スリーピング・ドール



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初公開日(参考)2008年10月
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長編小説

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スリーピング・ドール

2008年10月10日 スリーピング・ドール

キャサリン・ダンス―カリフォルニア州捜査局捜査官。人間の所作や表情を読み解く「キネシクス」分析の天才。いかなる嘘も、彼女の眼を逃れることはできない。ある一家を惨殺したカルト指導者ダニエル・ペルが、脱獄、逃走した!捜索チームの指揮をとるのはキャサリン・ダンス捜査官。だが、狡知な頭脳を持つペルは大胆に周到に裏をかき、捜査の手を逃れつづける。鍵を握るのは惨殺事件の唯一の生き残りの少女テレサ。事件について何か秘密を隠しているらしきテレサの心を開かせることができるのは、尋問の天才ダンスしかいない…。ハイスピードで展開される逃亡と追跡。嘘を見破る天才ダンスvs他人をコントロールする天才ペルの頭脳戦。「言葉」を武器に悪と戦うキャサリン・ダンスの活躍を描くジェフリー・ディーヴァーの最新作。ドンデン返しの魔術師の超絶技巧がまたも冴えわたる。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.33pt

スリーピング・ドールの総合評価:8.18/10点レビュー 45件。Aランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

安定のディーヴァー作品

周りの者を洗脳する犯人VS尋問の天才ダンス。この作品の魅力はダンスの魅力にあると思いますが、中盤から終盤にかけてえっ?えっ!というどんでん返しの連続。みんな悪い人に見えてきます。そのどんでん返しも納得のいく内容で、面白かったです。ダンスの上司のオーヴァービー、よくいる保身家ですが、最後はちょっとだけカッコ良かったです。これも小さなどんでん返し!

タッキー
KURC2DIQ
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

眠れる人形は何を指す?

『ウォッチメイカー』で初登場した尋問の天才キャサリン・ダンスが主役を務めるスピンオフ作品。とはいえこの後彼女が主人公の『ロードサイド・クロス』も刊行されているから、新シリーズの幕開けといった方が正解だろう。

新シリーズの主人公をあらかじめ他のシリーズ作品にゲストとして登場させる、このディーヴァーの目論見は当たっていると思う。他のノンシリーズの作品に比べてはるかに物語に移入しやすい。
ダンス以外は全くの初対面の人物ばかりだがダンスがいるだけでライムシリーズの延長のような錯覚に陥り、すんなり物語世界に入っていけた。

今回ダンスが相手をするのはダニエル・ペル。10年前にIT企業家一家を殺害した事件で捕まったカルト集団のボスだ。このダニエル・ペルは人の心を読み、コントロールする能力に長けている。その場の状況、相手によって自分の境遇や過去を偽り、共通点を見出させ、共感を覚えさせ、同族意識を植え付けるのだ。服役中も看視員をその手法で取り込み、囚人に禁じられているインターネットの閲覧なども秘密裏に許可させたりもする男だ。従って彼の尊敬する人物もヒトラー、ラスプーチン、スヴェンガリといったカリスマ性を持った人心掌握術に長けた人物ばかりだ。彼は人の心をコントロールすることに喜びを覚えているため、彼の支配下に置けない人物は“排除”しようとする。
ダンスは最初の尋問で逆に彼の心をコントロールしたため、逆に脅威となってしまう。しかしそんなダンスでも彼の真の目的が解らないのだ。

『ウォッチメイカー』で颯爽と登場したキャサリン・ダンスから受ける印象はどの読者も、“すべての嘘を見破る歩く噓発見器”と思っていたに違いないが、本書ではキネシクスのエキスパートであっても見抜くのが困難な嘘つきもいることが述べられている。それは情報を出さずに真実を回避する者や嘘を真実とみなせる狂信者などだ。
当初、味方であった人物が敵だったり、そのまた逆であったりといったディーヴァーお得意のどんでん返しが起こった時になぜ彼ら彼女らが行う芝居、嘘を見抜けなかったのかと懐疑的になったがどうもキネシクスも万能ではないようだと気付かされ、それで納得がいった。

