バーニング・ワイヤー



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初公開日(参考)2012年10月
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長編小説

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バーニング・ワイヤー

2012年10月11日 バーニング・ワイヤー

突然の閃光と業火―それが路線バスを襲った。送電システムの異常により、電力が一つの変電所に集中、爆発的な放電が発生したのだ。死者一名。これは事故ではなかった。電力網をあやつる犯人は、ニューヨーク市への送電を予告なしに50%削減することを要求する。だがそれはNYに大停電を引き起こし、損害は膨大なものとなると予想された。FBIと国土安全保障省の要請を受け、科学捜査の天才リンカーン・ライムと仲間たちが捜査に乗り出した。しかし敵は電気を駆使して罠をしかけ、容易に尻尾をつかませず、第二の殺戮の時刻が容赦なく迫る。一方でライムはもう一つの大事件を抱えていた―宿敵たる天才犯罪者ウォッチメイカーがメキシコで目撃された。カリフォルニア捜査局のキャサリン・ダンスとともに、ライムはメキシコ捜査局をサポートし、ウォッチメイカー逮捕作戦を進めていたのだ。ニューヨークを人質にとる犯人を頭脳を駆使して追うリンカーン・ライム。だが彼は絶体絶命の危機が迫っていることを知らない―。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.20pt

バーニング・ワイヤーの総合評価:8.00/10点レビュー 39件。Aランク


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全5件 1~5 1/1ページ
No.5:
(8pt)

まだまだ驚かせてくれる、この作家は!

現代のシャーロック・ホームズ、リンカーン・ライムが対峙する今回の敵は“電気”。正確には電気を武器にニューヨークを翻弄する敵が相手だ。

普段はその有難みが解らないが、いざ台風や地震で停電が起きるとその大事さに気付かされるのが電気だ。
3・11の東日本大震災で計画停電が行われ、当時東京に住んでいた私はネオンサインがない渋谷の街を毎日目の当たりにして、夜闇に乗じて犯罪が起きてもおかしくはないと半ばこの世の終わりのような思いを抱いたものだ。

「電気は、市民の道徳心にもエネルギーを供給しているのだ」の作中の一文には激しく頷いてしまった。

この電気、実は私も仕事で縁がある代物だが、非常に便利であるが反面、非常に恐ろしい物だ。それは本書でも実に詳細に語られている。

いわゆる“見えない凶器”であり、電線のみならず帯電している金属から人間の体内を通って地面に通り抜ける間に絶命してしまうからだ。

最初の被害者は過剰な電流がある特定の変電所に集中することでアークフラッシュを起し、最寄りの金属製品が細かい礫になって人々の身体を突き抜けて、それら1つ1つが高熱を放ち、身悶えしながら死んでいく。

第2、3の被害者は大量の電気を流されたビル、エレベーターの金属部品に触れることで感電し、激しい痙攣をしながらも手を放すことが出来ず、恰も死のダンスを踊りながら全身から煙を出して死んでいく様が描かれる。

アメリアやロナルド・プラスキーたちは現場での惨状を見て、金属に触れることを怖れ、半ばノイローゼになって捜査に携わる。この感覚は非常に腑に落ちた。

今回の事件の首謀者はレイ・ゴールトという電力会社元社員で修理技術者だった男と早々と明かされる。この男が仕事で高圧の電気近くで長年作業することで白血病を患い、その復讐として電力会社に混乱を起こして脅迫を重ねているとライムたちは焦点を絞る。
そして一方で“地球の日(アースデイ)”イベントを控えていることで何らかの環境テロ組織が絡んでいるとFBIは捜査を進める。その結果“ジャスティス・フォー”と“ラーマン”という2つの名前が浮かび上がる。

さらにライムはキャサリン・ダンスたちがメキシコ警察と共同してメキシコシティに潜伏しているウォッチメイカーの逮捕にも携わる、いくつもの要素が絡まった物語となっている。

