すべての罪は血を流す



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初公開日(参考)2024年05月
分類

長編小説

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すべての罪は血を流す(原題:ALL THE SINNERS BLEED) (ハーパーBOOKS)

2024年05月17日 すべての罪は血を流す(原題:ALL THE SINNERS BLEED) (ハーパーBOOKS)

ヴァージニア州の高校で教師が銃撃され、容疑者の黒人青年が白人保安官補に射殺された。人種対立の残る町に衝撃が走るなか、元FBI捜査官の黒人保安官タイタスは捜査を開始する。容疑者は銃を捨てるよう説得するタイタスに奇妙な言葉を残していたのだ。「先生の携帯を見て」と。被害者の携帯電話を探ると、そこには彼と“狼”のマスクを被った男たちによる残忍な殺人が記録されていた――。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点9.00pt

すべての罪は血を流すの総合評価:8.75/10点レビュー 12件。Aランク


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全1件 1~1 1/1ページ
No.1:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

テーマ、ストーリー、緊迫感。全てが超一級の傑作ノワール

今一番脂が乗っているアメリカン・ノワールの俊英の最新作(2023年刊)。アメリカ南部の町を震撼させた残酷な殺人犯を黒人保安官が追い詰める警察ミステリーであり、重厚な犯罪小説である。
事件などほとんど起きない南部の田舎町の高校で教師が銃撃され、駆けつけた保安官たちが容疑者を射殺した。人種差別が色濃く残る町で白人の保安官補が容疑者の黒人青年を射殺した事件は大きな波紋を引き起こし、黒人保安官であるタイタスは犯行動機の解明と同時に人種間対立の沈静化にも苦労することになる。容疑者の黒人青年はタイタスの旧友の息子で、射殺される前に「先生の携帯を見ろ」と叫んでいた。人望厚い教師だった被害者の携帯を調べると、そこには想像を絶するおぞましい記録が残されていた…。
人間が抱える闇の深さ、差別意識の根強さ、法や善の力の限界など、本作に含まれるテーマは宗教的なまで深遠で、主人公の黒人保安官のストイックな捜査が強烈なインパクトを与える。だが決して重苦しくはなく、犯人探し、動機解明のサスペンス・ミステリーとして抜群に面白い。
コスビーの長編第4作(1作目は未訳のため邦訳では3作目)だが、現時点では著者の最高傑作として、ミステリーファンならどなたにもオススメしたい。

iisan
927253Y1
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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No.11:
(2pt)

私には犯罪レベルがキツすぎました。

登場人物の何気ないの動作の一つに於いても細かな描写を施しており、文字を追っているようで、まるで映像を見ているかのような臨場感があります。

キーとなる犯罪を確認した主人公は、こう思います。
「自分の一部が穢れて二度と戻らない気がした。一生回復できないほど汚染された。(本文引用)」

わたしも作者の表現力故か、読んでいる最中、そんな気持ちになりました。

共感力に優れている方は、少し要注意です。それほど、引き込まれてしまいます。
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4596823960
No.10:
(4pt)

根深い悪

アメリカ南部の人種差別問題。今でも差別意識が残っており、白人至上主義が勢力を伸ばしている現実にハッとする。残念ながら自分達の周りでも同様なことが・・・。
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No.9:
(4pt)

名前が分からん…

読みやすい文章、イメージできる光景、テンポの良いストーリーは評価できるけど、
主人公はともかく、端役に近い人名は憶えられず、
唐突に名前だけで登場するので
「こいつはどういう人だっけ?」と誰が誰だか大混乱…
キンドル冒頭の人名リストを見ても、よく分からないw

この点が大御所のマイケル・コナリーやジェフリー・ディーヴァーとの違いやろなぁ。。。
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No.8:
(5pt)

事件の謎より、個人の内面のミステリーに焦点

大満足の読み応え。

これからも、発売即買いを続けます。

面白い小説にそうそう出会えないなか、
本当に同時代にいてくれて有り難い作家さんです!
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No.7:
(4pt)

正しいことをするのは簡単ではないがいつでもする価値がある

根底にあるのは恐ろしいほどの黒人差別。レイシストたちが日本では考えられにほどあからさまにに差別を言葉や態度にあらわしていく。郡の保安官は選挙で決まったのに黒人である、ということだけで敵意をむき出しにする。

そんななかで突然、高校で乱射事件が発生する。誰からも慕われる教師を射殺したのは麻薬で錯乱状態にあった青年だが彼も警官に射殺される。教師の遺品となった携帯電話にはおぞましい写真が残されており、過去に封じられた大事件が発覚する。ふたりのほかに第3の男も関与しており、ここからはノンストップの捜査が始まる。他人のいいなりにはならない主人公の鋼の意思をご堪能あれ。

「日曜朝の教会のほかに完璧な人種隔離があるのは葬儀場だけだ。」「告白の代償はつねに血で払うことになっている。」「この残酷な場所からは逃れられない。」「謙虚さとは、自分を軽んじることではない。自分のまわりを重んじることだ。」「酒に真実あり。」など箴言,金言も満載。
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