またこのダンスのキネシクスを生かした尋問方法は諸刃の剣であることが解る。それは彼女は嘘を見抜くがゆえにそれぞれの人間の立場を守ろうとする嘘まで見抜き、丸裸にしてしまうからだ。それは彼・彼女らにとってはキャリアの終焉を意味する。もちろんダンス自身もそれは承知しており、時に苦い思いを抱く。知らなくてもよい真実が見えてしまうこともまたキネシクスの特徴なのだ。

さてライムシリーズが現場に残された物的証拠から推理して犯人の行動を読み取るのに対し、尋問の天才キャサリン・ダンスはキネシクスを駆使して動作や身振りからその人の本当の心理状況を見抜き、また関係者から得た犯人の情報から推理して犯人の行動を読み取る、云わばプロファイリングに似た手法を取る。
物質のライムに精神のダンス。ディーヴァーはまさに魅力的な二巨頭のシリーズキャラクターを創造したわけだ。

そしてやはり読者の期待通り、アメリアとライムのカメオ出演があった。その役割は実に他愛のない物で直接にキャサリンの事件の手助けになったわけではないが、やはりこういうサービスはシリーズ読者には嬉しいものだ。
恐らくディーヴァーは敢えて彼らに重要な役回りをさせないようにしたに違いない。これはあくまでキャサリンの事件であるからだ。しかし「ウォッチメイカー事件」のその後も語られ、まだ彼が暗躍しているのが解ったのも収穫だ。

さて今回の題名は敵役ダニエル・ペルが投獄されることになったIT企業家一家惨殺事件の唯一の生き残り、当時9歳だったテレサ・クロイトンに付けられた呼び名に由来する。事件当日、玩具の山に埋もれるように寝ていたため事件に巻き込まれることがなかったのだ。

しかしこのスリーピング・ドールという題名は読後の今、実は当時ペルに与した仲間の女性たちのことを指していることが解る。
ペルという人の心を操るのに長けた人物によって人生を狂わされたリンダ、レベッカ、サマンサ、そして共犯者であるジェニー。この4人の女性こそがペルの呪縛によって眠らされていたスリーピング・ドールだったのだ。そしてその呪縛が解けた後のそれぞれの生き様が四者四様であるのが興味深い。特にサマンサとジェニーの変わり様が印象に残った。

余談だがペルが襲撃していた際に眠っていたとされるテレサがその実起きていたというのが実に面白い。彼女はペルの一家惨殺事件の被害者でありながら、実は彼女自身には何の心的外傷を得ていなかったのだ。従ってやはりスリーピング・ドールとはテレサのことではなく、彼女ら4人のことだったと解釈するのは妥当だろう。
しかもその文脈で考えるとこの題名自体もミスディレクションであると云えよう。

物語の核であるペルの脅威が収まるのは下巻の340ページ辺り。まだ約100ページが残っている。
哀しいかな、書物という物はこの後の残りページ数でこれで事件が解決したものと思わないように物理的に教えられる。これが映画館で観る映画ならこんなことはないのだが。
従って読者は残りのページで起こるであろうどんでん返しを想像することになり、驚愕の結末もこれでは薄れてしまうであろうから困ったものだ。

さて最後になったがやはりこのシリーズに登場した人物たちにも触れておこう。

キャサリンの仕事上の好パートナーであり、私生活でもパートナーとなるのではと思わされたモンテレー郡保安官代理のマイケル・オニールはダンスのよき理解者であり、またよき相談相手である。しかし妻帯者である彼とダンスの今後の関係はどのように変化していくのか、非常に気になるところだ。

