頰に哀しみを刻め



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初公開日(参考)2023年02月
分類

長編小説

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頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)

2023年02月16日 頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)

殺人罪で服役した黒人のアイク。出所後庭師として地道に働き、小さな会社を経営する彼は、ある日警察から息子が殺害されたと告げられる。白人の夫とともに顔を撃ち抜かれたのだ。一向に捜査が進まぬなか、息子たちの墓が差別主義者によって破壊され、アイクは息子の夫の父親で酒浸りのバディ・リーと犯人捜しに乗り出す。息子を拒絶してきた父親2人が真相に近づくにつれ、血と暴力が増してゆき――。解説:宇田川拓也(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

頰に哀しみを刻めの総合評価:8.24/10点レビュー 34件。Aランク


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サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です

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全2件 1~2 1/1ページ
No.2:
(9pt)

頰に哀しみを刻めの感想

著者初読み。著者の作品は4冊積んでますが、このミス2024年版で1位だった本作をまず読んで見ました。これぞ正に犯罪小説、とことん暴力と殺戮で復讐を果たす物語でした。まあハリウッドアクションも日本の時代劇も、ザコ敵は殺されるために大勢配置される訳ですから、特に残虐とも思いませんでしたが。差別の国アメリカなので、人種差別、LGBTQ、格差社会と、その辺りの描写は読んでいて辛かったです。二人のオヤジはじじいと呼ばれてますが、恐らく私と同世代の50代後半ではないか?、と想像しながら応援してました。面白かったです。

なおひろ
R1UV05YV
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

前作以上に面白いこと、間違いなし!

デビュー第2作「黒き荒野の果て」でアメリカのハードボイルド、ミステリーの各賞を獲得し、本国はもちろん日本でも絶賛された注目の新進作家・コスビーの第3作。なんと2年連続で3冠受賞という快挙も納得できる、さらにパワーアップした超傑作ハードボイルド・ノワールである。
ギャングの一味として殺人を犯し服役したアイクは15年前に出所後、犯罪社会と決別し小さな造園会社を経営して地道に暮らしていたのだが、ある日、息子が殺害されたことを知らされる。一人息子だったアイザイアが、同性婚相手の白人青年・デレクと一緒にワインバーから出てきたところを銃撃されたという。同性愛の息子を理解できず、ギクシャクした関係になっていたアイクは警察の捜査が進まないことにイライラしながらも、自分から行動することはなく、悶々とした日々を送っていたのだが、2ヶ月後、デレクの父親・バディ・リーから息子たちの墓が破壊され、侮辱的な落書きがされたことを知らされた。同性愛を許すことはできなくても、心の底では愛していた息子のために、アイクは必要ならば犯人を殺害する覚悟でバディ・リーと二人で犯人を探すことを決意した。
共に犯罪者だった二人のジジイが自分たちが信じる正義のために巨大な暴力に暴力で対抗するという、古くからのアメリカン・ヒーローものの流れだが、性的少数者差別、人種差別を真正面から絡めたことで、まさに21世紀のハードボイルド・ノワールになっている。誰が正義か、何が正義かを問う骨太のハードボイルドに、親子や家族の複雑で繊細なドラマ、さらに謎解きの面白さ、容赦ないアクションの華々しさも加わり、いろんな側面から楽しめる超一級エンターテイメント作品と言える。
前作が気に入った方はもちろん、すべてのハードボイルド、現代ノワール小説のファンに自信を持って「必読」とオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.32:
(5pt)

新世代のOld Dominion小説

舞台はヴァージニア州、通称Old Dominion。建国13州であり、ワシントン出生の地。そして南北戦争の敗者。当初から黒人の多いアメリカの歴史的土地だ。
物語は当然「人種問題」を核に「LGBT問題」と合わさって展開する。冒頭読者は登場人物とその関係に混乱することだろう。
主人公は「白黒コンビ」。二人ともに前科もちの務所帰り。白の方はとにかく一言多い上にスーパー「口が悪い」。ドラマ化はもとより映画化も難しいだろう。しかし、それこそが本書の小説ならではの醍醐味だ。
描かれている当地の風俗は、ごく近年のものなので、リアリティーを感じる。
新世代のOld Dominion小説だ。
ぜひ一読あれ
頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)Amazon書評・レビュー:頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)より
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No.31:
(5pt)

