ロードサイド・クロス



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初公開日(参考)2010年10月
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長編小説

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ロードサイド・クロス

2010年10月28日 ロードサイド・クロス

尋問の天才キャサリン・ダンス、ネットにひそむ悪意に挑む。陰湿なネットいじめに加担した少女たちが次々に命を狙われた。いじめの被害者だった少年は姿を消した。“人間嘘発見器”キャサリン・ダンスが少年の行方を追う一方、犯行はエスカレート、ついに死者が出る。犯人は姿を消した少年なのか?だが関係者たちは何か秘密を隠している―。幾重にもめぐらされた欺瞞と嘘を見破りながら、ダンスは少しずつ真相に迫ってゆく。完全犯罪の驚愕すべき全貌へと。 (「BOOK」データベースより)




書評・レビュー点数毎のグラフです平均点7.67pt

ロードサイド・クロスの総合評価:7.68/10点レビュー 47件。Bランク


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全3件 1~3 1/1ページ
No.3:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ロードサイド・クロスの感想

もはやお約束といってもいい残り100ページを残しての「これが真犯人か?」
そこからが本当の始まり。
そのお約束通りがまたたまらない魅力。
今回はネットの仮想空間、ゲームの中でのアバターを使った捜査もおもしろかった。
(もっとこの部分を深堀りしてもよかった)

blueridgecabinhome
UHOQT2T1
No.2:1人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(7pt)

我々ウェブ感想者たちへの教訓の書

ディーヴァーのシリーズキャラクターと云えば、リンカーン・ライムだが、そのシリーズから派生した、相手の仕草や言動から嘘を見抜く、“人間噓発見器”、キネシクス分析の名手キャサリン・ダンスシリーズの第2作が本書。

このシリーズもライム作品同様、日本のミステリ読者に好評を以て受け入れられ、その年の『このミス』でも9位に選ばれた。

今回のテーマは年々過熱するSNSの書き込みに対する誹謗中傷だ。
ネット炎上という言葉が一般的になって久しいが、匿名性ゆえの舌に衣を着せない、読むに堪えない悪意の塊のような批判がその人の人生を狂わせることも珍しくなくなってきた。

本書でも2ちゃんねるを思わせるチルトン・レポートなるブログが数々のスレッドを立ち上げ、そこから不特定多数の人間が、ある人のご近所で起きた事件について自由気ままに語り、対象者を槍玉に挙げる。さらにそこから更なる中傷が生まれ、拡散していく。そんな騒動の渦中にいつの間にか担ぎ出された人は現実世界でも周囲から嫌がらせを受け、日々の生活に昏い翳を落とすようになる。

まさにネットが生んだ現代的なイジメだ。しかもその範囲が自分の居住圏という限られたコミュニティではなく、世界中に広がっていくのがこの上なく恐ろしい。

またディーヴァー作品に特有の薀蓄は今回も健在。特に『青き虚空』や『ソウル・コレクター』以来、ウェブ社会の現在を反映したような、電脳世界での犯罪を主題にしているが、今回もこの世界での新語について薀蓄が語られる。
ブログ日記を書く人々を“escribitionist”、ブログに書いたことがばれて会社を解雇されることを“dooce”、就職面接で以前の上司についてブログに書いたことがある云々を訊かれる事を“predoocing”と云ったりと様々だ。
しかし2009年に発表された本書で書かれたこれらの言葉が4年後の現代でも生きているかどうかは定かではないので使用については注意が必要なのだが。

また今回はさらに踏み込んでオンラインゲームの世界にもダンスは介入する。容疑者であるトラヴィスが現実の学校生活では冴えないオタクの青年だとみなされているが、ネットの世界、本作に登場するオンラインゲーム『ディメンション・クエスト』では神と呼ばれるほどの有名人であることが判明する。
昨今ではネトゲ廃人なる言語も生まれたように、日がな一日中ゲームの世界に浸って世俗との交流を絶つ者や、ウェブマネーを巡ってのトラブルなど、決してポジティヴに捉えられることのないオンラインゲームだが、ディーヴァーの筆致は決して否定的でなく、寧ろそういう世界の存在を認めている節がある。

