、カールとアサドのいない留守部隊を翻弄するが、大小異なるタイプのテロを対比して進行させる展開が小説的工夫を感じさせる。 近年、欧州諸国ではイスラム過激派等のテロが頻発しており、海外旅行で訪れても空港や繁華街の警備が厳重になっていることを肌で感じる。有名な事件を挙げると、 2015年11月 パリでレストラン、劇場、競技場での同時多発テロで、死者130人、負傷者約350人 2016年3月 ブリュッセルの空港ロビーと地下鉄駅で爆弾テロ。死者28人、負傷約340人 2016年7月 ニースでトラックが花火見物の群衆に突入し、死者84人、負傷者202人 2016年12月 ベルリンのクリスマスマーケットに大型トラックが突入し、死者12人、負傷者48人 2017年5月 マンチェスターでコンサートツアーを狙った爆弾テロが発生し、22名が死亡 2017年8月 バルセロナの目抜き通りで暴走車が群衆に突入し、死者14名、負傷者100名以上 このように、欧州諸国はテロと隣り合わせの日常を生きているといっても過言ではない。 本書で登場するテロリストはイスラム原理主義とはいっても、首謀者は個人的な復讐心で仲間を巻き込み、無辜の市民を大量殺戮することを厭わないモンスターとして描かれているが、これが著者のテロリスト像であり、テロ批判のメッセージなのだろう。 2001年にアメリカで起きた同時多発テロ事件のときは、第三世界の貧困やパレスチナの空爆による大量殺戮に対する超大国アメリカへの抗議行動として理解を示す人もいたが、あのときも被害者の大部分は無辜の市民であり、擁護することも理解することも絶対にできない非人道的大量殺戮事件だった。 こうしたテロ事件の増加に加え、近年の移民問題への不寛容な世論の高まりにより、自由、民主主義、国境を越えた人と経済の交流というEUの理念は大きな挑戦を受けている。その切迫感を感じる1冊である。 (2020年7月17日の単行本レビューを再掲する) | ||||
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