メインの物語の焦点は昨今日本でも3.11以来、物議を醸しだしている電力会社の半ば強引なやり方だ。
火力、水力、原子力と云わば発電所“三種の神器”で大量の電力を賄うアルゴンクイン・コンソリデーテッドは日本に存在する電力会社そのものだろう。
それに対抗するのが風力、太陽光、地熱、波力発電、メタンハイドレードといった再生可能エネルギー、つまりクリーンエネルギービジネス。やり手の“女”社長アンディ・ジャッセンはこれらエネルギー対策に前向きではない。それがこの事件に潜む真の動機になっている。

更にディーヴァー自身もこのシリーズを現代のホームズ物と意識して書いているようだ。特に下巻220ページの次の台詞

考えうる可能性を全て排除したあと、一つだけ排除できなかったものがあるとすれば、一見どれほど突飛な仮説と思えても、それが正解なんだよ

はホームズが短編「ブルース・パーティントン型設計図」での台詞

ほかのあらゆる可能性がダメだとなったら、どんなに起こりそうもない事でも残ったことが真実だ

とまるで同じである。もはやこれは確信的ではないか。

そしてそれら一連の事件の絵を描いたのは意外な人物だったことが判明する。

とにかくすごい犯人だ。どんでん返しの帝王とも云えるジェフリー・ディーヴァーだが、もう騙されないぞと思いながらもやはり驚愕させられてしまった。

また今回『悪魔の涙』で主役を務めた筆跡鑑定のスペシャリスト、パーカー・キンケイドが登場する。これで同シリーズで2回目の登場となった。もはや大事なサブレギュラーになりつつある。

しかし振りかえれば『ソウル・コレクター』から3年ぶりのライムシリーズである。もはやネタは出尽くしたと思ったがこれほどのサプライズをまだ見せてくれるとは、やはりディーヴァーは只者ではない。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.4:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

バーニング・ワイヤーの感想

実に面白かった。大満足です。この作者の作品は事前に情報を得ないで読んだ方が楽しめます。リンカーン・ライムシリーズを読んだことが無い人は、このシリーズを是非読んで見てください。はまりますよ。

▼以下、ネタバレ感想

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松千代
5ZZMYCZT
No.3:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

大どんでん返し!

リンカーン・ライム・シリーズの9作目は、電気を武器にするテロという、これまでにはない犯人との知恵比べが展開される。目には見えないが、我々の周囲には必ずある電気を使ってニューヨークを人質にとろうとする犯人の狙いは何か? 地球環境破壊につながる化石燃料発電を止めさせようとする環境保護団体のテロなのか? 東日本大震災を経験した日本人には身につまされるような電力と人命や環境との対立というジレンマを背景に、意外な犯人像が浮かび上がってくる。だがしかし、最後の最後で、さらに驚愕の犯人が登場する・・・。
物語の冒頭から読者を引きつけ、ハラハラドキドキのジェットコースター展開で楽しませる巨匠の腕は、本作でも遺憾なく発揮されている。また、チーム・リンカーンともいうべき仲間たちが、それぞれの魅力を発揮して物語に味わい深さを加えて、シリーズ作品ならではの楽しみも用意されている。
ただ今回は、微細証拠物件から犯人を割り出して行く「科学的捜査」の側面より、心理や人間関係から犯人像を描いて行く「プロファイリング」的な側面が強くなり、通常の警察小説に近くなったような気がした。
犯人逮捕後のエピローグ部分で、シリーズの今後を予測不可能にするような展開があるのも、リンカーン・ライムファンには気になるところだろう。

iisan
927253Y1
No.2:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

バーニング・ワイヤーの感想

今回は目に見えない電気が相手・・・物理的なことはさっぱりわからないのですが、ドアのノブに触れるだけで感電させるなんてことができるんだろうか?と思いながらも、グイグイ物語にのめりこみました。
さすがに物語の進め方が上手いし、魅力的な脇役もいて最後にはすっきり解決するところも非常に爽快なのですが、非常に映画的というかフィクション度合が強すぎると言うか、怪人二十面相を捕まえる明智小五郎のような感じで最初の頃よりもずっとリアリティがなくなってきたなと感じます。

カマロがなくなってどうするんだろうと思っていたら、コブラが出てきて納得。
最後は色んな意味で希望の持てる終わり方で、まだ続編が出るのであれば楽しみです。

たこやき
VQDQXTP1
No.1:
(6pt)

ジェフリー・ディーヴァーの過去作品を新しいテーマで煮たような感じ。
物足りません。

とろね猫
1QYP52GE
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.34:
(4pt)

何度騙されてもこのツイストにつぐツイスト感はこたえられません!