しかしまさかゲームの登場人物の戦い方をキネシクスで判断して、性格を把握するとは思わなかったが。

このシリーズの前作『スリーピング・ドール』の感想に私は「物質のライム、精神のダンス」と2つのシリーズの特徴について述べたが、本書では図らずもそれを裏付ける記述があった。
ライムの鑑識能力は物証による推測であるが、ダンスのキネシクスは話す相手がいないと発揮できないのだ。ライムが人物よりも物証を最大に重視するのに対し、ダンスは人を、話す相手を最大に重視する。それぞれのシリーズの特徴が実によく表れている。

しかし前作でも思ったが“人間噓発見器”の異名を引っ提げて『ウォッチメイカー』で登場したダンスの前では誰もが嘘を付けないと思わされていたが、彼女のシリーズになるとなぜかその万能性が損なわれる。特に今回の事件の引き金となっているブログ、チルトン・レポートの主、ジェームズ・チルトンの前で説得を試みるも、逆に云いように操られて逆上するダンスがいて、思わず驚いてしまった。

特にこのシリーズではダンスの過去や生活に筆を割いており、それが逆にダンスを尋問の天才という偶像から、どこにでもいる再婚をどこかで願っている二児の母であることが強調されている。

つまりダンスも冷徹な人間ではなく、間違いもする人なのだということを再認識させてくれるのだ。

本書ではまたもう1つの事件が語られる。それは前作『スリーピング・ドール』の事件で殉職した刑事を安楽死させた容疑でダンスの母イーディが逮捕されるというものだ。この家族に起こった突然の災禍がロードサイド・クロス事件を追うキャサリンの人間性を揺るがす。

そう、今回のダンスはいつにも増して人間臭いのだ。マシーンのような敏腕ぶりを発揮するのではなく、素人にも見透かされ、切り返されるようなミスを犯す。

さらに未亡人である一人の女性として2人の男性に心を揺さぶられる。1人は長年仕事のパートナーとなってお互いを知り尽くしている保安官事務所刑事のマイケル・オニール、そしてもう1人は今回の事件をサポートするために捜査に協力することになったコンピューターの専門家であるカリフォルニア大学教授のジョン・ボーリング。
ダンスが女性であることが、2人の子供を抱えて働く女性であることが父親不在の不安に心惑わされて、それが捜査にも影響を与えていくようにもなる。

しかしライムが感情的になってさえも冷静な頭で数々の証拠物件から犯人を割り出すのに対し、ダンスは感情に突っ走るきらいがあり、それが時に冷静な判断を誤らせているのも確か。特に不意な一報に弱く、常に最悪のケースを想定し、心泡立たせて、焦燥感を駆り立てて、妙な先入観を抱いていらぬ心配をしたり、ヒステリックに怒鳴ったりする。

この辺のギャップに実に戸惑ってしまうのだ。
『ウォッチメイカー』の時の彼女とシリーズに登場する彼女にはその有能ぶりという面ではかなりの格差を感じる。シリーズではダンスは決して万能ではなく、キネシクスの専門家という看板を持ちながらも自身の振る舞いが相手に自分の感情を悟られないように自制しているわけでもなく、また妙な先入観で判断を鈍らせることも一度だけではない。その欠点を補うのが先述のオニールであり、TJやレイ・カラネオなのだ。

さてもはや専売特許ともなったどんでん返しだが、本書でもそれはあった。
最初にこの件を読んだ時は、どんでん返しを強烈にするためのあざとさを感じ、正直ガッカリしたが、読み進むにつれてその妥当性が理解でき、今ではまたもやディーヴァーにしてやられたという思いでいっぱいだ。

ディーヴァー作品の大黒柱的存在であるライムシリーズの犯罪が個人ではなく、もはや不特定多数を標的にしたテロ事件へと次第にスケールが大きくなっているのに対し、ダンスのこのシリーズはまだ2作目と云う事もあるせいか、1人の人間がある個人に対して行った犯罪と、限られた範囲での物語であることが同じ殺人事件を扱いながらも種類の異なる特色になるだろう。
恐らくダンスのシリーズも回を重ねるうちに殺人事件から無差別テロへ発展していくかもしれないが、そうであったとしても物証解析のライム、精神解析のダンスという区分けがある限り、その深みは増すに違いない。

