スキン・コレクター



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初公開日(参考)2015年10月
分類

長編小説

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スキン・コレクター 上 (文春文庫)

2018年12月04日 スキン・コレクター 上 (文春文庫)

ニューヨークの地下で拉致された女性は毒の針で刺青を刻まれ、死亡していた。現場では、科学捜査の天才リンカーン・ライムが解決したボーン・コレクター事件に関する書籍の切れ端が発見された。殺人者はあの連続殺人犯の手口とライムの捜査術に学び、犯行に及んでいるのか?現代最高のミステリー・シリーズを代表する傑作。(「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.80pt

スキン・コレクターの総合評価:7.59/10点レビュー 37件。Aランク


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全5件 1~5 1/1ページ
No.5:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

黄金期の本格ミステリ再び!

リンカーン・ライムシリーズ11作目で2016年版『このミス』第1位を獲得した作品である。
シリーズ10作目の『ゴースト・スナイパー』が初の圏外だったことでシリーズに翳りが見えたかと思えた矢先の1位獲得。俄然期待が高まった。

10作目という節目を終え、新たなシリーズの幕開けを意識したのか、本書は題名からも解るように1作目の『ボーン・コレクター』を意識しており、内容も同じくボーン・コレクター事件の影響を受けた犯人との戦いを描いている。まさに原点回帰の1作だ。

ボーン・コレクターは骨への執着が強い犯罪者だった。かつて楳図かずおのマンガでも嫌らしいのは骨の上についている肉で骨こそ美しいと述べていたが、本書のスキン・コレクターはその皮膚に執着する犯罪者だ。

さて今回の敵スキン・コレクターはなんと犯罪実話集でリンカーン・ライムについて語られたボーン・コレクター事件の項目を読み、ライムのことを熟知した敵だ。従って彼はライムが行うであろうことを想定して常にそれを出し抜く。そう、今回ライムチーム自身もまたこのスキン・コレクターの標的になっているのだ。

更に本書のテーマは毒殺である。
とにかくこのスキン・コレクター、色んな毒を駆使して被害者に襲い掛かる。

ドクゼリが採取されるシクトキシン、フグ毒のテトロドトキシン―なんとまだ治療薬がないらしい―、南米産の植物エンジェルストランペットから採れるブルグマンシア、ストリキニーネ、煙草にも含まれているニコチン、ヒ素、即死に至るホワイトコホシュという植物から採れる毒、致死量に達しなくても後遺症で精神障害と認知症を患うことになるトレメトール、タマゴテングダケという毒キノコから採取できるアマトキシンαアマニチン、ボツリヌス菌にアンチモン。

毒殺はジョン・ディクスン・カーなどが良く好んで使っていた殺害方法でつまり黄金時代のミステリの主要な殺人方法だったが。現代では廃れてしまっている。犯人がわざわざ毒殺に固執することにライム自身疑問を呈すが、私は逆にこの古典的な殺害方法を本書で用いたことで改めてディーヴァーが現代のシャーロック・ホームズシリーズと呼ばれているリンカーン・ライムシリーズの原点に回帰したことを示しているメッセージだと受け取った。

またスキン・コレクターが遺体に施す、もしくは施そうとしたメッセージもまた意味深だ。“the second”から始まり、その後“forty”、“17th”、“the six hundredth”と続く。それらは全て数を意味しているが、全くその関連性が見えない。ダイイングメッセージならぬ犯行声明であるが、これに加えて今回は各犯行現場の平面図が本書にはきちんと挿入されており、これらの趣向が本格ミステリ志向ど真ん中なのである。

さてこれらのお膳立てが整ったところでスキン・コレクターことビリー・ヘイヴンの<モディフィケーション計画>は決行へと向かう。

しかしミスリードさえも上回るリンカーン・ライムの洞察力。
しかしこれは読んでいるこちらもあまりに明敏過ぎて超天才型探偵を彷彿させて、逆に苦笑してしまうが、逆にライムはスキン・コレクターを欺く。

相変わらず怒濤のようにサプライズを仕掛けるディーヴァー。それはあまりに突飛すぎて、その場面に直面した瞬間は頭に「?」が飛び交い、理解に少々時間を要してしまう。そしてそれが本当に成り立っているのか、どうしても後でその場面を振り返る必要に駆られる。

