古書の来歴
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書評・レビュー点数毎のグラフです | 平均点7.33pt |
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中世のヨーロッパにおけるイスラム、ユダヤ、キリスト教の抗争にはとても奥深いものあります。この作品を入口にして今後興味をもって勉強したいと思いました。 | ||||
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古書の鑑定家で保存修復家のハンナ・ヒースが、1996年サラエボでサラエボ・ハガダーと呼ばれる有名な希少本に出合うところから物語が始まります。 | ||||
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中世のスペインで作られたユダヤ教の祈祷書。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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時々再読している木田元著『哲学散歩』のなかに「悠久の旅」という章がある。 本書『古書の来歴』に興味を持ったのは、先の『哲学散歩』のなかで「古代ギリシャで書かれたものが、時間的だけでなく、空間的にだって、ギリシャ、アラビア、中央アジア、北アフリカ北岸をぐるっとまわり、ジブラルタル海峡を渡ってスペインへ、そしてピレネー山脈を越えたり、シチリア島を経由したりして西欧世界へ運ばれてきたのである。」(同書P81)と、書いていたことに拠る。 イベリア半島は、八世紀初頭以来イスラム教徒の支配下にあったが、イスラム教徒、ユダヤ教徒、キリスト教徒が穏やかに共生することができる寛容の文化圏が形成されていた。 十世紀ごろからキリスト教徒の騎士たちによりレコンキスタが遂行されたが、十二世紀になるとイスラム教徒もキリスト教徒もユダヤ教徒もお互い寛容であり古書の研究や翻訳、写本などで協力しあっていていたのである。 本書のテーマである「サラエボ・ハガダー」とは、出エジプト記を記念する過越の日のための物語と祈りの言葉が記されている中世の細密画が描かれたヘブライ語の本である。 この本が出来たのは、最後のレコンキスタ(1492年)頃のイベリア半島のグラナダ辺りと本書では設定されている。 その後この本が500年ほど辿り、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争中行方不明としてあったこの本を、博物館から学芸員が危険を顧みず持ち出して銀行の金庫に隠した。 研究者仲間のイスラエル人から電話で連絡があり、主人公ハンナがこの「サラエボ・ハガダー」の鑑定と修復を政治的人選で依頼され、戦火収束間もないサラエボへ行き銀行金庫の部屋で一週間で修復することになる。 本のページの中で見つけた「蝶の羽」「ワインの染み」「海水」「白い毛」の微細な欠片をグラシン紙の小袋に収めて後に知人の専門家に調べてもらう。 「蝶の羽」「ワインの染み」「海水」「白い毛」が何故この「サラエボ・ハガダー」に付着していたのかなどを次の章で時を遡って物語を紡いでいく。 ユダヤ教で禁じられている豪華な細密画を描くなどを想像豊に物語を紡いでゆく。 ハンナの時と「サラエボ・ハガダー」の時を、何世紀も行ったり来たりしながら、だれがこの細密画を描いたのか、だれが文字を書いたのか、ハンナと母親との確執などを、読者の予想もできないストーリー展開する著者のフィクションながら創作の冴えに脱帽しながら「サラエボ・ハガダー」の悠久の旅を楽しく読み終えました。 | ||||
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いくつもの時代を行きつ戻りつ、謎が少しづつ解かれていくパズルのような読み物。歴史と宗教、古書や装飾などに明るければ越したことないけど、何度かクグリながら、私でも何とかついていける、不思議にエンタメ性のある物語でした。 | ||||
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「・・・理想の街サラエボでは紛争など起きるはずがなかった・・・戦うはずが無いと思っていた。でも、紛争がはじまって最初の数日のぼくたちの行動はちょっと浮ついていた。十代の若者がピクニック気分でプラカードを持って反戦デモを行った。十人くらいの若者が狙撃手に撃たれても、ぼくたちはまだその意味をきちんと理解していなかった。国際社会がとめてくれると思ってたんだ。・・・ほんの何日か我慢していれば片がつくと思ってた。そうだな・・・世界が一致団結して助けてくれるって」 緻密な調査に基づいて書かれているので、↑のような会話からハガターの謎の推理、その他リアルで、これどこからどこまでがフィクションなの?って何度も宗教や土地について調べながら読みました。 (あとがきを読めばこれは解決することでしたが。やはり先に読まないほうがおすすめ) 色々、現在のZの国の侵略と重なる部分もあって相当読み応えありました。 ただ、ゆったりと時代を遡って、どうしてこのハガターが作られたのかという謎に迫っていくのでミステリーなのは確かですが、ダ・ヴィンチ・コードのようなスピード感とスリルあふれるタイプを期待すると物足りないかもしれません。 より現実的な歴史ミステリーは明らかにこちらです(笑) | ||||
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異端審問、焚書、迫害、紛争——運命に翻弄されながらも激動の歴史を生き抜いた1冊の美しい稀覯本と、それにまつわる人々を描いた歴史ミステリの白眉。第2回翻訳ミステリー大賞受賞作。 | ||||
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もうめちゃくちゃ面白い | ||||
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