まさにアメリカ小説

日本人には少し違和感のある舞台と設定。このミス1位だけあって面白いことは面白いが。
頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)Amazon書評・レビュー:頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)より
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No.30:
(2pt)

ちょっとどうかなぁ

正義も悪も理性もない、残虐性・殺戮の肯定、根深い人種差別、LGBTQへの偏見、偽善、身勝手な愛と盛りだくさん。
頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)Amazon書評・レビュー:頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)より
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No.29:
(5pt)

複雑さを複雑なまま、単純に愛すること

(まず、性的少数者の方は安心してほしい。これはただのヘイトクライムではない。この作者があなたの名誉を軽んじることはない。)
いや〜すごい、暴力をヒロイックにしていないまま、こんなにも暴力を振るう人物らを魅力的に描けるのか。暴力から身を守るために暴力をふるう、これを強さだとか守る力だとか言う。しかし、暴力は暴力なのだ。使い手を蝕む毒であり、使い手の周囲を滅茶苦茶にする。そこを直視した上で、それでも駆け抜けるしかなかった地獄が描かれる。犯人への憎しみ、何より、過去の自分への憎しみが迸っている。極上の犯罪小説という評価は正しい。
そして、"省略形の文字列で身を守る"人たちにこそ、読んで欲しい。理解されることなど諦めているのだが、家族にはそうも言っていられないのが辛いところだ。家族を切り捨てるか、自分を切り捨てるか。しばしば私たちは決して望んだわけではない二択を迫られる。現実的には、三択目が多い。グレーだ。家族に見えないところで、切り捨てた自分を拾い集めるのだ。そして、這いつくばったことなどないような顔をして家族の食卓につく。もしあなたがそんな経験をしたことがあって、なんてことない当たり前だと蓋をしていて、その蓋を力付くで押さえ込んでいるのなら、この本を勧めたい。
作中被害者のような一択目だけでなく、どんな体験とも一緒に泣いてくれる作品だ。泣いた後に先のことを考えてもいい気にさせてくれる作品でもある。素晴らしいというより、「ありがたい」と言いたい作品だった。
頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)Amazon書評・レビュー:頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)より
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No.28:
(3pt)

二人の荒くれ親父による復讐劇だがどこかブレた印象でノリ切れず(ネタバレなし)

「黒き荒野の果て」が面白かったので期待していたのですが、個人的には微妙な
評価でした。前作のシンプルでストレート、かつスピーディにキレ味よく物語が
進み、息つく間もなく読み終えてしまう、そんな内容とは違ったものだったので。

まず物語のスケール感のなさが気になりました。息子を惨殺された父親の復讐が
テーマなのですが、基本的に暴走族との戦いなのが微妙です。黒幕もチープなキ
ャラクターで、全体的に低予算映画を観てるような気分になってしまいました。

また前作でも黒人が主人公であり、差別や偏見が云々というくだりはありました
が、今回はそこへLGBT要素も加わってきたことでシンプルなノワールではなく、
ゲイの息子を取り巻く世の中の風当たりや父親の葛藤といった場面も多いです。

それなのに(相変わらず)プロット自体には目新しさや意外性は皆無なので、前
作にあった疾走感やキレ味が失われているのです。結末の納得感も薄く、この手
の物語で最も重要な復讐劇によるカタルシスを充分に得られなかったと感じます。

作者の描きたかった世界観、方向性みたいなものがいまいち私には伝わりません
でした。今の時代ならではの問題提起が含まれているのかもしれませんが、それ
がエンターテインメント作品として上手く消化されていなかったという感想です。
頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)Amazon書評・レビュー:頰に哀しみを刻め (ハーパーBOOKS, H187)より
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