さて今回はウェブ社会がもたらした誰もが情報発信者となり、評論家となり、またはご意見番となるこのご時世に起こる情報による冤罪や苛めについて手痛い警告が成されている。それは悪意をもって誹謗中傷し、騒動を煽るようなことをしてはならないという数億人のブロガーに対する警鐘であると同時に、個人の主観で語られるがゆえに記事を読む人々は決してそれを鵜呑みにせず、自分の頭で判断し、考えることが必要だということをも強く促している。
こうやって読んだ本の感想をウェブで挙げている我々も同じような過ちを犯さぬよう、感想を挙げる時は感情的にならずに、また他者の感想はあくまで参考程度に読むなど、気を付けていきたいものだ。


▼以下、ネタバレ感想

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Tetchy
WHOKS60S
No.1:3人の方が「ナイスレビュー!!」と投票しています。
(8pt)

ロードサイド・クロスの感想

キャサリン=ダンスシリーズ2昨目の物語です。
今回のテーマはブログ、オンラインゲームとインターネットがテーマとなっており、それらの社会問題を上手く扱ったミステリー小説となっていますが、相変わらず、作者のどんでん返しの手法は健在で、登場人物達の運命はどうなるのか、最後までハラハラさせられ ました。
しかし、この作品を読んで、インターネット上で個人情報を少しでも公開することへのリスク、そして匿名性による投稿者の無責任な発言、感情の暴走とインターネットの怖さというのを改めて感じさせられました。インターネットという蜘蛛の巣に囚われることなく、上手にコントロールして付き合っていくことの大切さを感じました。

松千代
5ZZMYCZT
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください

No.44:
(5pt)

とても速く届きました

ジェフリー・ディーバーの本は外れないのでこれからも購入すると思います。キャサリン-ダンスのシリーズ和訳は全部読んだのでまた違う時にお世話になりましたら宜しくお願いします!
ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)より
4167812312
No.43:
(5pt)

速やかなお届けありがとうございました

本はとてもキレイでしたし、梱包がきちんとしていました。キャサリン・ダンスのシリーズを全部読みたかったので良かったです。
ありがとうございました
ロードサイド・クロス 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ロードサイド・クロス 上 (文春文庫)より
4167812304
No.42:
(4pt)

ダンス捜査官、心の動揺

スリーピングドールの続編。
登場人物のイメージを忘れないようにしないと、どんでん返しの驚きに繋がらないですね。
キネシクス❗️かっこいいです。私も少し使って見て相手のストレスを読み取るようにしています。
作者のジェフリー.ディーヴァー氏に逢ってみたいです。
ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)より
4167812312
No.41:
(4pt)

著者の本は初めてなので展開の予想がつかない

本シリーズは勿論、著者の本を読むのは初めて。
早い段階で最有力の容疑者が浮上。あまりに早いため、おそらく犯人ではないだろうと思ったが、正確な状況説明や理路整然とした主人公の捜査官ダンスの分析が続くので、これは犯人が最初にわかってどう追い詰めていくかを描くスタイルなのかという気もしてくる。
何せ“初めて”なのでわからない。後編に期待。

尚、文中登場するウェブのアドレスにアクセスしたが目的のものは見つからず。刊行から年数が経ち過ぎてしまっているためだろうか。それとも自分の探し方悪いのか。
ロードサイド・クロス 上 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ロードサイド・クロス 上 (文春文庫)より
4167812304
No.40:
(3pt)

二転三転、最後無事着地

下巻になって、状況が二転三転。著者の本を読むのが初めてのため、新鮮に驚いたが、本シリーズを読んでいたらある程度予想がつくだろう。
本作の主要な登場人物である少年が気の毒で、救われる様子をもう少し書いて欲しかった。
連続殺人事件とはいえ未遂も多く、思ったよりは死人が出てこない点は良かった。

ただ、記載のアドレスが無効なのか、御目当ての記事が出てこないのが残念。

正直、本シリーズは読破しなくてもいいかと思ったが、訳者あとがきの後、著者の日本訪問記がついていて、著者が交流があるのか児玉清氏宛に制作ファイルを託して帰国していったことが書かれていた。
児玉氏は私も敬愛しており、彼が愛読していた著者の本なら読もうかという気になってくる。
ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)Amazon書評・レビュー:ロードサイド・クロス 下 (文春文庫)より
4167812312



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