そして本書が2016年版の『このミス』で第1位に輝いた理由が最後になって判明する。

さて今回も非常に複雑に入り組んだストーリー展開を我々読者にディーヴァーは提供してくれた。しかも2015年発表の本書では上に書いたようにかつての黄金時代のミステリを彷彿とさせる、暗号を思わせる犯罪者からのメッセージ、各種取り揃えた毒による毒殺という古典的な殺害方法といった本格ミステリ風味が前面に押し出されている。

更に昔から都市伝説のように云われていたNYの地下に網の目のように張り巡らされた地下通路を犯罪者スキン・コレクターが暗躍し、マスコミからアンダーグラウンド・マンと名付けられ、現代に甦ったオペラ座の怪人のような様相を呈している。
そしてこの“アンダーグラウンド”が民間武装組織といった米国内に数多あるテロ組織を暗示しており、彼らが掲げる白人原理主義は現在のトランプ大統領が掲げているメキシコとの国境の壁建設やイスラム教徒の入国制限といったような選民主義的主張を象徴しているようで現代に通じるものを感じる。

また本書では言葉遣いに対する描写が特に多いと感じた。ライムが“ルーキー”プラスキーにきちんとした云い回しを教えたり、ラテン語を駆使して会話を成立させたり、またアドバイザーとしてライムの捜査に協力するタトゥー・アーティストTT・ゴードンのきちんとした言葉遣い―タトゥー・アーティストはクライアントに一生残るメッセージを書かなければならないため、言葉にはかなり気を遣うそうだ―を褒めたりと折に触れ、言葉に対してライムがセンシティヴに振る舞うのが目に付いた。
更にはライムが字体の特徴についても得々と述べ、過去に脅迫状に使われていた字体から犯人を特定したエピソードまで披露されている。これはディーヴァー自身が作家として言葉の乱れを感じていることをライムに代弁させているのかもしれない。字体もまた小説の読み応えの印象を与えることで作者自身が興味を持っているのではないだろうか。

とまあ、本書もまたいつもの、いやそれ以上に様々な仕掛けを施し、読者の頭をそれこそ作者ディーヴァーが両手で掴んで前後左右へぐるぐる回しているかのような目まぐるしい展開を見せるのだが、エンタテインメントに徹しすぎて深みに欠けるように感じてしまう。
特に今私が連続して読んでいるコナリー作品に比べると、各登場人物が抱く心情に深みを感じないのだ。ボッシュの異常なまでの悪に対する執着、ハラーの何が何でも裁判に勝つためのがむしゃらさといったような灰汁の強さや登場人物たちがその選択をした、せざるを得なくなった性や背負った業というものを感じないのだ。

確かにディーヴァーの描くプロットは最後見事なまでに整然としたロジックの美しさを感じさせる。特に本書は全てが繋がり、最後の一滴まで飲み干せる美酒のようなそつのなさを感じさせるが、そこにコクを感じないのだ。

シリーズを重ねるうちに各登場人物たちが抱える問題やエゴなどがもっと前面に出てもいいのにそれがない、いや全くないわけではないが、しこりが残らない分、印象に残らない、それほど綺麗に物事が解決する、物語が完結するのである。

コナリー作品のように次はどんな風になるのだろうと読者が一種不安めいた感情を抱えて読み終わる危うさがないのだ。

これは全く以て私のディーヴァー作品を読む姿勢が間違っていると云えよう。ディーヴァー作品を読むには彼の作風を想定してそれに自分の頭を切り替えて読むべきなのだろう。だからディーヴァーにはディーヴァー作品の、コナリーにはコナリー作品の読み方をしないとこのような読後感に陥ってしまうのだ。

しかし『このミス』1位の作品は危険だ。どうしても期待値が高くなってしまい、感想も辛めになってしまう。もっと純粋に物語を愉しめるよう初心に戻った読み方をしなければと反省した次第だ。
いや、面白かったんですよ、ホントに。


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Tetchy
WHOKS60S
No.4:2人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(9pt)

ストーリーテラーの真骨頂

予想外の展開の連続!まさにストーリーテラー。終盤100ページ残したとこで事件解決!?いえいえもちろんそんなことはありません。最後まで楽しくワクワク読ませてくれます。しかも次作が楽しみになる終わり方。最終章のパム、ライム、サックスのやり取りはなんだかすごくあったかくなる内容。巻を重ねるごとにみんな味が出て大満足の作品でしたっ!