そしてダンスの有能な部下TJ・スキャンロンはCBI捜査官らしからぬカジュアルな服装とどこでも思わずついて出る軽口が特徴の人物。しかしその働きは有能でダンスの痒い所に手が届く捜査をしてくれる。

最後にチャールズ・オーヴァービー。新任のCBI支局長であり、ダンスの上司だが、早く功績を立てて出世したがっており、その種の人物同様、保身のために部下を売ろうとすることも考えている。一見無能な人物と見せながら物語の最後には意外な決断を下すという実に読めない人物。

とこのように有能な人材で構成されるライムチームとは違った個性的な人物を配してディーヴァーはまたまた面白い物語を紡いでくれるようだ。

本書はまだ軽いジャブといったところ。今後のキャサリン・ダンスの活躍に大いに期待しよう。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

スリーピング・ドールの感想

リンカーン=ライムシリーズの「ウォッチメーカー」に登場した人間嘘発見器キャサリン=ダンスが主人公の作品です。
リンカーンは物証から犯人を追い詰めるのに対し、ダンスは人間の無意識の動作から嘘を見破り犯人を追い詰めて行きます。
作品も相変わらずどんでん返しの連続で楽しませてくれます。

松千代
5ZZMYCZT
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未読の方はご注意ください

No.42:
(5pt)

速やかな対応でした。

上下巻とも個別包装でとても丁寧で綺麗でした。現在読破中です。
スリーピング・ドール〈上〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スリーピング・ドール〈上〉 (文春文庫)より
4167812010
No.41:
(3pt)

期待させられる展開

リンカーンシリーズからのスピンオフで、主人公のキャラクターにも好感を持ち順調に読み進められます。
ただ犯人とそのほかの人物像を少し作りすぎている感を否めず、最後にはどうかな・・という感想に至りました。
サイコキネシスという方法も面白くそれで犯人を絞り込み犯人の思考と計画を読み解くのは引き込まれます。
冗長な記述も若干ありますが、最後までどんどん読み進められます。
一読の価値はあると思います。
スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)より
4167812029
No.40:
(3pt)

コントロールが蔓延る!!

解説で映画「ボーン・コレクター」を凡庸な作品!!だとのたまっておられるが、この作品を愛している映画ファンが多くおられる事をお忘れなく!!(お喋りのし過ぎですよ!!)折角のディーヴァ作品に泥を塗られた様で、評価にも影響しました(映画ファンまでコントロールは効きませんよ!!)現実に権力は人事権を振り回し、官僚・役人を、マスコミ・TVには放送権をちらつかせ、ありとあらゆる所で「コントロール」が蔓延り、五輪・コロナ利権まで貪っている。と、あらぬ方向のレビューになってしまいました。
スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)より
4167812029
No.39:
(3pt)

最後の部分は

不要かな?と、わたし的には思う。

また全て解決したハズなのに、なんで本の枚数が
未だいっぱい残ってるんだろ?と軽く疑問に。
これは何かあるな?と・・・・
スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:スリーピング・ドール〈下〉 (文春文庫)より
4167812029
No.38:
(3pt)

今、ひとつ。

さすがにディーバーという筆運びだ。
 けれども、少なくともFBI捜査官に関するどんでん返しには、「ん?」と納得できるものがない。どうだ驚いたでしょう、と作者のサービス精神は感じるのだが。「ふうん。で?」と、どこか醒めてしまう。読者を置いてきぼりにして、作者だけ楽しんでいる。〈なるほど。こうきたか〉という嬉しい読後感がない。切れた紐を手の中でごにょごにょやって、ぱっと紐を出したら繋がっているというマジックに例えれば、最初に紐を切る場面を見せなくて、手の中に隠していた紐をいきなり観客に見せて、「繋がってます!」というようなものだ。あざといえば、あざとい。