とにかくハードカバーの新刊は高いので、と手を出すことを止めてしまって以来、早や12年が経ってしまった。初期の頃のリンカーン・ライム・シリーズは驚愕の面白さで読者に常に驚きを与えてくれていたが、いつの日にかパターン化して新鮮さが消えてゆく。

 本書は、そんなぼくにとってあまりに久しぶりのライムのシリーズである。10年前に発刊された本書から、シリーズ読書を再開すべきか否かのリトマス試験紙にもしてみたい。

 本書序盤は、電気を使った殺人、電気への復讐、と、電気がとにかく本書のテーマ、と、電気、電気、電気のオンパレードである。それが派手過ぎて、読み始めたことを早くも後悔し始める自分がいる。正直、八割方、新手のアイディアに飛びついたのであろう作家ディーヴァーのほくそ笑む表情が透けて見えるようでとっつきにくいものがあった。

 しかし、しかし、物語が終盤を迎えるところで、これまでとは確実に異なる気配が漂い始める。いつもの好敵手的犯罪者の正体にストーリーが及んでみると、この物語は見た目とは全然異なる表情を浮かべ始めるのだ。うわあ、やられた! そうだった、この作家はこの、ツイストを命とする作家だったのだ。

 終盤の二転三転するツイストまたツイスト。その中で徐々に物語の真相が姿を見せてゆくことで、前半の耐え難き電気攻撃は、ここに来て許せる気になってしまう。そう、また、やられたのだ。騙された。この作家に。嬉しい悔しさ、である。

 ライムを初めとして、あまりに多くの登場人物が関わってくることにも最初は戸惑いを感じさせられる。他シリーズの主要キャラクターも参加してくるし、主要舞台であるニューヨークの他、本シリーズで二度もライムの手を逃れている好敵手Xをメキシコで捕縛する作戦も気になる。やはりシリーズならではの面白さがあるとともに、12年前までの本シリーズの騙しの手際がじわじわと蘇ってきたのである。

 ディーヴァーの作品は常々おもちゃ箱みたいだ、と感じていたのだが、本書も例外ではなかった。ただ、他愛のないおもちゃ箱で済まない、ライムの人生を左右する心身状況、キャラクター間の人間関係の多様さ、等々、生活面の様々な喜怒哀楽と、それぞれの人物の個性が徐々に際立ってきて、ラストシーンを、それぞれのキャラクターの物語でも見事に切り上げてくれる辺りは見事としか言いようがない。

 やはりディーヴァーは語りの名手、マジシャンなのだ、と再認識させられてしまった。はい、そう。今回もまた、完敗です。
バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫)より
4167905019
No.33:
(4pt)

シリーズ9作目を読まないと、次の10作目が面白くない

ライムシリーズでは、『ウォッチメイカー』が1番好き。
このシリーズ9作目は、電気が主体のせいか説明箇所が多すぎて物語に入っていけなかった。
シリーズの醍醐味は後半から味わえたのと、
ラストの以外な伏線に次回作への期待。
この状況からのシリーズ10作目、
否が応でも期待が高まる。
バーニング・ワイヤーAmazon書評・レビュー:バーニング・ワイヤーより
4163817107
No.32:
(3pt)

重箱の隅のスミ

物語の展開は、この人ならではでしょう。ただ、気になる点もいくつかありました。

 p26上段〈そしていま、まさにその事件に関わった人物を追跡していた。リチャード・ローガンというのがその男の本名らしいが、リンカーン・ライムの頭の中では、いまも当時のあだ名で通っている──”ウォッチ・メイカー“〉とある。前作でその名前は本名ではなく、偽名だとはっきり聞いているのに、本作では本名らしいと言い切っている。

 前作『ソウル・コレクター』516p 下段
〈「リチャード・ローガンという名前は?」ライムは訊いた。
「本名ではありませんね。間違いなく。偽名です。別人になりすましていたんです。それはどうやら驚くほど簡単なことのようですわね」
「ええ、そう聞いています」ライムは苦々しげに言った〉
 とあるのだ。