タッキー
KURC2DIQ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

スキン・コレクターの感想


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松千代
5ZZMYCZT
No.2:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

ジェフリーファンの方には是非!

ジェフリー作品を殆ど読破しているものとしてお薦めします。

内容云々、なにこれ?的な個所もありますが
それでも「過去の追憶」と共に楽しんで頂きたい。

軽い小説ばかり読んでいると、たまにこういう緻密に計算された小説を読みたくなります。
今回は、その願望を(なにこれ?的なものは置いといて)満たしてくれるものになっていました。

構想から八ヶ月、そして書き始めたという・・・
こういう練っている(練り上げている)時間って、作家には堪らないんだろうな~。



ももか
3UKDKR1P
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

多過ぎるどんでん返しが鼻につくのだが

リンカーン・ライム・シリーズの第11作。今回も、あざといほどのどんでん返しの連続で読者をねじ伏せる超大作だ。
今回の敵は、被害者の肌に謎のメッセージを彫り込む天才的なタトゥーアーティスト。インクの代わりに毒を彫り込むことで殺すという残忍な手口で殺人を繰り返すのだった。犯行現場がニューヨークの地下に広がる地下通路という共通点はあるものの、被害者の間には共通点が見つからないため、捜査陣は犯行動機を特定できず、次の犯行を防ぐことも出来なかった・・・。
本作の注目点は、リンカーン・ライムの初登場作「ボーン・コレクター」およびシリーズの代表作「ウォッチメイカー」という過去の2作品との関連が深いこと。さすがのディーヴァーも新たな怪物を作るのが苦しくなってきたのか? シリーズがマンネリ化し始める兆しでなければ良いのだが・・・。
とにかく、最後まで息を抜けないどんでん返しの連続は本作でも健在。ライムの天才過ぎる読みが鼻につくのは確かだが、エンターテイメントとして一級品であることは間違いない。

iisan
927253Y1
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未読の方はご注意ください

No.32:
(5pt)

騙される快感、全開!

リンカーン・ライム・シリーズもこれで11作。『ボーン・コレクター』に続く<コレクター>というタイトルなので、気になっていたのだが、やはり初代リンカーン・ライム登場篇となった『ボーン・コレクター』に誘拐され救出された少女パム・ウィロビーが成長して再登場するという点で、やはり関連付けはあった。そればかりか『ウォッチメイカー』の悪役を務めたリチャード・ローガンもまたこの作品のメインストーリーを縫うようにして存在感を見せてくれるので、シリーズ作品のサービスも充実した十字路的作品に仕上がっているように思う。

 本書でも犯罪者側からの視点で描かれる人狩りのシーンは濃厚なインパクトに溢れている。タイトルにあるスキンは文字通り皮膚である。刺青師を伺わせる殺人鬼が突然アンダーグラウンドに登場し、かなりのペースで連続殺人を狙う。狙うと言ったのは、このシリーズには珍しく未遂により逃げおおせる被害者もいるからである。

 サックスとライムのコンビネーションはいつにも増して強くタフで、時には甘く、そこに『ボーン・コレクター』からは随分と成長したパム・ウィロビーが加わって、捜査基地は本作ではホームドラマを思わせる一種不思議な空気に彩られる。他にも常連メンバーの一人が窮地に陥り入院と治療を余儀なくされるなど、シリーズならではのバリエーションに満ちている辺りも、シリーズ・ファンにとっては読みどころとなる。

 しかし何よりもメイン・ストーリーのツイストの巨きさが、本作の特徴であろう。刺青師による連続殺人と見えるメイン・ストーリーが次々に異なる色に染まって、真実が一体どこにあるのかがわからなくなるほどのストーリーのどんでん返しは、久しく見られなかったディーヴァー節を文句なしに味わえる一編となっている。ディーヴァーのツイストがこれでもかとばかりに謳歌するある意味独壇場。マジック・ミラーのようなプロットに目が回るほどだ。