 小さなことだが、気になる箇所が多々あります。主要な登場人物の紹介欄で〈メリーエレン・クレスバック〉とあるが、本文ではすべて〈マリーエレン〉とあるから、ここは〈マリーエレン〉でしょう。p76上段〈六月からだろう。たいがいの学校がもう夏休みに入っている〉とあるが、なんか声に出すとゴロゴロしている。〈たいがいの学校はもう夏休みに入っている〉でしょう。

 p81下段〈ワールドワイド・エクスプレスの配達員の私物のシビックの目撃情報はこれまでのところ一件もよせられおらず〉とあるが、たしかに車のシビックは私物ではあるでしょうが、違和感あります。〈私物化〉という場合なら、納得できます。せめて〈個人所有のシビック〉でしょう。〈私物〉という場合、もっと小さなものという印象があります。個人所有の〈家〉に対して、私物の家とはいわないのと同じように。

 p90上段〈ええ、まあ。除隊になったあと、すぐこの業界に入りました〉って、この人物は軍隊を除隊になって看守になっている。〈看守一筋で〉とはっきりある。民間である種の仕事をしている人なら、〈業界〉でも違和感はないが、〈看守〉の仕事をしている人に対して〈業界〉とはいわないだろう。ちなみに、広辞苑には〈業界〉とは〈同じ産業にたずさわる人々の社会。特に、マスコミ・広告などに関係する人々の社会〉とある。

 131p下段〈サングラスと帽子を着けていて顔がよくわからない〉って。〈サングラス〉はかけるもだし、〈帽子〉は被るものでしょう。〈サングラスをかけ帽子を被っていて顔がわからない〉か、せめて〈サングラスと帽子姿で顔がわからない〉と描写すべきではないでしょうか。

 p173下段〈ほんの短い期間だったとはいえ、ダンスと夫とオニールが三人とも法執行機関に所属していた時期があった〉とあるが、〈オニールが〉の〈が〉が気になります。〈が〉より、読点の〈、〉を使って〈ダンスと夫とオニール、三人とも法執行機関に所属〉とするか、せめて〈ダンスと夫とオニールの三人が揃って法執行機関に所属していた〉とすべきじゃないでしょうか。

 p177下段〈ペルはそれを敏感に見て取って、同じように文法を間違えて答えてるの〉とあるが、〈敏感に見て取って〉は〈敏感にとらえて〉でしょう。言葉遣い、文法の話をしているのだから、〈見て取る〉ことはないでしょう。

 p198下段〈ジェニーはぎこちなく微笑み、髪を十束分ほど取って指に絡みつかせた〉とあるが、意味がよくわかりません。〈十束〉って、指の太さ十本ほどということでしょう。片手で髪を指のあいだで梳くようにして、五本の指のあいだに四束ほど巻き取って、それを二回ほどぐるぐると絡ませたのか、それとも十束分の束をぐっと片手で掴んで絡みつかせたのか、情景が見えません。

 p293下段〈もちろん、電話をかけてもいいのだが、ネーグルは電話は──メールと似て──コミュニケーションのツールとして〉とあるが、〈ネーグルは電話は〉って。〈ネーグルにとって電話は〉でしょう。p328上段〈さっき見た庭師が振り下ろしたシャベルが肩と首の境目を直撃した〉とあるが、ほんとに微妙、個人的好みかもしれませんが〈庭師が〉〈シャベルが〉と続くより、〈庭師の振り下ろしたシャベルが〉のほうがすっきり読めます。

 p416下段〈公園は無人らしいとはいえ、それをたどるのはまりに危険だ〉とあるが、〈それをたどるのは《あ》まりに危険だ〉の脱字でしょう。p439下段〈ウェスは母親が異性を交際することを快く思っていないらしい〉は、〈母親が異性《と》交際すること〉でしょう。p441上段〈TJがまた何か言ったが、ダンスは訊いていなかった〉は、明らかに〈ダンスは《聞》いていなかった〉の誤字でしょう。
スリーピング・ドールAmazon書評・レビュー:スリーピング・ドールより
4163274707



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