 実際、ウォッチメイカーの本名は、ウォッチメイカー自身から「チャールズ・ヴェンスパシアン・ヘイル」と前前作『ウォッチメイカー』で明かされている。『ウォッチメイカー』p427上段〈ヘイルはシカゴで生まれた。父親は高校のラテン語教師〉ヴェンスパシアンというミドルネームについても、なぜその名前を付けられたのか、父親のエピソードまで回想している。『ウォッチメイカー』の後半部では、ヘイルの登場場面には「ヘイル」とはっきり使われている。わけわからん。本作『バーニング・ワイヤー』では、わざとライムに錯誤をさせておいて、なにかどんでん返しの布石なのかなと思ったが、最後までページをめくってもそうでもなさそうだ。

 p426下段〈「きみの本名はリチャード・ローガンでいいんだな? それとも、偽名か?」「それが本名だ」〉p433上段〈本名はリチャード・ローガンだと当人が認めたとはいえ、この男とその名はどうしても結びつかなかった」とかあるたびに、作者はいったい、どんなどんでん返しを用意してんだよと、それなりに期待していたのは確かです。

 気になりました。p105下段。〈メル・クーパーは、サックスが未詳がケーブルを仕掛けた周辺で採集してきた微細証拠を分析した〉とあるけど、ん?と気になりました。ここは〈メル・クーパーは、サックスが未詳の仕掛けたケーブルの周辺で採集してきた微細証拠〉とでもしたほうがわかりやすいのでは。

 p262下段〈エーロゾル粒子〉はエアゾールの間違いでしょう。p245下段に〈エアゾール粒子〉とあるのだから。

 p332上段〈一度も呼び止められることなく複数のドアを抜けて、まもなく四〇二号室を見つけていた〉の〈見つけていた〉は前後の流れから違和感があります。〈見つけた〉でいいのでは。

 p422上段〈環境に優しいグリーンなエネルギー〉は、〈クリーン〉の間違いでしょう。数行前に〈クリーンエネルギー〉とあるし、同ページ下段の〈グリーン・カクテル〉に引っかけたシャレかとも読み取れないこともないですが、傍点でも振っていないと、おやっとなります。

 432p上段。
〈『チャーリー・サマーズは無事だって』サックスが大きな声で言い、携帯電話をしまった。『いまロナルドから連絡があった』
 ライムは眉をひそめた。『チャーリーが無事でなかったとは知らなかったな』〉
この会話。一読したとき違和感をおぼえました。自分だけかもしれませんが、この場合の〈無事〉とは、事故がなかったというという意味でしょう。それを〈無事でなかったとは知らなかった〉という言い回しは、なんか引っかかります。〈『チャーリー・サマーズは危険を脱したって』『ほう。チャーリーが危険だったとは知らなかった』という意味だろうとはわかりますが……〉
バーニング・ワイヤーAmazon書評・レビュー:バーニング・ワイヤーより
4163817107
No.31:
(3pt)

嫉妬

リンカーン・ライムは最後手術を受けた、
運動機能が少し回復した場面で本書は終わる。ただただ羨ましい。
本当は羨ましがる理由はないのだけれど、同じ病人の目線で考えているから、俺の器が小さいから、嫉妬などという意味のないことをしてしまうのだろう。
バーニング・ワイヤー 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:バーニング・ワイヤー 下 (文春文庫)より
4167905027
No.30:
(4pt)

今までのとは違う

ずっとジェフリー・ディーバーのリンカーン・ライムシリーズを読んできだが
今回は敵役の主人公も、その武器である電気も
いまいちピンとこない
というか、ピンとこないだろうから、アメリアやプラスキーをビクつかして
電気の凶器としての恐ろしさを
読者にわからせようと苦心しているのがうかがえて
少し鬱陶しい。
ただ手札を隠してるだけの手品みたいで、もう一段階上の作家さんだったような気がしてだから。でもまあ、いつものメンバーで賑々しくやっているのは
単純に好き。
バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:バーニング・ワイヤー 上 (文春文庫)より
4167905019



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