 何よりもツイストのスケールが凄い。犯罪者の動機、被害者選択の方程式などがどこにあるのか、目眩がするほどの転換を開始する後半部において読者が読まされていた世界が思わぬ方向に大転換してゆくこのディーヴァー的快感ワールドこそががシリーズの目躍如たるポイントである。前半には決して見られなかったスケール感が爆発するパワーという点においては、久々にパワフルな読ませ方を強いられてしまった。騙される快感に導かれ、いつの間にかディーヴァー作品の引力に引き寄せられてしまう自分を発見する。

 前半のスローな展開を信じるなかれ。あちこちに仕掛けられた罠は後で存分に振り返ることになるだろう。ディーヴァー・パワー全開の作品として代表作的一冊である。おススメ!
スキン・コレクターAmazon書評・レビュー:スキン・コレクターより
4163903488
No.31:
(3pt)

重箱の隅のスミ

ヤボと承知で

p48下段〈目に入りかけた汗を追い出した〉って、やはり気になります。作者がそう表現したかったのでしょうか。普通に〈押し出した〉とでも訳してもよかった気もします。まあ、ヤボというものでしょうが……。

p109上段〈あらゆる手を尽くして女の子の行方を捜した〉とあるが、本当にそうだったろうか。これまでのシリーズから、〈あらゆる手を尽くして〉いたとは、到底思えない。もし、そうならば、七作目〈ウォッチメイカー〉で十年ぶりにパムにあったとき、p38下段で、パムが〈首をかしげ、眉間にしわを寄せてサックスを見つめていた〉ときに、サックスは(いくら十年ぶりとはいえ)、なにかしら気がついたはずだ。

p203上段〈サックスはグリッド捜索に備えた着替えをすませた〉とあるが、一読したとき、ん? となりました。〈グリッド捜索に備えて着替えをすませた〉のほうがしっくりくるんじゃないでしょうか。p266〈といっても、本当に僅差の勝負だった〉って、〈勝負してねえし〉と思わず、つっこみを入れてしまいました。

p358下段には、〈(ジョシュアは)承認を求めるようにビリーに何度も視線を向けてきた。年長のビリーは、しかたなく〉とあり、次ページ下段には、〈事実上の兄と一緒に過ごした歳月は楽しい想い出にあふれている〉とある。この章は、ビリー目線で書かれているのだから、〈楽しい想い出にあふれているはずだ〉と推測するか、〈事実上の弟〉としなければ、意味が通らないのではないか。なんか、わかりにくい。

p423下段〈男の本名はチャールズ・ヴェスパシアン・ヘイルだが〉とあるが、これ、いかにも、つじつま合わせ、今回、思い出して書きましたっている感じだろう。ここで本名を出す必要性はまったくない。〈ウォッチメイカー〉で、とっくに本人が吐露してんだし、〈バーニングワイヤー〉で、本名出したほうが自然だったでしょう。〈ウォッチメイカー〉の描写がなかったかのようにシリーズが続いていて、今さらでしょうが(笑い)。

p445上段〈ミスター・ライム。ジェイソンですが? ジェイソンへザリー?〉とあるが、いまいち、ここで使われている疑問符をどう受け止めていいか、理解に苦しみました。日本語だと、こういう疑問符の使い方はしないような気がするが。自分だけか。まあ、それでも今回も楽しませてもらいました。
スキン・コレクターAmazon書評・レビュー:スキン・コレクターより
4163903488
No.30:
(5pt)

面白い

とにかく面白い。
このシリーズ大好きです
スキン・コレクター 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スキン・コレクター 下 (文春文庫)より
4167912023
No.29:
(1pt)

読みにくい

翻訳者の意図なのかどうか?
例えば、「あのね、アメリア。・・・」・・・サックスは不安を感じた。
姓名はアメリア・サックス??小説の流れが肝心なところではないのに、姓名がばらばらになっているので、一々登場人物の確認作業が必要になってきて読みにくい。
この翻訳者の本は、もう読まない。
スキン・コレクターAmazon書評・レビュー:スキン・コレクターより
4163903488
No.28:
(4pt)

GOOD

GOOD
スキン・コレクターAmazon書評・レビュー:スキン・コレクターより
4163903488



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