極夜の灰
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サイモン・モックラー著『極夜の灰』、読了。クリエイター小島秀夫氏のお勧め本。1967年北極の秘密軍事基地で起こる火災と、残された謎の遺体。挑むのは精神科医ジャック。トリックには既視感があるものの、冷戦化の極限環境で起こる人間ドラマと後半の冒険小説への切り替えが楽しめました。 | ||||
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愉しく読みました。60年台の時代の雰囲気を味わいます。評価は★x5ですが、ミステリーとしてのコアの部分に問題があります。しかし、作者はミステリー作品の執筆に初めて挑戦したとのことで、今後の作品に期待を込めてという評価です。 原著の題名は『THE DARK THAT DOESN'T SLEEP』で、日本語訳の題名は『極夜の灰』と、少々、ひねっています。「The Dark that Doesn't Sleep」は、現地のイヌイット語の言い伝えをもとにした英語で、日本語訳では、「眠らぬ闇」になります。 本作品の主人公のジャック・ミラー氏は、ウィスキーを好み、ヘビースモーカーで、疲れて帰った自室で、二人組の暴漢からボコボコにされる主人公という、60年代のハードボイルドの定番の私立探偵像を踏襲しています。素っ気ない描写ですが、タイプライターも登場します。これは60年代の時代の雰囲気作りで、主人公は本来は武闘派ではなく、インテリです。ニューヨークで精神科クリニックを開業し、裕福な階層を固定客に持ち、時にCIAから心理分析の委託業務を受ける精神科医という設定です。 ヘレン・マクロイ女史(1904-1994)の創出した、ベイジル・ウィリング博士を思い出します。本作品のジャック・ミラー医師は退役軍人で、硫黄島で火炎放射器による戦闘経験があり、心的外傷を持ち続けます。東京で日本女性と恋に落ち結婚し帰国。しかし、人種差別による、自らが招いたトラブルでの自動車事故で妻を亡くし、二重の心的外傷を背負(せお)います。ところで、除隊の時期は明示されていませんが、舞台となる1967年は硫黄島の戦闘から23年目になります。米国の当時の徴兵制度の年齢は18-25歳ですので、彼の年齢は、44±3歳の設定となるでしょう。 本作品は、氷床に埋もれた、60年代の米陸軍の極秘基地という題材の発掘、ならびに、筋の運びのおもしろさで、読者をひきつけます。ですが、日本のミステリー・ファンは、第1章の設定で、作者の仕掛けるトリックを見破ってしまうでしょうね。また、ミステリー作品としての、コアの部分の瑕疵(かし)は、これは、まぁ、あれです。作者は、ミステリー作品の執筆に初めて挑戦したとのことで、次の作品に期待します。ところで、WEB上のインタビューの記事によりますと、作者は家庭を持ち、子育て世代です。インタビュー記事の写真を拝見しますと、気だてのよさそうな、好人物の印象を受けます。作者の愛読書は、カズオ・イシグロの『浮世絵師』です。次の作品は、パリを舞台にしたスリラー小説に取りかかっておられるようです。愉しみです。 | ||||
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2024年に翻訳されたノンシリーズのなかで特に収穫だったのがこちら。舞台、人物、展開とどれをとっても予想外の驚きが多く、グイグイ読ませてくれた。オススメ。 | ||||
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「ジャックはしつけのよいビーグル犬みたいな気分で、腰を下ろした」 いかにも児童書の作家としてデビューした作家らしい比喩です。 主人公のジャックは、第2次世界大戦に従軍した元兵士で、今は精神科医。 両手の拳に関節症をわずらっており、妻は日本人。妻の愛読書はフィッツジェラルド の小説「夜はやさし」。アル中の精神科医の夫と、統合失調症の妻が崩壊していく物語。 ジャックの人柄や心情までを、代弁している。 1967年を感じさせる舞台設定の小道具たちは、粗末な印象を与えるフォーマーカ (メラミン樹脂)のテーブル、使い込んだグランド・セイコーの腕時計、不気味な低音を 発する廊下の照明...などなど。 古典派の推理小説の導入部から、ハリウッド映画を思わせるアクションシーンの後半部、 しかもラストには...読者を飽きさせない構成も見事。 登場人物のセリフから、ひとりひとりの人物像ができあがり、そのまま映画の脚本になりそう。 情景描写と語り口の相乗効果で、目の前にハッキリと浮かんでくる様は、読んでいて心地よい。 こなれた表現がそれを支えており、翻訳者の腕が存分に光っているようです。 「ジャックに成りきって読め!」と言われなくとも、自然に没入できるほどおもしろい。 作者にダマされる度合いが作品の質を決めるなら、間違いなく一級品です。 | ||||
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ネタバレになるので内容には触れないが、読み手心理を逆手に取り、巧なミスリードにより展開を作っていく最高の作品です。 | ||||
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