判決破棄 リンカーン弁護士
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リンカーン弁護士シリーズも早や3作目である。 | ||||
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マイクル・コナリーの22作目の長編で、リンカーン弁護士シリーズとしては第3作だが、悪の代理人として知られるリンカーン弁護士・ミッキー・ハラーが、今回は特別検察官として被告と弁護士をやり込めるという異色の設定。さらに、ハリー・ボッシュもダブル主役として重要な役割を果たすという豪華版である。 | ||||
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※以下のAmazon書評・レビューにはネタバレが含まれる場合があります。
未読の方はご注意ください
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今回は、ミッキー・ハラー視点の一人称で書かれた章と、ハリー・ボッシュ視点の三人称で書かれた章が交互に並べられる変則的な構成となっています。 マイクル・コナリーのこれまでの作品では、ボッシュもの、ハラーものなど、メインとなる主人公を置いたうえで、そこにもう一方の登場人物が参加するといった形態の作品が多いですが、本書では完全に二つの視点で描き分けがなされており、まさにハラーものであり、ボッシュものでもあると言えます。 時間軸は、ボッシュが香港で大暴れした『ナインドラゴンズ』に続く形となっており、ボッシュの娘マデリンがボッシュと一緒に生活しています。 8時5時のサラリーマンと違い、夜中だろうと事件のために家を出なければならないボッシュにとって、未成年の娘との生活は、娘の安全を常に考えながらの行動とならざるを得ません。 このあたり、本書においては、事件調査にあたりながらも家庭生活を維持しなければならないボッシュのリアルな状況が伝わります。 責任を負うのは、自分自身の人生だけではなくなったボッシュは言う。 「娘を幸福にできれば俺も幸福になるだろう。だけど、そんな日がいつやってくるのか分からない」と。 本書はマイクルコナリー作品にしては、珍しくある程度予想通りに展開し、その一方でエンディングにあえて未解決な部分を残します。 この点、少しすっきりしない読後感があるかもしれません。 その一方で、本書では、誘拐場面を目撃し、一時期ドラッグなどで崩壊した暮らしをしていたものの、その後立ち直り前向きに生きる誘拐殺害された子の姉の存在が、人生におけるポジティブな面を見せてくれ、救いを感じさせます。 | ||||
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ミッキー・ハラ―はいつもは被告側に立つ刑事弁護士だが、今回は一回こっきり(?)の検察側に。 正義側で早々に有力な証人を得るし、有能な異母兄ボッシュや元妻マギーに囲まれているので、比較的安心して読み進めることができる。 ボッシュはハラ―側の調査員として活躍。気の強い元妻マギーも途中からは協力的で、初めて好印象。 反面、内容としてはいつもの意外性のあるひねりに欠けたような。 ラストも余韻の残る終わり方でスカッとしない。 もちろんコナリー作品なのでがっかりさせられることはなく十分おもしろいのだが、本作は豪華キャスト共演と立場を替えたことを見せ場としている。そこが見どころと価値を置く読者も多いだろうけど、私はちょっと物足りなさを感じた。 余談だが、ボッシュもハラ―も多情だ。“一発の銃弾説”とか言いながらどう見てもけっこうドライだったり(ボッシュ)、結婚、離婚を繰り返し、別れてからも友人づきあいをしたりジェラシーを抱いたり(ハラ―)、……日本人とは受け止め方が違うとつくづく感じる。 | ||||
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1頁の10分の1ほどの面積、かつ約200頁にわたり一度水濡れして乾いたかの跡がありました。しかし、この1ヶ月で10冊程中古文庫注文し満足しております。割合清潔で丁寧に包装されてますので今回の事はたまたまでしょう。また続けてご利用させて頂きます。 | ||||
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『判決破棄 リンカーン弁護士』(原題:The Reversal)下巻を読み終えた。 訳者あとがきで古沢嘉通氏が本作電子版の付録として、本作に関する作者への質疑応答が掲載されていることを紹介していた。 本作の題名の由来を訊かれたコナリーは、「The Reversal」であることの意味を、殺人事件の判決破棄(リバーサル)を指すそのものずばりの言葉だけど、同時にいくつか異なる意味を持っている。ずつと被告の代理人でありつづけたミッキー・ハラーが、独立検察官になることは、彼にとって大きな逆転(リバーサル)にもなっている。 本作の面白さはこのコナリーの言葉に凝縮されていることを、評者は本書の下巻を読み終えて実感している。 ほとんど有罪の悪人の弁護をしてきたミッキー・ハラーが、まったく立場の異なる原告側のテーブルに立つことで読者の興味を惹くことになる。 本作は、リーガル・サスペンスを、描くとともに異母兄のハリー・ボッシュを、捜査責任者として指名して法廷外で刑事として活躍させるという、読者にとって楽しめるプロットを構築していることも本書の魅力となっている。 ハリー・ボッシュの愛娘マデリンとミッキー・ハラーの愛娘を、二人が初めて会うことになるエピソードもストーリーのなかへ挿入するなど、相変わらず著者コナリーのデティールを疎かにしない意図を感じさせた。 ボッシュ・シリーズとリンカーン弁護士・シリーズとを、同時に楽しめるマイクル・コナリーの秀作だと思いながら本書の下巻を読み終えた。 | ||||
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評者は、ずいぶん前に、ミッキー・ハラー・ シリーズの『罪責の神々 リンカーン弁護士』(2013年)を読み、最近になってからリンカーン弁護士シリーズを、時系列で読み始めて本書『判決破棄』(2010年)まで辿り着いた。 異母兄弟のヒエロニスム(ハリー)・ボッシュが本格的に協力する第二弾である。 24年も前に少女殺しで有罪(終身刑)となったジェイスン・ジェサップ(サンクエンティン州立刑務所の囚人)が殺した少女のワンピースに付着していた精液のDNA鑑定の結果ジェサップのDNAでないことが判明たことからにカリフォルニア州最高裁判所が、ジェサップの有罪判決を破棄し、再審あるいは訴追取下げを求めて、ロサンジェルス郡に差し戻した。 ロサンジェルス郡地区検事長ゲイブリエル・ウィリアムズの要請を受けて、こともあろうに刑事弁護士のハラーが、再審の特別検察官として登場することになる。 「フオア・ザ・ピープルの精神で法廷に立てば何の支障もない」との一言で勝ち目のない訴訟の原告側責任者となることを引き受けたミッキー・ハラー。 ハラーがウィリアムズに出した条件は、捜査責任者には、ハリー・ボッシュ、そして補佐検事として元妻のマギー・マクファースンを指名することであった。 ボッシュが娘のマデリンと二人暮らしを始めて4ヵ月ほどの話であり、評者が先日読んだ『ブラックボックス』(2012年)から2年遡ることになるが、時系列を整理しながら読めばそれなりに面白いことも発見できる。 エコー・パーク事件で協力しあったFBI捜査官レイチェルに依頼した容疑者のジェイスン・ジェサップのプロファイリングの結果から捜査は意外な展開をしていく気配で上巻は終えている。 著者コナリーの卓抜した細部に拘るプロット構築と泉のように湧いてくるストーリー・アイデアを堪能し、物語に引き込まれながら上巻を読み終えた。 | ||||
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