すべての罪は血を流す
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今一番脂が乗っているアメリカン・ノワールの俊英の最新作(2023年刊)。アメリカ南部の町を震撼させた残酷な殺人犯を黒人保安官が追い詰める警察ミステリーであり、重厚な犯罪小説である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
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期待に応えるものです | ||||
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「すべての罪は血を流す」は、ぐいぐいと作品の中に引き込まれる作品だ。背景となる地は、Strange Fruitという歴史を持つ地であり、白人至上主義が蔓延る、バージニア州のチョロン郡(チョロン・カウンティ)。FBI捜査官であったタイタス・クラウンは、父親の介護を名目に帰郷する。郡保安官に立候補して当選、郡内の初めての黒人保安官として、治安を担うという設定だ。保安官補は引き継ぎ人事で、優秀なスタッフもいるが、「ガサ入れ」をリークして私腹を肥やす者、人種差別を露骨に示す面従腹背の者などの玉石混淆だ。 チョロン郡は重大事件もなく長閑な日々であったが、郡保安官就任後の1周目の日に事件は発生する。高校の敷地内で、尊敬を集めていた白人の地理教師が銃撃射殺され、武装した犯人(地元民)を保安官補が銃で射殺する。これは指揮官のタイタスの発砲許可なしだ。以降の展開はdéjà-vuを感じるが、筋運びが巧みで、ゴツゴツした骨太の描写によりリアリティを感じる建て付けで、ぐいぐいと読み進んでしまった。同じ材料を使っても、一流の料理人の仕上げには感服する。それと、翻訳文の会話体の「女性言葉」の日本語訳の使い分けはとても自然で秀逸に感じた。もちろん、男性の会話体も。 原題の「All Sinners Bleed」は、普通に翻訳すれば、「すべての罪人は血を流す」で、「すべての罪は血を流す」ではない。小説の中段で、自宅のポーチで、タイタスは弟と一緒に、父親が隠匿していた密造酒を煽っていた時に、フラッシュ・バックに襲われる。FBI捜査官時代に遭遇した記憶が蘇るのだ。タイタスは、自らも罪人であることを問わず語り(とわず-がたり)に話す。そうそう、本作品のP.237で、タイタスが聞き込み捜査に行った先で、牧師が語った「だが、罪人だけが血を流すのだ、保安官」との会話に埋め込まれたピース(piece)もあり、この原題と邦題での、「罪人」と「罪」の語句の違いについて拘ってしまった。出版側の仕掛ける謎解きと思惑を感じながら。 米国の「goodreads」の「All the Sinners Bleed」の書評欄で、Roxane Gay女史(作家)の記述が参考になりそうだ。「An excellent, gritty novel about how eventually, all sins must be reckoned with, one way or another(2023/02/13)」。訳すと、「最終的に、すべての罪は何らかの形で、報いを受けなければならないことを描いた、優れた骨太の小説」としている。「sinners」でも、「sins」であっても、「誰もその罪から逃れることはできない」という捉え方のようだ。英語圏のクリスチャンの発想だろか。 日本の大半の読者は「罪」とは「道徳・法律などの社会規範に反する行為」で、「罪人」とは、「不法行為や法律上の罪を犯してしまった人」と辨別(べんべつ)する。我が国には「因果応報」という仏教の教えがある。前段と共通する概念だ。でも、まぁ、あれです。書店の店頭に平積みされる書籍となると、「すべての罪は血を流す」のタイトルは映えるだろう。 | ||||
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登場人物の何気ないの動作の一つに於いても細かな描写を施しており、文字を追っているようで、まるで映像を見ているかのような臨場感があります。 キーとなる犯罪を確認した主人公は、こう思います。 「自分の一部が穢れて二度と戻らない気がした。一生回復できないほど汚染された。(本文引用)」 わたしも作者の表現力故か、読んでいる最中、そんな気持ちになりました。 共感力に優れている方は、少し要注意です。それほど、引き込まれてしまいます。 | ||||
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アメリカ南部の人種差別問題。今でも差別意識が残っており、白人至上主義が勢力を伸ばしている現実にハッとする。残念ながら自分達の周りでも同様なことが・・・。 | ||||
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読みやすい文章、イメージできる光景、テンポの良いストーリーは評価できるけど、 主人公はともかく、端役に近い人名は憶えられず、 唐突に名前だけで登場するので 「こいつはどういう人だっけ?」と誰が誰だか大混乱… キンドル冒頭の人名リストを見ても、よく分からないw この点が大御所のマイケル・コナリーやジェフリー・ディーヴァーとの違いやろなぁ。。。 | ||||
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