7月のダークライド
- 虐待 (178)
※タグの編集はログイン後行えます
※以下のグループに登録されています。
【この小説が収録されている参考書籍】 |
■報告関係 ※気になる点がありましたらお知らせください。 |
書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点0.00pt |
7月のダークライドの総合評価:
■スポンサードリンク
サイトに投稿されている書評・レビュー一覧です
新規レビューを書く⇒みなさんの感想をお待ちしております!!
現在レビューがありません
※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ゆるい文体で読みやすかった。前半のダメ男ぶりから、後半のアクション映画ばりの展開は想像できなかったけど、主人公ハードリーのキャラは光るものがあったね。じゃなきゃ、サルヴァドールもエレノアもフェリスだって、関係が成り立たない。エンディングも良かった。涙がこぼれました。2024年私のミステリ1位です。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
前作「11月に去りし者」ですっかりルー・バーニーのファンになってしまった。犯罪小説でありながら 男の無償の愛が描かれて素晴らしい読後感を味あわせてもらった。そして本作品も一つの 共通点がその男の無償の愛なのだ。主人公はハードリー。名前(あだ名)からして何にもほとんど ものにならないダメ男である彼は普段は恐怖系遊園地で客を脅かせる役をやっている。母を幼い時に 亡くして養子になった彼だが、今まで自慢になるようなことは何にも成し遂げたことなく、今後もそんな 大それた夢を持ってもいない。そんな彼がある日偶然に虐待後と思われる傷を負った幼い兄弟を 見かける。放っておけない彼はいろいろな形で何とか彼らとその母親を救いたいと行動に出る。 アンチ・ヒーローの演じる西部劇であると解説で述べられている。でも、「11月に去りし者」ともう一つの 共通点を挙げるなら、最後が思い切り切ないことだ。この切なさが癖になる、読むものにとっては。 前作同様どっぷりと読後感に漬かりたくなる逸品である。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
ピュアで愉快な主人公ハーディ、愛おしいエレノアとサルヴァドール、お願いだからハーディを死なせないで! | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
スーパーヒーローじゃないダメ人間が意地を見せる話は面白い。クセの強い登場人物が自分に出来る範囲で頑張る所にリアリティというかセット苦慮機を感じた。 | ||||
| ||||
|
| ||||
| ||||
---|---|---|---|---|
久々のルー・バーニーという作家の名前だけで、冒険小説好きの好奇心が全面反応してしまう。ちなみに若かりし頃、冒険小説のフォーラムを主宰していたとは言え、ぼくは軍事オタクでもスパイオタクでもない。冒険小説とは日常生活の中から逸脱してあるアクションをやむを得ず選択してゆく勇気や意志を描くもの。ぼくはそう理解している。題材ではない。あくまでそこに介在する人間とその魂を描くフィクションのことを冒険小説と呼ぶのだ。 さてルー・バーニーだ。何年ぶり? 何と5年ぶり。しかも第三長編。何とも寡作である。でも書けばただじゃおかないとばかりに骨のある作品を提供し、ミステリー界をどよめかせる作家である。その理由は何だろう? 騒がれたのは『11月に去りし者』だけだから、データは少なすぎる。しかし『ガット・ショット・ストレート』と併せて過去二作品を見る限り、何と言っても登場人物の人間の魅力、そしてその心の魅力であり、それらを束ねたクライム小説としての語り口だろう。 出版社も自信があるのだろう、昨年のベストをかっさらったS・A・コスビー「ルー・バー二ーの最高傑作」、巨匠ドン・ウィンズロウ「心を摑んで離さない」と、わくわくするような言葉が並ぶ。これではずるいではないか、と思いながら期待感たっぷりで読み始めた本書。それは危険な導火線に火をつけたようなものだった。 何と本書の主人公は、ルー・バーニーとしては珍しいくらい若年、一人前にさえなっていないと言える平凡な23歳の青年である。働く場所がなんと<呪われた西部開拓地>と奇抜である。西部開拓時代を背景とした体験型スリラー施設なのだ。ゾンビのならず者、食屍鬼の住民、ブート昼墓場の幽霊たち。そこを巡る恐怖の時間と、主人公がこの作品で図らずも出会ってしまう現実世界の幼児虐待犯罪が、どちらもタイトルの<ダークライド>にかかってくるという構図なのだ。 主人公ハーディは、幼い姉弟と運命的に出会ってしまう。それは、両親に連れられた小さな姉弟だったが、彼らの胸に刻まれていたのは、煙草と見られる複数の火傷痕だった。彼らは親たちから虐待を受けているに違いないとハーディは確信する。以来、ハーディは幼い姉弟を放っておくことができず、思い悩むと同時に、あらゆる解決策を模索する。本書の真のスリルがスタートし、そして徐々に闇は色濃く彼を脅かすようになる。それは、両親に連れられた小さな二人の男女の幼児の胸に刻まれた煙草と見られる複数の火傷痕だった。ハーディはその子供たちが親たちから虐待を受けているのではないかと想像する。 彼らを救い出す手はないだろうか? また子供たちを虐待する見も知らぬ親たちの罪を何とかして暴くことはできないのだろうか? 子どもたちを救い出すとしても、少年以外の誰一人としてそれを知らないし、救い出そうとも思っていない。では自分がそれをやらねばならないのだ。ハーディはそのように心の絶対絶命状況を自覚してゆく。 相談相手の伝手を辿りつつ、専門家などにも意見を聴くものの、証拠も正体もわからない子供たちを救う手立てがなく、ハーディは悶々とする。闇を行く日々。ダークライドがスタートしたのだ。手を貸してくれる者もいれば、相談を聴いてくれる専門家も何とか接触するが、具体的な解決策には至らない。ハーディの冒険はこうしてスタートする。探り、対策を練り、実行する。そう、これぞ冒険小説の基本構造。久々に血が沸き立つような興奮を覚えた。 結末は書けない。ハーディは仲間を得て救出作戦を実行する。結末は書けない。それはあなた自身がこの本を通じてダークライドを体験すべきだから。この春、ぼくが最も興奮した作品なんだ。結末を書けるわけなんてないじゃないか。 | ||||
| ||||
|
その他、Amazon書評・レビューが 8件あります。
Amazon書評・レビューを見る
■スポンサードリンク
|
|